専業主婦がお金を借りるなら知っておきたい配偶者貸付!
更新日:
公開日:2018.10.22
生活費が少し足りない時や急な出費がありカードローンを利用したいと考えている専業主婦(主夫)は多くいます。
しかし、パートをしていなければ、自分自身に収入がないことから”カードローンの利用が難しい”と考えてしまうのではないでしょうか。
こんな場合は、「配偶者貸付」という制度を利用すれば、専業主婦(主夫)でもカードローンの利用ができる可能性があります。
そこで今回はその「配偶者貸付」について、利用するための条件やメリット・デメリットなどを解説していきます。
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総量規制

配偶者貸付について解説する前に「総量規制」について知っておく必要があります。
総量規制とは、貸金業法の下、貸金業者(消費者金融、信販会社など)からお金を借りられるのは自身の年収の3分の1までと定められています。
この年収の3分の1というのは、それぞれの貸金業者から年収の3分の1まで借りられるわけではなく、全ての貸金業者から借りた金額が3分の1までとなります。
これは多重債務問題を解決する目的で定められました。
そして、この総量規制には除外と例外があります。
総量規制の除外
総量規制の除外とは、融資を受けても貸付残高に含まれない貸付のことです。
総量規制の除外に当たる貸付けには、
- 不動産担保または不動産改良のための貸付け
- 自動車購入時の自動車担保貸付け
- 高額療養費の貸付け
- 有価証券担保貸付け
- 不動産担保貸付け
- 売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付け
- 金融商品取引業者が行う500万超の貸付け
- 手形の割引
- 貸金業者を債権者とする金銭貸借契約の媒介
があります。
住宅ローンや自動車ローンを多くの人が利用できるのは総量規制の除外に含まれているためです。
総量規制の例外
総量規制の例外とは、貸付けの残高として算入されるが年収の3分の1を超えている場合でもその部分について返済能力があるかを判断した上で貸付を行うものです。
総量規制の例外には、
- 顧客に一方的有利となる借換え
- 緊急の医療費の貸付け
- 社会通念上緊急に必要と認められる費用を支払うための資金の貸付け
- 配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付け
- 個人事業者に対する貸付け
- 預金取扱金融機関からの貸付けを受けるまでの「つなぎ資金」に係る貸付け
があります。これらに当てはまると判断されれば年収の3分の1を超える場合にも審査次第で貸付けをしてもらえます。
配偶者貸付とは

では、総量規制の解説を踏まえて本題である配偶者貸付について解説していきましょう。
総量規制の中で総量規制の除外と例外について解説しましたが、その総量規制の例外の中に「配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付」というものがありました。
この部分が「配偶者貸付」にあたります。
つまり、自分自身に収入がなくても配偶者に安定した収入があれば、その3分の1以下であれば借入れできるというものです。
配偶者貸付のケーススタディ
では、配偶者貸付がどのようなものかを具体的にみていきましょう。
配偶者貸付は夫(妻)の年収と、現在の借入額によって決まります。
配偶者貸付の例1
夫:年収450万円 借入0円
妻:年収0円、借入0円
この場合は、夫の年収450万円の3分の1にあたる150万円以下までは配偶者貸付によって妻は借りることができます。
配偶者貸付の例2
夫:年収450万円、借入50万円
妻:年収0円、借入0円
この場合は、夫が50万円の借入れがあるので、年収の3分の1の150万円から借入額の50万円を差し引いた100万円以下まで配偶者貸付によって借りることができます。
配偶者貸付の例3
夫:年収450万円、借入150万円
妻:年収0円、借入0円
もうお分かりですね?この場合は夫が年収の3分の1にあたる150万円を借りてしまっているため妻は新たな借入れを行うことはできません。
配偶者貸付を利用するために

では配偶者貸付を利用するに当たり、普通に消費者金融のカードローンに申し込む時との違いはあるのでしょうか。
配偶者貸付を利用するための必要書類
カードローンの申し込みの際に必ず必要になるのが本人確認書類ですが、配偶者貸付を利用するには本人確認書類以外にも以下のような書類が必要になります。
- 配偶者の同意書
- 配偶者との婚姻関係を示す書類(住民票、戸籍抄本など)
- ※事実婚の場合は住民票(続柄に「夫(見届)」「妻(見届)」の記載のあるもの)
- 配偶者の収入証明書(50万円以上の借入れ希望、もしくは複数者に渡り100万円以上の借入れの場合)
配偶者の同意書が必要
必要書類に配偶者の同意書が必要ですので、配偶者に知られずに借入れを行うことはできません。
同意書の内容は、
- 配偶者貸付を利用して申し込みを行うことへの同意
- 審査の際に信用照会を行うことへの同意
となります。
配偶者貸付の審査の場合は、申込者本人だけでなく、もちろん配偶者の信用情報も確認されることになります。
消費者金融における配偶者貸付

では実際に配偶者貸付を利用しようとするとすぐに壁にぶつかってしまいます。
それは、大手の消費者金融では配偶者貸付がほとんど利用できないということです。
主な消費者金融の利用条件は以下の通りです。
消費者金融 | 利用条件 |
---|---|
プロミス | 契約者に安定した収入があること |
アコム | 配偶者の同意以外に、契約者に安定した収入があること |
SMBCモビット | 契約者に安定した収入があること |
アイフル | 契約者に収入がないと、新規での契約は不可 |
このように、大手の消費者金融では「契約者に安定した収入があること」が条件になっています。
つまり、専業主婦(主夫)の配偶者貸付は利用できません。
大手消費者金融が配偶者貸付をしない理由
大手消費者金融がなぜ配偶者貸付をしないのかといえば、前述したように配偶者貸付には必要書類が通常の本人確認書類以外にも同意書や婚姻関係を示す書類が必要になり、審査の手間と労力が大きくなります。
しかし、その手間と労力の割に借入額はあまり多くはならないために消費者金融会社としては割に合わないために最初から利用できないようにしていると考えられます。
配偶者貸付が利用できる消費者金融
では、配偶者貸付の制度自体意味がないのかといえばそんなことはありません。
大手消費者金融では配偶者貸付は利用できませんが、中小の消費者金融、信販会社など利用できる業者があります。
利用できる業者は以下の通りです。
金融会社 | 限度額 | 必要書類 |
---|---|---|
ベルーナノーティス | 最大50万円 | ・本人確認書類 ・婚姻関係証明書 ・配偶者の同意書 |
レディースフタバ | 最大50万円 | ・本人確認書類 ・婚姻関係証明書 ・配偶者の同意書 |
セディナ | 最大200万円 (新規契約者は最大50万円) |
・配偶者貸付け申込書 ・収入証明書 ・婚姻関係証明書 |
このように配偶者貸付が利用できる金融会社は限られています。
上記の会社が全てではないですが、地方の極めて小規模な消費者金融などを探す必要があります。
やはり、必要書類の多さから中小の消費者金融でも敬遠する傾向にあるようです。
配偶者貸付けを利用するのではなく、夫(妻)に協力してもらい、夫(妻)本人がカードローンを申し込む方が審査も手間も有利になります。
クレジットカードのキャッシングも総量規制の対象
消費者金融がダメならクレジットカードのキャッシングをしようと考える人もいるかもしれませんが、クレジットカードも総量規制の対象であり、キャッシングをするには安定した収入が必要になります。
ほとんどの信販会社やクレジットカード会社でもやはり配偶者貸付は実施していませんが、前項で述べたようにセディナは配偶者貸付を利用することができます。
クレジットカードのキャッシングであれば多くのコンビニATMでも利用できるので、その利便性を考えてクレジットカードのキャッシングを希望するのであればセディナのクレジットカードを選びましょう。
総量規制外の銀行カードローン

配偶者貸付を実施している消費者金融が少ないとなると、やはり収入のない専業主婦では借入れを行うことは難しいことがわかります。
配偶者貸付の存在意義さへも問われかねないような状況です。
しかし、総量規制は貸金業法に適用されるものであり、銀行法の下で運営されている銀行には適用されません。
つまり、総量規制のない銀行系のカードローンであれば専業主婦でもお金を借りられるのではないでしょうか。
都市銀行のカードローン
銀行系のカードローンであれば大手の都市銀行でも専業主婦が契約できる可能性はあります。
カードローン | 専業主婦の申し込み | 融資限度額 |
---|---|---|
みずほ銀行カードローン | 可 | 30万円 |
三菱UFJ銀行カードローン 「バンクイック」 |
可 | 30万円 |
三井住友銀行カードローン | 不可 | - |
上の表のように、一見借入のハードルが高そうな都市銀行であっても専業主婦がカードローンを申し込むことができます。
しかし、審査が厳しいと言われている都市銀行ですので配偶者の信用情報や属性は厳しく見られます。
とはいえ、配偶者貸付の際には必要な配偶者の同意書は必要なく、配偶者の勤務先に在籍確認の電話がかかるわけでもないので、配偶者に内緒にしておきたい人は銀行カードローンの方がいいのかもしれません。
ネット銀行のカードローン
では、近年利用者を増やしているネット銀行はどのような対応を取っているのでしょうか。
カードローン | 専業主婦の申し込み | 融資限度額 |
---|---|---|
ソニー銀行カードローン | 可 | 50万円 |
楽天銀行スーパーローン | 可 | 50万円 |
イオン銀行カードローン | 可 | 50万円 |
住信SBIネット銀行 | 不可 | - |
ネット銀行でも対応は分かれますが、大手都市銀行よりは融資額も高く比較的柔軟に対応してくれます。
特に楽天銀行スーパーローンは専業主婦(主夫)専用の申し込みページがあるので安心して申し込むことができます。
もちろんネット銀行のカードローンにも審査は当然あり、信用情報などは厳しく見られますので自身や配偶者になんらかの問題があれば審査に落ちる可能性はあります。
その他、地方銀行にもカードローンはあるので気になる方は各地方銀行に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
配偶者貸付と銀行系カードローンのメリット・デメリット

では、ここまでを振り返りながら配偶者貸付と銀行系カードローンのメリット・デメリットをそれぞれ見てみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
配偶者貸付 | ・融資額が配偶者の年収の3分の1までなので、銀行系カードローンに比べ多く借りられる可能性がある ・利用限度額を上げることで金利を抑えることが可能。 |
・配偶者の同意書が必要なので、必ず配偶者にばれてしまう。 ・金利は比較的高め。 |
銀行系カード ローン |
・配偶者の同意書が必要ないので、配偶者にばれる可能性が減る。(郵送物でばれる可能性はある) ・金利は比較的安め。 |
・融資額の上限が概ね30~50万円なのでそれ以上借りたい人には不向き。 |
上記のように、融資額と配偶者にばれるかどうかという部分にそれぞれメリット・デメリットがあります。
絶対に配偶者にばれたくないのであれば銀行系カードローンを利用すべきですし、配偶者の協力が得られ融資額を増やしたいのであれば配偶者貸付を利用した方がいいでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを見極めた上で、どちらを利用する方が家庭にとってメリットがあるかを判断しましょう。
まとめ

今回は配偶者貸付について解説してきました。配偶者貸付は、
- 総量規制の例外により、配偶者と併せた年収の3分の1まで貸付を受けられる
- 配偶者に安定した収入がなくてはならない
- 配偶者に借入れがあれば、その分は借入れ可能枠から引かれる
- 配偶者貸付を実施している業者は少ない
という性格のものです。
そして、配偶者貸付を申し込む際には、必要書類として、
- 本人確認書類
- 婚姻関係証明書
- 配偶者の同意書
が必要になります。
また、配偶者の収入証明書も必要になる場合があります。
つまり、配偶者貸付を利用するには、配偶者の協力が不可欠ということになり、配偶者の理解を得られないのであれば銀行系カードローンの利用を検討する必要があります。
銀行系カードローンであれば配偶者の同意書は必要ないので配偶者にばれる可能性は低くなりますが、郵送物などでばれる可能性もあるので細心の注意が必要です。
配偶者貸付には、当然ですがメリット・デメリットが存在します。
利用するときは配偶者貸付の性格を理解した上で利用するようにしましょう。
※記載されている内容は2023年1月現在のものです。