ビジネスローンとは|銀行系とノンバンク系の比較
更新日:
公開日:2017.6.21
ビジネスローンとは、中小企業や個人事業者向けの無担保ローンのことを指します。
用途は事業資金として利用が可能で、無担保・保証人なしで即日融資が可能です。
そんなビジネスローンを取り扱っているのは、銀行系とノンバンク系の2つに大別でき、それぞれ特徴も異なります。
今回は各サービスの詳細説明や違いについて詳しく解説していきます。
「運転資金を調達する方法が知りたい」「ビジネスローンも利用してみたい」と考えている方は、ぜひこの記事をお役立てください。
この記事はこんな人にオススメ!
- 事業資金の借り入れを検討中の個人事業主の人
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ビジネスローンとは
ビジネスローンとは、銀行や証券会社をはじめ、クレジットカード会社や消費者金融といった、金融業者がビジネスでの利用を前提に提供している融資商品です。
主な利用対象は中小企業や個人事業主であり、大企業や個人は原則として対象外です。
またビジネスローンは、すでに展開中の事業だけでなく新規事業も融資対象としている点が特徴です。つまり、これから事業をスタートさせる予定の人が資金を調達する方法としても活用できるわけです。
さらに、銀行や日本政策金融公庫などから融資を受ける場合は、原則として担保・保証人が欠かせません。一方、ビジネスローンは無担保・無保証で利用ができ、これらを用意する時間や余裕がない場合の利用先としても最適です。
なお、ビジネスローンは「銀行系」と「ノンバンク系」の2つに大別できます。
このとき疑問点となるのが、ビジネスローンはカードローンで適用される「総量規制」が同じく適用されるのか?という点です。
その答えを解説する前に、「総量規制ってそもそも何?」という疑問を持つ方へ、「総量規制って何?その内容と利用法等、知りたいことを全部まとめてみた!」でその点を詳しくまとめていますので、まずはこちらをご覧ください。
総量規制の対象外
ビジネスローンに総量規制は適用されません。ですので、個人事業主でも同様に年収の3分の1以上を借りることが可能です。
総量規制は「個人に対し、貸金業法に該当する金融業者がお金を貸す」とあるので、「個人」に限定されていない法人向けのビジネスローンは、銀行系・ノンバンク系問わず総量規制の対象にはならないのです。
ビジネスローンの呼び方
この「ビジネスローン」という呼び方は正式な名称ではなく、各社でさまざまな呼び方をされています。
- 事業ローン
- 事業者ローン
- 事業用ローン
- 事業融資
- 法人ローン
- 法人カードローン
- ビジネスカードローン
要するに、法人や事業といった名称を持つローン=ビジネスローンという認識で問題ありません。
即日融資可能
ビジネスローンは、原則として無担保・無保証で利用できる融資です。
このため、事前に行われる審査が完了するまでにあまり時間がかからず、会社や商品によっては即日で融資が受けられるものも数多く提供されています。
例えば、翌日までに支払いを終えないと仕入れができないような状況では、通常の融資では審査が通る前に期限を迎えてしまいます。
しかしビジネスローンを利用することで、必要な代金をすぐに融資してもらえるので即座に支払いに充てることができます。
特に、まとまった資金を確保するのが難しい中小零細や個人事業主にとっては、すぐに資金が用立てられる方法としても最適です。
事業性資金なら使い方が自由
ビジネスローンは、事業性資金と見なされる用途であれば使い方は自由です。
例えば、これが銀行からの直接融資であれば「設備投資に使うのか?」や「運転資金に使うのか?」など、融資金の使用用途をこと細かく申告する必要があります。
一方、ビジネスローンはおよそ事業に関連する目的であれば自由に使えるので、個人事業など小規模ビジネスに向いています。
ビジネスローンで認められている用途は、次の通りです。
- 開業資金(起業資金)
- 運転資金
- 設備投資
- 仕入資金
- 他の借入の返済用資金
- 税金納付用資金
- 取引先への支払い資金
- 従業員への給料支払資金
ご覧のように、事業に関連している資金で利用が認められています。また、これ以外にもM&Aの資金としても使え、用途が制限される銀行融資よりも自由度が高い点が魅力です。
ただし、あくまでも事業に関連した資金にのみ利用が可能であり、プライベートに関連する資金(個人契約ローンの支払いなど)としては活用できないので注意してください。
ビジネスローンの審査は甘い?
用途制限が厳しい銀行融資には、低金利という大きなメリットがあります。
一方、ビジネスローンは銀行融資と比べ金利はやや高めですが、その分審査が甘く早い点が特徴です。
銀行の審査基準は、銀行を問わず全体的に厳しい形で行われています。このため、断られた銀行とは別の銀行に再度融資を申し込んでも、同様に断られる可能性もあるわけです。
このような確実性のない作業を繰り返すよりも、審査が甘く通りやすいビジネスローンを早い段階で利用した方が、事業をより円滑に進められます。
ビジネスローンの金利や限度額はどれくらい?
経営者や事業主になったばかりの人にとって、気になるのはビジネスローンの金利についてです。
実は、ビジネスローンの多くは、個人向けのカードローンとほぼ遜色のない程度の金利で設定されています。
ビジネスローンと他のローンとの金利差・限度額の詳細についてまとめましたので、こちらの表をご覧ください。
ローン名 | 金利 | 限度額 |
---|---|---|
ビジネスローン | 6~18% | 300~1,000万円 |
消費者金融カードローン | 5~18% | 10~800万円 |
銀行フリーローン | 5~6% | 300~1,000万円 |
公庫などの融資 | ~3% | 事業規模による |
借入額に応じて金利は変動しますが、ビジネスローンの金利幅は消費者金融のカードローンとほぼ同様の内容になっていることが確認できます。
利用時に適用される金利は、借り手側の信用力や借入額に応じて変動し、またビジネスローンの多くが利用実績に応じて優遇金利が適用される特性を持っています。つまり、初回は上限金利が課せられ、継続利用するほど金利が低くなります。
では、次にさまざまなビジネスローンの中でも、特にユーザーからの支持が高い人気商品の金利・限度額について見ていきましょう。
ビジネスローン名 | 金融機関名 | 金利 | 融資 限度額 |
融資形態 |
---|---|---|---|---|
ビジネクスト 「ビジネスローン」 |
ビジネクスト 株式会社 |
3.1~18.0% | 1,000 万円 |
ローン カード型 |
オリックス 「オリックスVIPローンカードBUSINESS」 |
オリックス・クレジット株式会社 | 6.0~17.8% | 500 万円 |
ローン カード型 |
CREST for Biz (クレストフォービズ) |
株式会社オリエント コーポレーション |
6.0~18.0% | 300 万円 |
ローン カード型 |
プロミス 「自営者カードローン」 |
SMBC コンシューマー ファイナンス株式会社 |
6.3~17.8% | 300 万円 |
ローン カード型 |
ビジネスパートナー 「スモールビジネスローン」 |
株式会社 ビジネスパートナー |
9.98~18.0% | 500 万円 |
ローン カード型 |
ビジネスローンでは、ローンカードを用いた融資方法が一般的です。
また、各社の商品ごとに金利や限度額でばらつきが見られますが、全ての商品で事業実績や信用力を元に具体的な数値が算出されている点も共通しています。
上述したビジネクストのローンが気になった方は「ビジネクストの審査から融資までの流れを徹底解説」で詳細を解説していますので、ぜひご活用ください。
同じく、オリックス・クレジットのVIPローンカードについてもっと知りたいという方は「オリックスのVIPローンカードってどんなローン?特徴・口コミまとめ」に詳細をまとめました。
また、株式会社オリエントコーポレーション(オリコ)のCREST for Bizについても「オリコCREST for Bizってどんな感じ?」で情報をまとめましたので、ぜひあわせてご活用ください。
銀行系・ノンバンク系ビジネスローンの比較
では、銀行系とノンバンク系、どちらのビジネスローンを使うべきなのでしょうか?
それぞれにメリット・デメリットがありますので、一概にどちらのほうが優れているとは断言できません。
その上で、これら2つの特徴や違いをまとめてみました。
取扱業者 | 銀行系 | ノンバンク系 | おすすめ/注意点 |
---|---|---|---|
金利 | 1~14.0% | 6~18.0% | ・銀行がおすすめ ・ビジネスローンの種類によって差がある |
融資限度額 | ~2億円 | ~1,000万円 | ・銀行がおすすめ ・不動産担保型は大きく借り入れできる |
融資スピード | △ | 〇 | ・ノンバンク系がおすすめ |
借入期間 | ~10年 | ~6年 | ・銀行系がおすすめ ・ノンバンク系でも長めに設定している場合があり確認が必須 |
返済方式 | 元利均等 返済 |
リボルビング 方式 |
・総支払額を減らすなら銀行系 ・月々の支払額を減らすならノンバンク系 |
登記事項証明書 の提出 |
原則あり | 原則なし | ・必要に応じて提出が必須なケースあり |
保証人 | 原則あり | 原則あり | ・個人事業主なら不要 ・法人なら必要となるケースが多い |
このことから「とにかくすぐに事業資金を用意する必要がある!」ならノンバンク系が最適であり、「低利で大きく借り入れたい」なら銀行系が最適であることが分かります。
では、これを踏まえた上で、次に銀行系とノンバンク系それぞれの人気商品で比較してみましょう。
三菱UFJ融活力 | プロミス自営者カードローン | |
---|---|---|
金利 | 2.35~9.0% | 6.3~17.8% |
最大限度額 | 5,000万円 | 300万円 |
融資までのスピード | 5日~1週間程度 | 最短即日 |
審査基準 | 高 | 低 |
返済期間 | 最長36ヶ月 | 最長6年9ヶ月 |
ご覧のように、銀行系とノンバンク系で特徴が明確に違っています。
例えば、融資スピードは最短で即日のノンバンク系が圧倒しており、逆に限度額の高さと低金利面では銀行系が圧勝です。
従って、できるだけ早く融資を受けたい人はノンバンク系の利用が、融資額や金利を重視している人は銀行系の利用がおすすめです。
また、個人と違い長期にわたる融資が前提となるビジネスだからこそ、返済期間の長さについても確認しておきましょう。
まとめ|すぐにでも運転資金が必要ならビジネスローンがおすすめ!
事業の行く末は多くの人に影響を与えますので、個人以上に資金管理には最大限の気配りが欠かせません。
今回は、特に中小零細企業経営者や個人事業主の方を対象に提供されているビジネスローンについて、その特徴や違い、使い方や注意点を解説してきました。
多額の資金が必要なビジネスという特性から、つい融資の限度額にばかり目が行きがちです。ただ、ビジネスローン選びにはそれ以外の要素も大切であるということを、今回の解説からもご理解いただけたと思います。
その上で、ご自身が求める条件に適したビジネスローンを見つけ出せるかがカギとなります。
今回ご紹介した情報を元に、銀行系とノンバンク系それぞれの長所・短所を見極めた上で最適な商品をご利用ください。
※記載されている内容は2023年1月現在のものです。