生命保険でお金を借りるには|審査なしの契約者貸付制度を利用しよう
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まとまったお金が必要だけど、今ある貯金だけではちょっと足りない……。そのようなとき、銀行カードローンや消費者金融からの借り入れを検討することもあるでしょう。
しかし銀行や消費者金融でお金を借りると金利が高く、まず何より審査に通過しなければなりません。
生命保険などの貯蓄性が高い保険に加入していれば、審査なしで銀行や消費者金融より低金利でお金を借りられる可能性があります。
今回は、生命保険を利用してお金を借りる「契約者貸付制度」について調べてみました。
- どのような生命保険に加入していれば契約者貸付制度を利用できるのか
- 生命保険の契約者貸付制度の申込方法や返済方法
- 契約者貸付制度のメリットや注意点
などについて詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。
この記事はこんな人にオススメ!
- 契約している生命保険からお金を借りたいと考えている方
- 生命保険の契約者貸付制度に関する知識を得たい方
この記事の目次
担保不要でお金借りる!最短60分
- 20~35歳の方におすすめ
- 36~60代の方におすすめ
生命保険でお金を借りるには|契約者貸付制度とは
まとまったお金が必要になったとき、カードローンに頼らなくても加入している生命保険などを解約すれば解約返戻金を受け取れます。
しかし保険を解約してしまったら、今後はその保険の保障は受けられません。
もし解約返戻金がある生命保険に加入していれば、契約している保険の解約返戻金を担保としてお金を借りることができます。
この仕組みを「契約者貸付制度」といいます。
契約者貸付制度の最大のメリットは、生命保険契約を継続した状態でまとまったお金を融資してもらえることです。
お金を借りることによって保険の契約内容に不利益は一切生じないので、安心して融資を受けられます。
加入している保険に解約返戻金があるか確認する
契約者貸付制度は、解約返戻金のある生命保険が対象です。
解約返戻金は全ての生命保険にあるわけではないので、まずは加入している保険に解約返戻金があるかどうか調べてみましょう。
解約返戻金がある保険 |
【積み立て型保険】 終身保険、学資保険、養老保険、個人年金保険など |
---|---|
・解約返戻金がない保険 ・解約返戻金があっても少額の保険 |
【掛け捨て型保険】 定期保険、医療保険など |
生命保険のうち貯蓄性の高い終身保険には、たいてい解約返戻金があります。
リスクに備えるための定期保険や医療保険では解約返戻金がないか、解約返戻金があってもごく少額なので注意してください。
積み立てた以上のお金は借りられない
契約者貸付制度を利用すれば、これまでに払い込んだ保険料に応じて融資を受けられます。
生命保険の契約時から時間が経てば経つほど、多くの保険料の払い込みをしているほど借りられる金額は多くなります。
ただし、契約者貸付は生命保険の解約返戻金を担保にしてお金を借りる制度なので、解約返戻金よりも大きい金額を借りることはできません。
解約返戻金=支払った保険料の総額×解約返戻率
借りられる上限額は保険会社や加入している保険商品によって異なりますが、解約返戻金の7~9割程度に設定されているケースが多いです。
契約者貸付で借りられる金額は、保険会社や加入している生命保険の契約内容によって異なります。
契約している保険によっては、契約者貸付制度の取り扱いがない場合もあるので注意してください。
契約貸付金には利息が発生
契約貸付金制度は融資の一種なので、利用すれば所定の利息が発生します。
契約者貸付の適用金利は、生命保険の予定利率に1~2%程度上乗せして設定されていることが多いです。
適用金利の低い商品で1.5%程度、高い商品では8%程度となっています。
同じ生命保険でも、契約した時期によって適用金利が変わってくるので注意してください。
契約日 | 適用金利 |
---|---|
平成29年4月2日以降の契約 | 年1.55% |
平成25年4月2日~平成29年4月1日の契約 | 年2.00% |
平成13年4月2日~平成25年4月1日の契約 | 年2.50% |
平成11年4月2日~平成13年4月1日の契約 | 年3.00% |
平成8年4月2日~平成11年4月1日の契約 | 年3.75% |
平成6年4月2日~平成8年4月1日の契約 | 年4.75% |
平成6年4月1日以前の契約 | 年5.75% |
お得な生命保険は契約者貸付の適用金利が高い!
契約者貸付制度の適用金利は生命保険の予定利率をベースにしています。予定利率とは、保険会社が契約者に約束する運用利回りを指します。
生命保険の予定利率は市場の景気に大きく左右され、景気が良いときは生命保険の予定利率は高くなり、景気が悪いときは予定利率も低くなるのです。
予定利率が高い保険は解約返戻率も高くなるので、保険契約時の予定利率が高いほどお得な生命保険、予定利率が低い保険はあまりお得でない保険となります。
表を見ると、平成の終わりごろに契約した生命保険と比べて、平成の初期に契約した生命保険は予定利率もかなり高かったことが分かります。
こうしたお得な生命保険に加入しているなら、たとえまとまったお金が必要になったときも解約せず、契約者貸付制度を利用する方が得策だといえるでしょう。
ただし、契約者貸付を利用する際は予定利率に応じた金利が適用されるので、利息負担が大きくなる点には気をつけてください。
それでも、消費者金融などからお金を借りるよりもはるかに低金利なことには変わりありません。
生命保険の契約者貸付制度の申込方法|審査不要でお金を借りられる
生命保険の契約者貸付制度を利用してお金を借りるには、どうすればよいでしょうか?
契約者貸付の申込手続きは保険会社によって異なるので、事前に契約中の保険会社の申込方法を確認して、手続きをスムーズに進めましょう。
契約者貸付金制度で借り入れできる金額は、保険会社に問い合わせれば確認できます。
契約者貸付制度の申込方法は保険会社によって異なる
契約者貸付の申込方法は保険会社によって異なります。
以下のような手段から、自分の都合に合った方法を選択して申込手続きを行いましょう。
- インターネット
- ATM
- コールセンター
- 生命保険会社の窓口
別記事として、「かんぽ生命の契約者貸付の概要と利用の流れを解説」を用意しています。かんぽ生命の契約者貸付の利用方法に関して詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
契約者貸付制度は審査不要
契約者貸付制度は、すでに払い込みを終えた保険料の解約返戻金を担保にお金を借りる制度です。
カードローンなど契約者の信用力を担保とする金融商品とは異なり、信用情報に基づく審査を必要としません。
基本的には提出書類に不備がなければお金を借りられるため、審査落ちの心配をしなくても済むのも大きなメリットです。
過去に金融事故を起こしてブラック入りしている人でも問題なく利用でき、他社からの借り入れがあっても問題なく利用できます。
もちろん、契約者貸付の利用が信用情報に登録されることもありません。
契約者貸付制度で必要となる書類
保険会社によって契約者貸付制度の申込時の必要書類は多少異なります。
一般的には以下の書類が必要です。
- 保険証券(保険証書)
- 印鑑
- 保険契約者の本人確認書類(運転免許証、パスポート、個人番号カードなど)
参考元:かんぽ生命必要書類の準備
本人確認書類は、顔写真付きのものを用意しておきましょう。顔写真付きの本人確認書類を持っていない場合は、保険会社が指定する書類を提出してください。
このほか、保険会社によっては契約者貸付申込書の提出を求められることもあります。
契約者貸付制度の手続きができるのは契約者本人のみ
契約者貸付制度を利用できるのは、原則として生命保険の契約者本人のみです。何らかの事情があって契約者本人が申し込みできない場合は、代理人が申込手続きを行えるケースもあります。
かんぽ生命の契約者貸付の請求手続きを代理人が行う際には、通常の必要書類に加えて以下の書類も提出します。
- 保険契約者が作成した委任状
- 保険契約者本人の意思確認書類(印鑑登録証明書、運転免許証、健康保険証など)
- 代理人の本人確認書類(運転免許証、パスポート、個人番号カードなど)
- 代理人の印鑑
参考元:かんぽ生命必要書類の準備
代理人による契約者貸付の手続きの際に必要な書類も、保険会社によって異なります。手続きをする際には、事前にどのような書類が必要か保険会社にしっかり確認をしてください。
生命保険の契約者貸付金制度で借りたお金の返済方法
契約者貸付の返済方法も、契約する保険会社によって異なります。
住友生命保険では、下記のいずれかを選択できます。
- インターネットバンキングを利用した返済
- 専用の払込用紙による返済
保険会社によっては下記などの返済方法も取り扱っています。自分に合った方法を選んで返済していきましょう。
- 口座引き落とし
- 店頭窓口
- ATM
返済形式は全額返済、一部返済、利息返済の3つ
生命保険の契約者貸付の返済形式は3種類あります。
自分に都合の良い形式で返済を行ってください。
返済方法 | 内容 |
---|---|
全額返済 | 貸付金の元金と利息の全額を返済 |
一部返済 | 貸付金の元金と利息のうち任意の金額を返済 |
利息返済 | 貸付金の元金に発生する1年間の利息部分を返済(利息払込取扱期間内に限る) |
カードローンなどで借り入れをした場合は、毎月の返済期日までに決まった金額を返済する必要があります。しかし、契約者貸付制度では特に返済期限は決められていません。
借りたお金は、生命保険の契約期間が終了するまでに返済すればOKです。
- まとまった金額が入った時などに元金と利息を全額返済する
- 都合の良いときに一部返済を何回かに分けて行う
- 今はゆとりがないので利息部分だけを返済する
上記の項目のように、契約者の都合に合わせた返済計画が立てられるのが魅力です。
生命保険会社の契約者貸付制度でお金を借りるときの注意点
低金利で審査も不要などメリットの多い契約者貸付制度ですが、お金を借りる際には注意しておきたい点もあります。
しっかりチェックしていきましょう。
契約解除となる場合がある
契約者貸付でお金を借りてしばらく返済しないままでいても、元金と利息の合計金額が解約返戻金の範囲内にとどまっていれば特に問題はありません。
ただし、長期間にわたって借り入れをそのままにしていると、利息が大きく膨れ上がり、元金と利息の合計金額が解約返戻金の額を超えてしまうことがあります。
その場合、生命保険会社が指定する期日までに返済できなければ、保険契約そのものが失効し契約解除となってしまいます。
いざというときのための生命保険が失効してしまっては大変です。お金を借りる際はしっかりとした返済計画を立てておきましょう。
返済の督促がないので支払い遅れに気付きにくい
契約者貸付制度では返済期限が設けられていないので、カードローンなどのように返済を督促されることはありません。
返済金額や返済のペースも自分で自由に設定できるのは大きなメリットだといえます。
ただし、督促がないからと返済を後回しにしていると、あっという間に利息が膨れ上がってしまうので要注意です。
多くの生命保険では、契約者貸付制度の利息計算方法として「複利」を採用しています。
複利は、一定期間ごとに利息を元金に組み入れてその元金に対して利息計算を行うので、利息が大きくなりやすいのです。
自分のペースで返済できるのは魅力ですが、返済計画をきちんと立てておかないと契約者貸付制度を利用した意味がなくなってしまいます。
保険満期時や死亡時に受け取れる保険金が減ってしまう
契約者貸付制度を利用中に生命保険の満期を迎えてしまったり、被契約者が死亡してしまったりすると、満期保険金や死亡保険金から元金と利息を差し引かれます。
本来受け取れるはずだった保険金が減ってしまったら、人生設計が大きく狂ってしまう可能性があります。残された遺族に大きな負担をかけてしまうかもしれません。
そのようなことにならないためにも、できるだけ早期に返済するようにしましょう。
まとめ|生命保険からお金を借りるときはメリット・デメリットを加味する
生命保険の契約者貸付制度のメリットは、以下のように銀行カードローンや消費者金融よりも好条件でお金を借りられる点です。
- 審査なし
- 返済期限なし
- 低金利
督促がないため、返済を後回しにしてしまうと利息が増え、保険契約自体が失効してしまう恐れもあります。
長期間保険料を払い込んできた生命保険を失効させてしまっては元も子もありません。契約者貸付制度のメリットやデメリットを充分加味して、賢く借り入れをしましょう。
※記載されている内容は2023年4月現在のものです。