車のローンを滞納中|人生設計が狂う前にできること
更新日:
公開日:2018.10.5
「車のローンを滞納している」
「今月は車のローン代金を払えそうにない」
このようにローンの支払いができずに苦しんでいる人は大勢います。
滞納を続けていると、車が引き上げられてしまう上に延滞金が生活を圧迫し続けるので、さらに苦しむ可能性もあるのです。
ここでは、滞納時に起こりうるリスク、引き上げから売却されるまでの流れなどを詳しく解説し、解決方法を提示しています。
この記事はこんな人にオススメ!
- 車のローンを支払えずに困っている人
- 今月のローンの支払いができそうにない人
この記事の目次
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車のローンを滞納するとどうなる?滞納後の流れ
本来、その物を購入し使うことを前提に契約したローンは、その物を使い続ける限り支払わなくてはいけません。
ところが、さまざまな理由からどうしてもローンが払えず滞納してしまうというケースも十分に考えられます。もしもローンを滞納すると、一体どうなるのでしょうか?
その一般的な流れについて、まずは以下の表をご覧ください。
流れ | 補足 | 日付の例 |
---|---|---|
ローン引き落とし日 | 滞納1回目となる 引き落とし口座に支払い分の残高なしの場合滞納扱いとなります |
3月27日 |
催告書が届く | 請求書と振込用紙が郵送される 通常は書面送付日から2週間後が振り込み期日(あるいは再引落日)に指定されます |
4月11日 |
電話による連絡 | 約2週間後の支払い期日までに再振込(再引落)がなかった場合、担当部門から電話による催告が行われます また、あわせて郵送による催告も行われます |
4月12日 |
ローン引落日 | 滞納が連続して2回目となる この段階で口座残高に余裕があれば3月引落分もあわせて引き落とされますが、無ければ引き続き滞納となります |
4月27日 |
督促 | 滞納初回日より2ヶ月程度を機に、滞納分の督促と共に「○○日までに振込が確認できなければ車を引き上げる」といった自動車の引き上げに関する説明連絡が行われます あわせて郵送や電話による催告も行われます |
4月30日 |
最終通知書 | 「期限の利益」が喪失する3週間前を目安に「本書の到着から20日以内に滞納分の支払いが確認できなければ期限の利益を喪失します」といった内容の最終催告書が届きます | 5月15日 |
車の引き上げ予定日の決定 | 5月27日(3回目のローン引落日)までに滞納分の支払いが行えるかどうか担当部門より確認の電話連絡が行われます 支払いに関する回答が得られない場合は、この時点でローン対象の車の引き上げに関する日時が提案され、最終的に決定します |
5月22日 |
ローンの引落日 | 滞納が連続3回となる 非常に厳しい状況ですが未だ「期限の利益喪失」を迎えていないので、この時点で滞納分の全額もしくは一部を支払うことで車の引き上げを回避できる可能性が十分あります |
5月27日 |
期限の利益喪失 | 最終通知書の送付から20日が経過したこのタイミングでローン契約上の期限の利益喪失を迎え、債務者としての利益が失われます 以後は分割払いが認められず一括返済する義務が発生します また、この時点で車の引き上げ義務が確定し、日時を記した車両引渡請求書が滞納者の元に届きます |
6月5日 |
車の引き上げ実施 | 信販会社からの委託をうけ、業者による車の引き上げが行われる。車両引渡同意書・売却同意書に捺印することで車が引き上げられます (捺印を拒否することも可能) |
6月10日 |
引き上げた車の売却実施 | 引き上げられた車の売却実施。具体的な売却日は信販会社によって違いがあります 売却後はローンの残債に充当され滞納者には「車両売却充当額のお知らせ」という書面が送付されます 車の売却額が残債全額に満たなかった場合、残額分の請求は継続されます |
6月21日 |
ご覧のように、滞納したからといってすぐに車が取り上げられるわけではありません。引き上げが行われるまでの間は、督促の電話や書面を使った支払いを求める通知が複数回にわたって行われ、滞納の事実が滞納者に明示されます。
その後も延滞し続けることによって徐々に対応は厳しくなり、最終的にローンへの充当のため車が債権者(ローンの貸主)によって引き上げられます。
この流れはあくまでも一般的なものであり、ローン契約している信販会社によって対応はさまざまです。ただ、いずれの信販会社も、通常2ヶ月以上の滞納が発生した段階で電話による直接連絡を行っており、滞納に関する今後の対応などがこの時点で告げられます。
したがって、滞納を始めてから早ければ2ヶ月程度、遅くとも3ヶ月が経過した段階で車の引き上げの可能性が現実味を帯びてくると思ってください。
車のローンが払えないと発生する遅延損害金に注意
車のローンでは、毎月の支払いを滞納した分だけ損害賠償に相当する追加費用が課せられ、これを「遅延損害金(ちえんそんがいきん)」といいます。
遅延損害金は、ローンの延滞1日目から所定の利率を使った算出が行われ加算がスタートします。その後は、延滞が1日経過するごとに損害金の額も徐々に増加していきます。
また、遅延損害金の算出に使う利率は利息制限法という利息を規定した法律に準拠した数字が適用され、この数字を超える利率が適用されることはありません。
ローンを延滞した際に発生する遅延損害金の利率について、通常利率と合わせて以下の表でご確認ください。
借入額(借り入れした元本) | 制限利息(上限利率) | 遅延損害金 (上限利率の1.46倍) |
---|---|---|
10万円未満 | 20% | 29.2% |
10万円以上100万円未満 | 18% | 26.2% |
100万円以上 | 15% | 21.9% |
ただし、ローンに対する遅延損害金の利率を上限いっぱいで運用している会社は少なく、実際は14%~20%の範囲で運用しているところが大半です。
また、遅延損害金の1日あたりの額と総額を求めるには
- ローンの残額×遅延損害金の利率÷年間日数(365)=遅延損害金の1日あたりの額
- 1日あたりの遅延損害金の額×延滞している日数=遅延損害金の総額
という2つの式を使います。
例えば、遅延損害金の利率が14.6%であった時、借入額100万円のローンを延滞した場合の遅延損害金は年間で14万6,000円となり、これを1年間の日数である365で割って求められる400円が、1日あたりの遅延損害金の額に相当します。
さらに、延滞を3ヶ月継続している場合「400円×90日=36,000円」となり、これが遅延損害金の総額になります。
また、遅延延滞金の利率が20%で、借入金400万円の自動車ローンを契約しすでに50万円分は返済した状態で、残額を6ヶ月(180日)にわたって延滞している場合の遅延損害金総額の求め方は
(4,000,000-500,000)×20%÷180/365=345,205円
となります。
延滞1日分の遅延損害金がわずかでも、それが長期間にわたって継続することで損害金の総額も予想以上に大きくなってしまいます。
特に、元本が大きなローンを契約した上で残額と延滞期間が多いほど遅延損害金の負担もそれに比例して大きくなるので、負担を減らすためにも一日でも早く返済したいところです。
ちなみに、滞納分をすべて返済した段階で遅延損害金の加算も当然ストップします。
車のローンを滞納した場合のリスク
本来、適切な支払いが欠かせない車のローンを滞納し続けた場合、滞納者には債権者であるローン会社側からさまざまな形でペナルティが課せられるリスクがあります。
中には、個人としては非常に重いリスクもありますから、滞納する前にこれらのリスクについても知っておくべきです。では、その具体的なリスクについて詳しく見ていきましょう。
車が売却されてもローンが残る場合がある
延滞が続き、車が最終的に引き上げられ売却された場合、売却金はそのまま延滞しているローンに充当されます。このとき、充当後のローン残額が0円なら問題ありませんが、売却額よりもローン残額の方が多く残ることがあります。
この場合、引き続きローン残額の支払い義務が滞納者に課せられるので注意しましょう。決してローンの支払い義務が解消されるわけではありません。
では、車を引き上げられたにもかかわらず、なぜこのようなことがおこるのかというと
- 売却された車の、市場における売却相場自体が安かった
- 売却された車になんらかの問題点があり、評価額が著しく下がってしまった
といったケースが考えられます。この結果、車を売却してもローンをすべて補填することができずに、ローンが残ってしまうことになるわけです。
滞納し続けると裁判を起こされる
ローンを滞納し続けると、車の差し押さえなどの措置が行われます。このとき、特別な事情が認められれば車の差し押さえを拒否できますが、ローン会社側はローンの担保として車を引き上げるべく、法的に認めてもらうために裁判を起こすことがあります。
また、差し押さえられた車が売却され、そのお金がローンに充当されてもなおローンが残った場合、これを続けて延滞すると同様に裁判になることがあります。こうなると、裁判所への出廷や対応など、非常にわずらわしい労力と手間が必要です。
このような事例での裁判ではたいてい、会社側と滞納者との和解が提案されますが、判決が出るまで出廷しなければならず、仕事を持っている方ほど大きなリスクになります。
滞納していることが会社にバレてしまうことがある
延滞しているローンを徴収すべく、ローン会社側は裁判を通じて給料の差し押さえを行うことがあります。これが認められると、ローン会社側は法的根拠に基づいた給料の差し押さえを滞納者の勤め先である会社に求め、これがきっかけとなってローンを延滞していることが会社にバレてしまいます。
会社側は、ローンを延滞する人物を社員として雇用している事実を会社のマイナスイメージとして気にしやすく、ここから人事査定や会社内での立場に悪影響を及ぼしかねません。
延滞金が増加し生活を圧迫する
車のローンを延滞し続けると、ローン規定と法律に基づいた損害賠償として遅延損害金が追加で課されます。100万円のローンを1ヶ月滞納した場合の遅延損害金は1日あたり550円程度となり、これは延滞が続く限り永遠に加算されます。
短期間であればそれほど高額ではありませんが、延滞は長期間にわたるケースが非常に多いです。半年、1年と放っておくと、いつの間にか手がつけられないほどの高額になっている恐れも十分にあります。
ブラックリストに載ってしまう
自動車ローンに限らず、金融商品で滞納や延滞を続けた場合、金融事故を起こしたとみなされ、いわゆるブラックリストに載ってしまいます。ブラックリストに一度記載されると、一定期間にわたって情報が掲載され続け、自動車ローンだけでなく住宅ローンやカードローンなどさまざまな金融商品に影響を及ぼします。
また、クレジットカードの審査でも確実に落とされる要因になるので、できれば避けたいところです。
ブラックリストの詳細やブラックリストに掲載されることで被るさまざまなリスクについては「金融ブラック、ブラックリストって何?条件や消し方を徹底解説!」のページで別途詳しく解説していますので、興味がある方はこちらもご覧ください。
車の引き上げや売却後はどうなるのか
自動車ローンを延滞している方が車を持ち続けることは至難の業です。なぜなら、自動車ローンは他のローンと比べ、金融機関が対策に乗り出すまでのスピードが段違いで早いのです。
当然、ローン契約している会社の規定によっても若干の違いはありますが、早い会社では滞納1ヶ月が経過した段階でただちに車の引き上げを行うところもあります。ただし、この場合でも必ず引き上げ前に持ち主に対してさまざまな形で通知が行われます。連絡もなく突然車を奪われてしまうというわけではありません。
また、引き上げられた車は、その後売却され未返済のローンに充当されます。この時も、売却する直前に会社から滞納者に対して「××日までに車を売却する」という具体的な日時が通知され、これを「最終期日」といいます。
この最終期日を過ぎると、その後滞納分を全額支払ったとしても車は二度と戻って来ないので注意してください。ちなみに、車の引き上げから売却までのおおよその期間は、1~2週間が通常です。
車が引き上げられた段階で信用情報に大きな傷がつく
クレジットカードの利用履歴やローンの契約履歴など金融商品にまつわる履歴は、すべて信用情報に個人情報として記載されます。そして、この信用情報には、自動車ローンの滞納によって引き上げられた車の売却についても「延滞の事実」として記載されます。
こうなると、金融事故を起こした扱いとなります。以後は、一定期間にわたって自動車ローンだけでなくさまざまなローンやクレジットの利用と契約に大きな影響を及ぼします。
例えば、クレジットカードを申請しても一切審査に通らなくなるのもその一例です。あるいは、十分な収入があるにも関わらず、家を買うために住宅ローンを申請しても認められないというケースが考えられます。
このように、ローン対象の車が引き上げられ売却された段階で信用情報に大きな傷がついてしまう点に注意してください。
売却後はローンを組みなおし
引き上げられた車が売却されると、売却額の分だけ差し引くためローンの組みなおしが発生します。すると、ローンの残債自体は少なくなるので、以後の支払いは楽になります。
ただし、すでに所有していない車のローンを払い続ける必要があるので、この点に空しさを感じてしまうことから、あえて債務整理を選ぶ人が少なくありません。
引き上げを拒否できることもある
引き上げ対象の車は、必ず没収されるというわけではありません。例えば、その車が仕事や事業を行う上で必要なものと認められれば、引き上げを拒否できます。
ただし、車の売却とそれによるローンへの充当が行われないことを意味しますから、引き続き延滞しているローンの遅延損害金は増すばかりで、毎月の負担がますます厳しくなることを理解しておきましょう。
車のローン滞納金の返済が困難なときの対処法
契約している車のローンについて、払いたくても払えないという方も多くいらっしゃるでしょう。返済がどうしても困難な場合に押えておきたい対処法について、詳しく見ていきましょう。
ローンの借り換え
契約している車のローンには、借り入れ分に対する金利が設定されています。中には、言い値でそのまま契約して高額な金利を支払っているという方も少なくありません。
こういった場合は、ローンの借り換えを検討しましょう。借り換えとは、今契約しているローンの残額を、別のローンを契約して一括で支払う方法のことです。
今契約している自動車ローンよりも金利が安いところから借り一括返済することで、金利の差額分だけ負担を減らせます。
また、借り換えを通じて48回払いや60回払いなどさらに支払い期間が長いところを利用すれば、1ヶ月あたりの支払額を下げられるので、現状よりも無理なく支払えるようになります。
ただし、長期間に渡って滞納をしている場合には借り換えるローン会社の審査に通らない可能性があります。
現在のローンの返済期間について延長を相談する
借り換えのような手間のかかる方法よりもさらに簡単に実践できるのが、現在契約しているローンの返済期間を延長してもらうというものです。
ローンの借り換えは有効な方法ですが、延滞がすでに発生していると新しいローンの契約を拒否される可能性があります。そういった場合は、今契約しているローン会社に対して返済期間の長期化を相談しましょう。
例えば、残額100万円のローンを残り24回で返済するよりも36回や48回で返済した方が、1回あたりの返済額を低くできます。当然、期間が伸びる分だけ金利の総額は高くなりますが滞納するよりもはるかにリスクが少ないため、検討してみてもいいのではないでしょうか。
ただし、自動車ローンの返済期間延長という方法は、ほとんどの場合で認められません。ただ闇雲に「期間を伸ばしてほしい」と伝えても断られてしまいますから、例えば
- 災害(家の倒壊や損傷など)に見舞われて返済が困難になってしまった
- 給料が減額され、これまで通りの支払いが難しくなってしまった
などやむを得ない理由を添えることで、認めてもらえる確率を上げられます。特に、給料の減額についてはそれが伝わるよう給与明細を提出することで認められる可能性が高くなります。
諦めて車を売却する
ローンの借り換えや返済期間の延長などの方法が不可能だった場合、潔く諦めて車を売却するという方法も1つの手です。負担の元凶である車をできるだけ高いうちに売却することで、引き上げによって売却された時よりも高く手放せます。
大切な車とはいえ、車を所有したままローンが支払えず延滞金が重くのしかかると最終的には車を処分せざるを得なくなります。できるだけ早いうちに決断した方が、精神的にも経済的にも楽になれます。
個人再生で車を残す方法もある
債務整理の1つに「個人再生」があります。これは、支払えないほどの借金や負債を抱える個人を救済することを目的に導入されている法的措置で、これを活用することで車を残したまま借金を無理なく返済できます。
「個人再生をすると、車は取り上げられる」という噂をよく耳にしますが、実際のところ、個人再生をすることで逆に車を手元に残すことができます。
なぜなら、個人再生は債務者の財産を極力残した状態で債務を精算することを目的とした制度ですから、車も債務者の財産として法的に認められた上で、それを手元に残した状態で借金の精算手続きを行えるのです。
車をどうしても手放したくない、けれど延滞しているローンをなんとか清算したいという方は、個人再生の検討を強くお勧めします。
車のローンを滞納したら早急に支払うのが無難
車のローンとその滞納によっておこるリスクや対処法について詳しく紹介しました。
他のローンと比べて比較的早いスピードでローン会社による対策が行われますが、通常は1~3ヶ月程度の滞納で車の引き上げといったリスクが発生します。ですから、自動車ローンの支払いができないとわかった段階で、速やかな対策を検討しましょう。
例えば、支払いに充てられる手持ちの資金がたまたま不足していて「今月分だけ払えない」といった場合には、クレジットカードのキャッシング枠や消費者金融を通じた融資を活用することで問題回避できます。
この方法のより詳しい情報については「即日融資のカードローン」というページでまとめていますので、あわせて参照ください。
そのほかにも、身の回りの物を売って支払いに充てたり、無理なく返済できるローンに借り換えたりなどの方法も有効です。それでも延滞が続きその額が膨大になってしまったのなら、個人再生や車の売却といったより具体的なアクションを起こすことをお勧めします。
いずれにしても、放っておかず具体的な対策を行うことで、車の引き上げや裁判といった人生設計を狂わすほどの最悪の状態は十分回避できることをお忘れなく、今回紹介した方法をぜひ活用してください。
※記載されている内容は2023年4月現在のものです。