お金を借りたら税金ってかかるの?親から借りても税金は発生するの?
更新日:
公開日:2018.10.15
所得税・住民税・酒税・たばこ税・ガソリン税etc…、生活しているだけで実に多種にわたる税金が発生し、消費税がありますから大人だけでなく、子供も何らかの形で税金を負担しています。
そんな中、返済の必要があるものの、一時的とはいえ大金を入手する借金に、「税金はかからないの?」と疑問を持つ方もいるようです。
そこで今回は、借金と税金との関係性について詳しく解説し、その疑問を明らかにしたいと思います。
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金融機関からのキャッシングは非課税!

まず、基本的なことをお伝えすると、一定額のお金を入手する方法は、
- 労働をして給与収入を得る
- 手持ちの財産を売却して対価を得る
- 金融機関のローンなどで借金をする
- 親からもらうor借金をする
といった、大きく4つのパターンに分けられます。
このうち、1には「給与所得税」が発生し、会社勤めの方は基本的に給料から天引きされますし、自営の方は確定申告をして所定税額を納めます。
一方、2の場合は年間の売却益が50万円を超えた場合、「譲渡所得税」が課せられ、こちらも確定申告をする必要が出てきます。
つまり、入手したお金が「所得」とみなされてはじめて、税金は課せられるという訳ですから、将来的に完済しなければならない金融機関からの借金は、所得とみなされないため非課税です。
親子間でのお金の移動は贈与になるって本当?

前述したパターンのうち、税金が発生する可能性に注意したいのが「4」で、親子間で移動させた金額・方法によっては「贈与」とみなされ、所得税ではなく「贈与税」が発生する可能性もあります。
贈与税とは、無償でお金や財産をもらった時に発生する税金であり、他人はもちろん親子間でも夫婦間でも、一定額を超えると課税対象となります。
こうしておけばOK!親子での貸し借りで注意したいこと
一方、贈与税の課税対象となる金額を超えたとしても、それが「借金」の形であれば、金融機関からの借金同様に全く税金はかかりません。
問題は、借金であることを証明する必要があることで、親子だからと口約束だけで貸し借りをした場合、金額によっては贈与税の対象になりかねないのです。
では、どうやれば非課税になるかと言えば、
- 作成日付(年・月・日)
- 借主・貸主の氏名・住所・押印
- 借入金額・貸付日付
- 返済方法・返済期日
- 利息&遅延損害金
をしっかりと記載した「借用書」を作成し、贈与ではないことを明らかにすればいいのです。
また、明らかに借り手の返済能力を上回るような金額の借金は、親子間の場合贈与を疑われますし、設定金利は家族ですから相場並みにする必要はありませんが、限りなくゼロ金利に近いのもいただけません。
加えて、設定した金利による利益は、「雑所得」に属し、確定申告をする必要がありますが、年20万円以下なら不用です。
年間20万円の金利利益と言えば、400万円を年利10%で貸して、ようやく超える額ですから、一般的な親子間で安めの金利設定をしていれば、まず申告を気にする必要はないでしょう。
ただし、医療費控除などをするための確定申告の場合は、20万円以下でも申告する必要があります。
借金以外の方法!贈与税が発生しないケース
キチンと借用書を作成していれば、贈与税が発生しないことをお伝えしたところで、貸し借りという手段以外で、贈与税が発生しないケースについても、関連事項として解説しておきましょう。
暦年課税方式の基礎控除範囲内にする
贈与税は、1年間に贈与を受けた財産の合計額に応じて、税率が決定される「暦年課税」と、相続時に生前贈与分を合算で精算する代わりに、2,500万円まで生前贈与分を一時的に非課税にする、「相続時精算課税」という、2つの課税スタイルを選択できます。
そして、暦年課税方式を用いた場合、基礎控除として毎年110万円が控除されるため、1年間で110万円以内の贈与にとどめておけば「非課税」となります。
そのため数年間に分け、財産を家族に少しづつ相続していく「暦年相続」で、相続税を節約する方も多くおられます。
また、借金として「お金」の形で手渡したとしても、例えば実家の事業を手伝うなど、「労働」の形で返済とする場合も、家族間の貸し借りではあり得ますので、そのケースでもこちらの制度を採用し、110万円の範囲にすればOKです。
将来的に、どうせ贈与税が発生する相続時精算課税には、一見メリットがなさそうですが、この制度を適用すると、2,500万円の非課税分を超えた額の税率が、20%に統一されます。
一方、暦年課税の場合、贈与額が増えるほど税率が上昇し、その最高税率は50%に達します。
つまり、大きな金額の財産を贈与・相続する予定である場合は、相続時精算課税を適用したほうが、節税になるケースが増えてくるという訳です。
ただし、相続時精算課税を選択した場合、同じ親族から受けた贈与は、選択年分以降全て相続時精算課税が適用され、暦年課税へ変更不可となるため、注意しましょう。
住宅取得等資金贈与の非課税制度を活用する
住宅の購入や新築、リフォームなどを目的とした贈与の場合、相手が親・祖父母など直系尊属に限られますが、700万円(認定長期優良住宅は1,200万円)まで、贈与税がかからない制度を適用することができます。
また、こちらを適用する場合も、前述した暦年課税で110万円の基礎控除を受けるか、相続時精算課税制度によって、2,500万円追加で非課税とするか選択できます。
ですので、自己資金や足りない分のローン返済などを考慮したうえで、有利になる方をチョイスしてください。
大変有利なこの制度ですが、適用条件や非課税額限度に細かい規定がありますので、もし将来的に、直系尊属から住宅資金を贈与してもらう予定がある方は、国税庁「住宅取得等資金の贈与税の非課税のあらまし」で、しっかりと確認してみてください。
まとめ

生活の端々で納付を求められる税金ですが、社会福祉や生活インフラの整備と、維持をするために必要不可欠なお金ですから、それも致し方ありません。
とはいえ、今回解説した贈与税のように、しっかりと知識を持っていれば出費を抑えることも可能なので、家族間でお金のやり取り・貸し借りをする際には、ぜひ参考にしてください。
※記載されている内容は2023年4月現在のものです。