住宅ローンで家具を購入する前に損しない家具ローンの探し方
更新日:
公開日:2019.7.9

一般的には違法ですが、「金利の低い住宅ローンで費用を多めに借りて家具・家電の購入に使いたい」と考える方も非常に多く、中には購入を許可している銀行もあります。しかしこの方法、実は損をする可能性が高いという事をご存知でしょうか。
というのも家具や家電は一般的に10年の寿命といわれているのに対し、住宅ローンは30年程支払いを続ける必要があります。そのため、10年以内に壊れてしまった製品の金利を何十年も支払うことになりかねません。では家具・家電をローンで購入したい場合はどうすればいいのか、最適なローンの見つけ方を解説したいと思います。
この記事はこんな人にオススメ!
- 住宅ローンで住宅を建設、もしくは購入しようとしている人
- 住宅ローンの費用で家具や家電は購入できないと言われ困っている人
- 家具や家電を一括で購入するお金がない、もしくは万が一に備えお金を残しておきたい人
この記事の目次
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住宅ローンの費用で家具・家電の購入を許可してくれる銀行は少ない
住宅ローンで利用できるのは住宅設備のみとなっているのですが、この住宅設備という言葉の解釈が難しいのです。
一昔前までは多くのお金を借りて欲しいということもあり、銀行で住宅ローンを組むときには家具や家電を住宅ローンの費用に組み入れてもいいという時代がありました。
しかし、バブルがはじけた頃から銀行の住宅ローンは、住宅を取得するための資金しかローンが組めないようになっています。そのため、家具や家電に関しては住宅ローンを利用できないことが多いのです。
銀行ごとに住宅ローンに含まれる内容は異なる
住宅購入に必要な費用は「購入物件費用」「諸費用」「その他費用」の3つに分けられます。家具や家電はこの中の「その他費用」にあたります。
一般的に住宅ローンに組み入れることのできる費用は以下の通りです。
- 土地取得費
- 本体工事費(基本工事、屋根工事、内外装工事等)
- 別途工事費(ガス電気の工事、外装工事等)
- オプション工事費(ソーラーパネル工事等)
- 設計管理費用(建築家に依頼した場合)
上記に挙げたものが「物件購入費用」にあたります。火災保険や登記費用にあたる「諸費用」や家具・家電が含まれる「その他費用」は住宅ローンに組み込むことができないので自己資金で準備する必要があります。
一般的な住宅ローン費用で家具・家電を購入する方もいるがそれは違法!
一般的な住宅ローンであれば住宅ローンで家具や家電を購入できません。しかし、中には施工会社に金額が多い見積書を作成してもらい、余分に銀行からお金を借りようとする人もいます。
では銀行がその提出した見積もりのままお金を貸してくれるかというと、もちろん答えはNOです。住宅ローンの審査が行われる中で明らかに説明できないものがある場合には銀行から指摘が入ります。
「試しにやってみたけどダメだったな、正式な家だけの見積書を提出しよう」で終わればいいのですが、一度不正を働こうとした人への信用はなくなり、最悪の場合住宅ローンを利用できなくなるというケースも。
備え付けの家具・家電であればOK
後から家具や家電を買うために住宅ローンは利用できませんが、購入する住宅によっては家具や家電が備え付けられている場合もあります。このような場合には住宅ローンに組み込むこともできます。
近年よくある例としては食器洗い乾燥機ではないでしょうか。食器洗い乾燥機は初めから備え付けられているケースが多く、元々家電を取り扱うメーカーの提供する住宅であれば冷蔵庫やオーブンなどの家電が備え付けられていることもあります。
このようなケースであれば住宅ローンとして組み込むことは当然可能ですが、こういった場合のデメリットとしては同じようなものを家電量販店で買う方が安く購入できることが多いということです。
もちろんその住宅が気に入って購入する分にはいいのですが、家具や家電を住宅ローンに組み込みたいがために購入を検討しているのであれば考え直した方がいいかもしれません。トータル的に考えて組み込む方がいいのか、後から購入する方がいいのかよく考えてみましょう。
住宅ローン費用で家具・家電を購入すると損をする可能性も高い
住宅ローンの中には家具や家電を組み込むことができるものもあります。住宅を購入する際に家具や家電を揃えたい人はそういった住宅ローンを利用するのも手ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 返済が長期化し、余分な利息を支払うことになる
- 資金管理が難しくなる
住宅ローンは銀行からお金を借りている状態になるので、返す時のことをしっかりと考えて決めなければなりません。
返済が長期化し、余分な利息を支払うことになる
家具や家電を住宅ローンに組み込めば、その分銀行からの借入額は増えることになります。そしてトータル金額が増えることで月々のローン返済額も自ずと増えることになります。
住宅ローンは30年や35年かけて返済していくことが一般的ですが、家電は10年ほどのスパンで買い換えを余儀なくされます。もっと早い時期に買い換えが必要になることもあるでしょう。
そういった場合でも壊れた家電の金利は支払い続けなければならず、もちろん新たな家電の購入費用もかかります。壊れた家電の金利を30年以上も支払い続けるのは少しもったいないです。
資金管理が難しくなる
固定金利であれば毎月の返済額に大きな変動はなく問題ないのですが、多くの人は低金利で利用できる変動金利を選びます。そして変動金利の場合、借入額が大きくなればその分金利変動の反動を受けやすくなります。
当初は順調に支払うことができていても、金利が上がり返済額が増えると思うように返済できなくなるなど、将来の資金管理に影響を与えてしまう可能性もあります。
変動金利で住宅ローンを組む際には、将来の金利上昇に備えて余裕を持った返済額であることが大切です。家具や家電を住宅ローンに組み込む場合には、月々の支払いに余裕がある場合にのみ利用した方がいいでしょう。
家具・家電をローンで購入したい場合はどうすればいいの?
住宅を購入する際には家具や家電を一緒に揃えたいという人も多くいます。しかし、家具や家電を一括で購入する資金がない、もしくは万が一に備えて資金を残しておきたいという考えの人もいるでしょう。
そういった場合には銀行のフリーローンや家具などの購入の際に利用できるインテリアローン、家電量販店のローンも利用できます。
家具はインテリアローンや銀行のフリーローンがベスト
家具の購入に特化したインテリアローンを取り扱う銀行は意外と多くあり、インテリアローンがなくてもフリーローンをほとんどの銀行で取り扱っています。主な銀行のインテリアローンやフリーローンの基本スペックを見ていきましょう。
金利 | 借入可能額 | 借入期間 | |
---|---|---|---|
MCJ (インテリアローン) |
年1.950% | 10万円以上500万円以下 | 35年まで |
スルガ銀行 (インテリアローン) |
年2.5%~7.5% | 10万円~800万円 | 6回~120回 |
イオン銀行 (インテリアローン) |
年3.8%~8.8% | 10万円~800万円 | 1年~8年 |
三井住友銀行 (フリーローン) |
年5.975% | 10万円~300万円 | 1年~10年 |
みずほ銀行 (多目的ローン) |
年5.875% | 10万円~300万円 | 6ヶ月~7年 |
りそな銀行 (フリーローン) |
年6.0%~14.0% | 10万円~500万円 | 1年~10年 |
※金利は2019年5月現在のもの
金利はその都度変わる(変動金利)ため詳しくは各銀行のHPなどで確認するようにしましょう。また、イオン銀行のインテリアローンはイオン銀行で住宅ローンを契約した方限定となっていたりと制約のあるものもあります。
インテリアローン・フリーローンのメリット
インテリアローンもフリーローンも一般的なカードローンやクレジットカードの分割払い等に比べると比較的低金利で利用できます。また、いつでも申し込めるので、自宅購入後に自宅に合った家具をじっくりと選ぶこともできます。
インテリアローン・フリーローンのデメリット
デメリットというほどではないのかもしれませんが、審査に時間がかかることが多く融資までには1~2週間ほどかかります。少し時間がかかるということを念頭に置いて余裕を持って申し込むようにすれば問題ありません。
家電は家電量販店のローンがベスト
家電の場合、購入までに余裕があれば上記で紹介した銀行のフリーローンを利用するのもいいでしょう。しかし、家電量販店で取り扱うローンのほうが、よりお得になる可能性があります。
例えば、ビックカメラでは5万円以上で12回まで、10万円以上で36回まで、ビックカメラ指定商品であれば60回まで金利と分割払いの手数料が無料になります。ヤマダ電機の通販「ヤマダウェブコム」でも対象商品が、最大で60回まで金利・手数料が無料になります。
このように、ローンや分割払いで発生する金利や手数料を家電量販店が負担してくれることも多いのが、家電量販店で取り扱うローンのメリットです。金利、手数料が無料ではなくても、金利は10%以内に設定されていることが多いので安心です。
まとめ|家具・家電をローンで購入する時のポイント
今回は家具や家電を購入する場合に、住宅ローンの扱い方やベストな購入方法について解説してきました。
- 住宅を購入する際に家具や家電を一緒に購入できる住宅ローンは少ない
- 一般的な住宅ローンで家具や家電を購入する人もいるが、銀行にバレれば最悪の場合住宅ローンを組むことができなくなる
- 家具や家電を住宅ローンで購入できても余分な利息を支払うことになる可能性が高く、また資金繰りが難しくなることもある
- 家具や家電を購入するのであれば銀行のフリーローンを活用する方法もある
- 家具であれば、家具購入に特化したインテリアローンもあり、比較的低金利で借りることができる
- 家電を購入する場合は家電量販店が取り扱うローンもあり、家電量販店の定める購入金額や購入商品によって金利・手数料を店舗が負担してくれるものもある
住宅ローンの中には、家具や家電の購入費用も含められるものもあります。家具や家電を住宅ローンに含めることが必ずしも悪いわけではありませんが、本記事内で解説したデメリットも考慮した上で決めるようにしましょう。
そして、住宅ローンに比べて返済期間の短い銀行のフリーローンやインテリアローン、家電量販店のショッピングローンも上手に活用して無駄な利子を払わないようにしましょう。
※記載されている内容は2023年2月現在のものです。