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返済できない奨学金問題に自己破産はアリ?方法と実行によるリスクを解説

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借金であることを知らず安易に借りてしまった奨学金を返済できない人が急増しています。「奨学金問題」とも呼ばれるこの状況は、安易に放置すると大変危険です。最悪、現在の仕事や社会的地位をも脅かす重大な問題となる恐れもある、と知っておいてください。

そんな時にぜひ検討したいのが、自己破産に代表される債務整理を使った解決法です。なかでも自己破産は、現在の借り入れを法的根拠に基づき一気に解決できる制度であり、奨学金問題にも利用できます
ただし利用時にはいくつかのリスクも存在しているので、利用前にそちらも必ず知っておくべきでしょう。

そこで今回は、返済できない奨学金に対する自己破産の使い方と、それによるリスクを詳しく解説します。現状で奨学金が返せない人や奨学金を借りるか迷っている人は、選択の参考にしてください。

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奨学金の返済を滞納した場合のリスク

大学への進学など、お金が用意できない時に助かる奨学金は、卒業後には必ず借りた分を返さなくてはいけない借金の一種です。そのため、卒業後に迫る返済に対応できず、中には滞納してしまう人もたくさんいます。

では奨学金の返済を滞納した場合、具体的にどういったリスクを負う恐れがあるのでしょうか。まずは基本中の基本ともいえるその点から、詳しく確認していきましょう。

延滞金の発生

奨学金を延滞すると、通常の利息に加えて延滞金の名目でさらに費用が上乗せ(賦課)されるので、注意が必要です。延滞金は、事前に設定されている返還期日までに返還を行わずに放置すると、滞納した日数分から算出されます。

元々は延滞日から起算して6ヶ月ごとに請求されていました。ですが現在では請求方法が変わっており、返還期日の翌日から返還した日までの日数分をその都度請求されます。

延滞金は利息が発生する第二種奨学金だけでなく、無利息の第一種奨学金の延滞分にも発生するので、対象の人は注意してください。

実際に上乗せされる延滞金の利率は、奨学金を借り終えたタイミングに応じて3種類に分けられていて、その内容は以下表の通りです。

【貸与終了日ごとの滞納に対する延滞金の利率表】
奨学金の貸与終了日 第一種奨学金 第二種奨学金
平成26年3月27日まで 10% 10%
平成26年3月28日から
令和2年3月27日まで
5% 5%
令和2年3月28日以降 3% 3%

ブラックリストへの登録

奨学金の滞納で最も注意すべき点の一つが、ブラックリストへの登録です。ブラックリストとは、金融サービス上で所定の問題を起こした人に与えられるペナルティーの一種、と考えてください。

ただし、金融業界でブラックリストと呼ばれるリストが、現実に存在しているわけではありません。便宜上、問題を起こしていない人と区別するシステム上での条件を、こう表現しているに過ぎないのです。

ここで紹介していることからも分かるように、奨学金の滞納行為も、ブラックリストへの登録要件です。奨学金の滞納でブラックリストの対象になると、全銀協信用情報センターという個人信用情報機関に登録されます。

この組織はその名の通り、全国の銀行が会員として加盟している全国銀行協会による信用情報機関で、日本学生支援機構もこの会員です。
したがって、ブラックリストの情報も全てここで共有されます。以降は会員である銀行や会社内で不利益な扱いを覚悟してください。

覚えておきたいのが、1ヶ月分を滞納したからといってすぐに登録されるわけではない点です
具体的な数値は公表されていませんが3〜6ヶ月の滞納で登録される、と経験者の声などから推測されています(あくまでも目安であり、これより早い・遅い場合もあります)。

一度ブラックリストに登録されると最低5年間は解除されず、その間はさまざまな不利益は避けられません。一例として、クレジットカードの新規発行やローン契約などで、100%ではありませんがほぼ確実に拒否されるようになります。

所有しているクレジットカードでも、信用情報を頻繁に照会している会社発行のものだと、有効期限内でも強制解約される恐れがあるので注意してください。

また、ブラックリストへの登録に関する奨学金特有の問題として注意しておきたいのが、いわゆる「返済完了から5年後」というわなです。

特に注意すべき「返済完了から5年後」のわな

ブラックリストの登録は、対象の滞納分が解決した日からカウントして5年が経過した段階で、解除されるのが原則です。キャッシングの返済など一般的な借り入れの滞納が原因なら、滞納した分を完済するとカウントが始まります。

ところが、奨学金の滞納に関してはこのルールが当てはまりません。奨学金の返済滞納が原因で発生したブラックリストへの登録は、奨学金全額を返済して初めてカウントがスタートします。

つまり、滞納分を返済したからといってカウントはスタートせず、一度ブラックリストに登録されると奨学金全額を完済するまでカウントが始まりません

これは、日本学生支援機構が加盟している全銀協信用情報センターが適用する「完済から5年」というルールに基づくためです。日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトにも、以下のようにこのことが明文化されています。

一度登録された情報は、延滞中はもちろんのこと、延滞を解消しても一般のクレジットカードと同様に約束どおり返済している人の情報として登録され続け、返還完了の5年後に削除されます。

引用元:個人信用情報機関に登録されると|日本学生支援機構

これが「返済完了から5年後」のわなであり、ブラックリストに登録されて初めてこの事実を知った人が多いのが実情です。

一定期間滞納すると一括返還を求められる

奨学金の滞納を一定期間継続すると、最終的に借りた奨学金全額と利息分、さらに延滞金の全額一括返還が求められるようになります。
こちらもブラックリストへの登録と同様、1回2回程度の滞納で行われることはなく、数ヶ月以上の長期間滞納した場合に考えられるリスクです。

本来、借り手(債務者)には、借りたお金を一括で支払わず返済期限に縛られることなく返す権利が認められていて、これを「期限の利益」といいます。
長期間の滞納により悪質と認められた結果この期限の利益が喪失するため、一括返還が求められるわけです。

これは、奨学金を契約する際に提示される約款にも明記されています。たとえ目を通しておらず知らなかったとしても、契約した時点で了承していると見なされるので、逃れる術はありません。

また滞納を始めると、その直後から奨学金の契約者に対して電話や書面による支払い督促の連絡が必ず行われます。
一括返還の請求は、この再三に渡る督促の後から適用されるのが通常なので、請求された時点で事態が差し迫っている、と判断すべきでしょう。

連帯保証人・保証人への取り立て

一括返還を求められても、滞納せざるを得ない人が払える可能性は決して高くありません。そこで注意しておきたいのが、契約時に名乗り出てもらった連帯保証人・保証人への取り立てです。

連帯保証人・保証人とはその名が示す通り、契約者に問題が発生した時に、代わりに責任を負う人を指します。
奨学金の契約時には、父母などの連帯保証人と、4等親以内の親族の保証人の1人ずつ計2人による人的保証が必須です(保証人の代わりに、指定保証会社との契約による機関保証でもOK)。

契約者による返済が無事に行われている状況であれば、各保証人に迷惑がかかることは一切ありません。
ところが滞納を繰り返し再三の督促にも応じないと、日本学生支援機構は保証機関を通じて、連帯保証人や保証人に代理返済を求めるようになります。

返済の義務を持つ順番は、以下の通りです。

  1. 契約者本人
  2. 連帯保証人
  3. 保証人

連帯保証人・保証人に対しても、契約者に求めるものと変わらない厳しい請求(督促・法的手続きなど)が行われます。家族や親族など身近な人に大きな負担をかけることは避けられません。

その上、親族からの信頼を著しく損う恐れが高いので、滞納するのであればこういったリスクがあることもしっかり理解しておきましょう。

連帯保証人は全額、保証人は半額が原則

連帯保証人と保証人はどちらも、契約者に代わって返済する義務を負う点では同じですが、返済義務の内容に大きな違いがあります。
日本学生支援機構では連帯保証人には全額を、保証人には半額を上限に請求すると定めていて、これは民法上の「分別の利益」によるものです。

そのため、連帯保証人を越えて保証人にまで請求が来た場合、保証人として連名した人は請求された額の半額を支払えば義務を果たしたことになります。

ところが、ここで注意しておきたいのが、日本学生支援機構から保証人への請求額が奨学金未納分の全額である、という点です。本来であれば保証人に請求される金額は半額が上限であるはずなのに、全額が請求される例が報告されています。

これは日本学生支援機構の「分別の利益は、保証人側から明示するものである」という考えによるもので、この全額請求自体は違法ではありません。要するに、請求された保証人側が「半額しか払わなくていいはずだ」と主張すべきだ、というわけです。

これを知らなかった結果、なかには保証人なのに全額を支払ってしまったケースも少なくありません。過払い分は返還には請求裁判が必要で、余計なリスクを背負う恐れがあるので、特に注意すべきです。

給与など資産・財産の差し押さえ

奨学金の滞納を続けると、最終的に最も厳しい対応が行われるようになります。それが、裁判による資産・財産の差し押さえ処分です。
この段階になると滞納しているお金の請求は、日本学生支援機構ではなく一任された債権回収会社によって行われます

債権回収会社に委託された段階で文書による通知が行われるのが通常です。そのため、この通知を受けた段階で非常に厳しい状況にある、と考えてください。

ここに至るまでの期間は、おおよそ滞納開始から6ヶ月程度が目安といわれています。状況によってはこれより早く、もしくは遅くなる可能性もあるので、あくまでも目安と考えてください。

この段階で行われる対応は、特別送達もしくは支払督促の名目で作成された、裁判所からの書面の郵送がまず行われます。
どちらも裁判所によって送付されているため、法的拘束力を持った書面です。そのため、書面を放置したり適切な対応を行わないでいたりすると、相手側の主張が一方的に認められ、より厳しい措置が下されます

適切な対応をすれば、法定での交渉によっては差し押さえとはならず、和解によってリスクを下げることが可能です。ただしどちらの書面が届いても、最終的には裁判を通じた法的手続きが行われます。

いずれにしても、返済義務を負うことに変わりありません。法律に基づき強制的に資産を徴収されると考えれば、滞納による最も大きなリスクといえるでしょう。

奨学金が返済できない時には

返済する意思はあるのに奨学金を返済できない場合、問題を解決する方法は全くないのでしょうか? そんなことはありません。こういった状況だからこそできる手段もあり、それらを実践することで、最悪の結末を避けることも可能です。

ここでは、その手段として3つの選択肢を紹介します。それぞれの状況に合わせてベストと思える方法を、ぜひ検討してください。

親など親族に相談する

奨学金を自分で返済できないことを、まずは親など親族に相談してみるのも1つの手です。特に親は連帯保証人としてすでに連名している可能性が高いので、まず相談すべき相手といえるでしょう

督促が来てから対応するのではなく事前に把握しておけるだけでも、できる手段の数は圧倒的に違ってきます。
例えば、奨学金を返済するために他のローンを使った借り入れ・借り換えを検討したりもできるでしょう。または、有価証券や自動車など生活に今すぐ直結しない資産を売ってお金を用意する方法もあります

どれも、考える時間があればあるほど採用しやすい方法ばかり。恥ずかしがらず勇気を出して相談してみることで、意外な解決法が見つかるかもしれません。親族に保証人になってもらっているのなら、その人を中心に相談しておくべきです。

自分が払えないことで保証人である親族に返済義務が移る可能性があるので、申し訳ない思いがあるなら早めの相談を強くおすすめします。

運営元に返済できない旨を相談する

借りた奨学金を返済できない人が急増するなか、すでに社会問題としてさまざまなメディアで取り上げられるなど、注目されるのが現状です。
そういった影響を受けてか貸し手である日本学生支援機構側も、いくつかの救済制度と電話による相談窓口を設け、滞納者への支援を行っています

こういった制度を活用できれば、払えない問題を解決できる可能性も十分に期待できるでしょう。どういった救済制度が提供されているかは後ほど詳しく解説するので、あわせて確認してください。

ただしこういった救済制度は全て、日本学生支援機構に払えない旨を相談した人のみに適用されます。払えないからといって自ら行動せず放置している人は、悪質な利用者と見なされ、救済制度の対象とはなりません。

最悪の事態を招きたくないのであれば、恥ずかしい思いを我慢してでも勇気を出して相談してみましょう。

弁護士・司法書士に相談する

返済できない奨学金に困っていてどうにも選択肢が見つからない人は、一度弁護士や司法書士など法律のプロに相談してみることをおすすめします。
返済が必要な奨学金も借金の一種であることから、場合によっては法律によるサポートや解決策が見つかるかもしれません

自己破産など債務整理もその方法の一つであり、実践し正式に認められれば、苦しい現状を一気に解決できます。
ですが、目標達成には書類の準備や作成など複雑な手続きをこなさなくてはいけません。そこには法律の知識が必要になるので、素人が実践するにはさまざまなハードルを自力で越える必要があります。

そのため、自己破産など債務整理を使って借入状況の解決を考えている人は、自分で手続きをやろうとはせず、むしろ弁護士などに頼る方が近道です。
正式に依頼すると報酬としてお金が必要ですが、自分で全てを実行する大変さと比べれば、正確性も含めて依頼した方が安上がりともいえるでしょう。

また、相談だけなら無料もしくは割安な費用だけで済むので、法律の知識に基づいたアドバイスを求めて相談するのも一つの手です

自己破産の前に奨学金の救済制度の検討を

払えない奨学金の問題を一気に解決する方法として、自己破産はとても有効な手段です。ですが、本来借りた物を返さなくて済むメリットの大きさに比例して、その後にとても大きなデメリットをも背負わなくてはいけません。

デメリットの中には、今後の日常生活に著しく影響するものもあるので、人によってはむしろ「自己破産をしなかった方がよかった」と感じるケースもあるでしょう。

そこでおすすめしたいのが、奨学金で提供されている各種救済制度の利用です。これらを利用すれば、自己破産で抱えるはずだったデメリットをなくせる上、返済できない苦しい状況をも解決できるでしょう

返還期限猶予

奨学金の返済ができないことに正当な理由があると認められれば、返還期限を先延ばししてもらえます。これを返還期限猶予といいます。正当な理由とは、主に以下のような状況にあることが条件です。

  • 治療が必要な傷病を負っている
  • 災害に遭ったことが原因で返済できない
  • 失業中で無収入状態
  • 海外への居住や派遣、留学など
  • 経済的に困難な状況にある

どれも一時的に収入が減る・なくなることによって返済ができない状況であり、これに類似するものであれば認められる可能性があります。
これ以外にも状況によっては返還期限の猶予が認められるケースもあるので、よく分からない人は一度窓口へ相談してみましょう

この制度は、現在奨学金の返済を滞納している人でも申し込み可能です。認められれば返済期限を先延ばしして毎月の負担を減らせるので、ダメ元でも一度チャレンジを。

ただしこの制度の適用はあくまでも、返済期限を先延ばしする効果しかありません。返済総額が減額されたり免除されたりするわけではないので、注意してください。

減額返還

元々の収入が少なかったり失業して無収入だったりすると、返済期限を先延ばししただけでは問題の解決にはなりません。
そこで利用を検討したいのが、減額償還です。これはその名の通り、毎月返済している金額を減らす制度であり、これによって負担を軽くできます

ただしこの制度は、毎月の返済額を減らして先送りする制度です。減額されたからといって最終的に返済する総額が減額されるわけではなく、その分返済期限も延びる点に注意しましょう。

減額償還は、誰でも申し込めば適用されるわけではありません。以下の条件を全て満たしている人に限って適用されます。

【減額返還制度の適用条件】

  • 災害や傷病など、特定の理由が原因で経済困難に陥っている
  • 申し込みまたは審査の段階で延滞をしていない
  • 奨学金の返済に口座振替(リレー口座)を使っている
  • 奨学金の返済方法に月賦(月払い)を利用している
  • 個人情報の取り扱いに関する同意書を提出している

毎月の返済額が減額されるため、返済方法に厳しい制限が設定されている点に注意してください。また返済期限猶予とは違いこちらは、申し込みから審査を受けるまでの段階で延滞(滞納)をしていないことが絶対条件です。

延滞が発生している間は申し込みができないので、延滞状況を解消してから改めて申し込みましょう。

返還免除

返還免除とは、借りている奨学金と利息の全額の返済が免除される制度です。ここで紹介する3つの救済制度の中で最も利用の恩恵が高い制度といえるでしょう。適用されれば、それまで苦しんでいた奨学金問題を一気に解決できます

ただし適用のハードルはとても高く、通常の経済困難が理由の場合は承認されません。認められるためには、以下の2つのうちどちらかの条件を満たす必要があるからです。

  • 奨学金の契約者本人が死亡したため、奨学金を返済できない
  • 精神または身体に対する障害で労働能力を無くすか高度の制限によって働けず返済できない

このうち注意しておきたいのが、契約者本人が死亡したケースです。この場合、死亡した契約者への返済義務はなくなりますが、奨学金を借りた事実まではなくなりません。
何もせず放置すると、今度は連帯保証人に返済請求が行われるようになります。

連帯保証人は契約者が死亡したからといって放置せず、返還免除の届出を提出し、免除を受けてください。

奨学金の滞納問題の最終手段は「債務整理」

奨学金の救済制度を使っても現状を解決できないほど苦しい場合は、最終手段として債務整理の利用を真剣に検討しましょう。ここでは債務整理のうち、主な4つの制度について詳しく紹介します。

債務整理は法律に基づいた手続きであることから、現状を証明するさまざまな書類の作成と提出が不可欠です。そのため、法律の知識がない人にとっては大変難しい作業であり、1つの作成ミスで手続きが大幅に遅れてしまう可能性も十分に考えられます。

債務整理を利用するのであれば、できるだけ弁護士や司法書士などプロの手を借りることをおすすめします。そうすることで、多少の費用はかかってもほぼ確実に現状の解決を狙えるでしょう。

また、ここで紹介する債務整理は全て、利用によってブラックリストへの登録が避けられないので、その点にもあらかじめ注意してください。

特定調停

さまざまな方法がある債務整理のうち、最も手軽で費用を抑えつつ実践できるのが特定調停です。特定調停とは、弁護士などの代理人を立てず本人が個人で申し立てできる方法で、簡易裁判所を通じてごく短期間で妥結できる点も特長の一つといえます

メリット

特定調停を選ぶメリットは、主に以下のような点が挙げられます。

  • 他の債務整理と比べて費用が格段に安く済む
  • 個人で申し立てOK
  • 申し立て以降は取り立てがストップする
  • 認められれば、将来払うはずだった利息が大幅に減額または免除される

特定調停の最も大きなメリットが、その費用の安さです。交渉する一業者当たり500円程度の費用で済みます。明日の返済さえ苦しい人にとって、この割安さは一番の魅力といっても決して過言ではないでしょう。

これは、代理人を利用せず個人で全ての手続きをする部分にも起因しています。また、特定調停による交渉が無事に妥結できれば、将来払うはずだった利息が免除される可能性が高い点も魅力です。

デメリット

特定調停によるデメリットは以下の通りです。

  • 全ての手続きと交渉を自分で行う必要がある
  • 交渉が不成立になると、他の方法を模索しなくてはいけない
  • 対象は将来の利息分のみで、元本に対する減額はなし
  • 収入が少ないと、交渉が不成立になる確率が高い

最も大きなデメリットは、やはり全ての作業を自ら行う必要があるという点でしょう。これには、書類の準備や作成だけでなく、裁判所への提出やその後の交渉も全て含まれているので、決して簡単な作業ではありません。

裁判所選出の調停委員が間に立ってくれるといっても、あくまでも中立の立場なので、代理人の弁護士のようなサポートは受けられないと判断すべきです。

特定調停を申し立てたからといって、必ず交渉が成立するわけでもありません。条件によっては相手側が拒絶する可能性もあり、こうなると別の方法を模索するしかなくなります。
その分余計な時間がかかるので、借金額や現状によっては別の方法を最初から選んだ方がいい場合さえあるでしょう。

意外と誤解されがちですが、特定調停の対象は将来の利息のみであり、奨学金の元本自体には一切影響しません。元本のみとはいっても返済自体は継続するので、その分の収入を確保する努力が引き続き求められます。

任意整理

債権者との交渉によって、将来発生するはずだった利息を減額し返済しやすくする方法が、任意整理です。利息のみを減額・免除して返済しやすくする点では、上述した特定調停とほぼ同様の制度といってもよいでしょう。

メリット

任意整理を選ぶことによって得られるメリットは、次の通りです。

  • 将来の利息を大幅にカットまたは免除できる
  • 遅延損害金を免除できる
  • 弁護士への依頼時から取り立てをストップできる
  • 全ての作業、交渉を弁護士に一任できる
  • 職業制限を受けない

ここからも分かるように、任意整理は特定調停の上位互換ともいえる制度であり、弁護士への依頼費用が発生する以外は、ほぼメリットばかりです。

申し立て後に認められる特定調停と違い、任意整理だと弁護士への依頼の段階で取り立てをストップできます。頻繁な督促の連絡にストレスを感じている人にとっては、とても大きなメリットといえるでしょう。

また、全ての作業を弁護士に一任できるので、書類の作成や手続きだけでなく、面倒な交渉や妥結後の支払いなども丸投げできます。

デメリット

任意整理を利用した場合の主なデメリットは、以下のものが考えられます。

  • 利息のみが減額対象となるため、低金利の奨学金だと効果が薄い
  • 奨学金の元本自体は減額されない
  • 必ずしも交渉が成立するわけではない
  • 収入が少ないと交渉成立の確率が低い

特定調停と同様に、任意整理によって認められるのは「将来発生する利息分の抑制」のみです。奨学金の元本自体は一切減額されず、その分の返済は引き続き継続されます。

以降も返済が続くことから、交渉成立には債務者(借り手)に返済するに足るだけの十分な収入があることが前提です。
任意整理では現在の収入状況も全て開示しなくてはならず、そこから収入がないと分かると、債権者(貸し手)によって交渉を拒否される恐れもあります。

この場合は、より厳格な対応を改めて行う必要があり、その分の手間や費用がかかることになるでしょう。

個人再生

債務の返済が難しくなった借り手の経済状況を改善するべく、さまざまなルールを定めた民事再生法に基づいて行われるのが、個人再生です。これはその名の通り、債務者本人が自ら裁判所に申し立て、法律に基づいた再生を受け状況の改善を狙います。

裁判所への申し立て後、3年間(特別な事情があると認められれば5年間)で負債の完済を目指すのが通常です。
3年間という目標の下で債務者の収入に合わせて負債の総額が減額されるので、借金自体を大幅に改善できます。つまり、収入が少ない人ほど大幅な借金の減額ができるわけです。

個人再生は、弁護士に全ての手続きを一任できますが、個人でも申請できます。手続きは膨大で専門知識が不可欠ですが、その労力に見合うだけの十分なメリットがあるので、弁護士費用もできれば節約したい人に最適です。

メリット

個人再生によって得られるメリットは、以下のものが考えられます。

  • 自分の資産をキープしたまま、奨学金の借入全体(元本+利息)を大幅に減額できる
  • 自己破産を不受理された人でも利用できる
  • 職業制限を受けない

前述した2つの制度(特定調停・任意整理)と大きく違うのが、個人再生では利息の減額・免除にプラスして元本も大幅に減額できる点です。
奨学金問題だと効果が薄い特定調停や任意整理や、大きなリスクも背負わなくてはいけない自己破産よりも、利用しやすい効果的な選択肢といえます。

後々の返済にも不安を感じるような人ほど、元本もしっかり減額できる個人再生を選ぶべき、といえるでしょう
最も大きく負債を減額できる自己破産には、利用者を制限する厳しい条件が設けられています。そのため申請しても受理されず、借金の免責を受けられない人も少なくありません。

個人再生であれば、よほど問題がない限りはほぼ認められるので、一度自己破産を不受理となった人にも最適です。同じく自己破産に設けられている特定の職業への就職を制限する条件もなく、仕事に影響しない点もメリットといえます。

デメリット

何かと恩恵の多い個人再生ですが、利用によるデメリットもあります。その内容は、以下の通りです。

  • 個人再生を利用したことが官報で公告(掲載)されてしまう
  • 個人で行う場合、複雑な手続きをこなす必要がある
  • 高額な費用が必要
  • 連帯保証人や保証人に請求が行われてしまう

注意しておきたいのが、個人再生には高額な費用がかかることです。これは弁護士を利用せず自分で全ての手続きを行う場合も同様。個人再生で必要な費用は、裁判所に支払う費用と弁護士に支払う費用の2種類に分けられます。

弁護士を利用しない場合は裁判所にかかる費用のみですが、それでも以下のような名目で費用を請求されます。これらの費用を払えないと申し立てはすぐに却下されるので、注意してください。

【個人再生の申立時にかかる費用の概要】
必要な費用 費用の概要 金額の目安
予納金 官報掲載料 1万~1万5,000円
収入印紙 申立手数料 1万円
郵便切手 通知呼出費など 2,000~3,000円
個人再生委員への報酬 選任された場合の報酬(選任されなかった場合は不要) 15~25万円

個人再生委員が選任されるかどうかは、裁判を担当する裁判所に一任されています。ただし選任される可能性は比較的高いので、発生する前提で費用を見込んでおく方がよいでしょう。

具体的な費用は裁判所ごとで異なります。弁護士に依頼した場合はさらに費用(着手金・成功報酬など)が必要で、個人再生での目安は40~50万円程度です。
裁判所の費用と合計すると60万円以上かかるので、あらかじめ資金の調達も考えておく必要があります。

もう1つ注意しておきたいのが、保証人への負担です。奨学金の利用には、契約時に連帯保証人と保証人の計2人を設定しなくてはいけません。
個人再生によって契約者への減額が認められると、減額された分がそのまま連帯保証人や保証人への請求に回されます。その結果、保証人に無断で個人再生を行うと、必ず保証人に迷惑がかかるわけです。

残債500万円のうち400万円の減額が認められ、契約者の負担は100万円のケースで考えてみましょう。
このケースだと、契約者は100万円の返済で済む代わりに、減額された400万円は保証人に一括で請求されます。分割払いではなく一括払いで請求される点に、特に注意してください。

これを払えない場合、今度は保証人も債務整理を行わなくてはならず、大きな迷惑をかけてしまうのが実情です。個人再生を行うのであれば、必ず前もって保証人に相談してください。

自己破産

自己破産なら、奨学金が返済できない問題を一気に解決できます。ある意味、返せない借金の問題から免れる最後の手段といっても、決して過言ではないでしょう。

ただし、世の中にそんなにおいしい話はありません。借金である奨学金の借り入れを一気に解決できることは、その裏にさまざまなリスクがあることも忘れてはいけません。

本来、貸したお金を返してもらえる債権者の権利を、法律によって強制的に無効にしてしまうのが、この自己破産という制度です。そのため、それに見合ったリスクを背負う必要がある点にも、しっかり知識を広げておきましょう。

メリット

まずは自己破産のメリットから確認していきます。

  • 毎月の返済や督促の恐怖から一気に解放される
  • 借金をゼロにして、生活基盤を一からやり直せる

自己破産のメリットの数はこうして並べてみると分かるように、そんなに多くありません。
ですが借金をゼロにできる恩恵はとてつもなく大きく、毎月の返済や督促に悩まされている人にとって、何よりも得がたいメリットといえるのではないでしょうか。

デメリット

自己破産によるデメリットは、メリットの少なさとは反対にとても多く、ここからさまざまなリスクを背負う覚悟が必要であることが分かります。主なデメリットは以下の通りです。

  • 5~10年間、金融サービス(ローン、クレジットカードなど)の契約・利用がほぼ不可能になる
  • 自己破産した旨が官報で公告される
  • 申し立てから一定期間(3~6ヶ月程度)、特定の職業への就業ができない
  • 免責された全ての債務が保証人へ引き継がれてしまう
  • 特定の資産を差し押さえられてしまう

個人再生の時と同じく、自己破産によって借金の免責が認められると、免責された全ての借金は保証人へと引き継がれます。
要するに、契約者の借金を保証人が肩代わりしなくてはならないので、親族との信頼関係を考えるとデメリットと見るべきでしょう。

自己破産した情報は全て、個人信用情報機関に一定期間記載され続けます。
これは自己破産だけでなく、特定調停から個人再生まで全ての債務整理で共通するリスクです。ですが他と比べて自己破産を選んだ場合は、最も厳しい対応を受ける覚悟をしてください。

任意整理などがブラック入りの理由なら、収入などその時の条件によっては金融サービスの利用が認められる可能性があります。これは、任意整理などが比較的軽いペナルティーと見られているためです。

ところが元本が大幅に減額・免責される個人再生や自己破産ではそうはいきません。
信用情報に破産者という記録があると、高額な年収などよほど好条件を提示できない限り、ほぼ確実に金融サービスの利用は拒否されるでしょう。それほどまでに自己破産者は、お金を貸す側にとってリスクの大きい人物と判断されてしまいます。

自己破産特有のデメリットが、特定の職業への就業制限です。破産申し立てから一定期間、一部の公務員や士業(弁護士、司法書士など)、会社役員に就くことができません。
すでに就いている人も一度解任されるため、期間終了後に再任用・再登録が必要になります。

自己破産が認められると債権者(貸し手)への弁済のため、特定の所有資産は全て没収される点にも注意してください。ただし、全ての所有資産を没取されるわけではありません。没収される資産とされない資産が法律によって決められています

自己破産で差し押さえられる財産の基準

差し押さえられる物とされない物を、以下の表にまとめました。

差し押さえられる物 ・20万円を超える預貯金
・100万円以上の現金
・解約時返戻金の見込額が20万円を超える生命保険
・評価額が20万円を超える自動車
・破産者名義の不動産
差し押さえられない物 ・20万円以下の預貯金
・99万円以下の現金
・最低限の生活必需品(家財道具、調理器具など)
・衣類、寝具
・仏壇、仏像、位牌(いはい)など
・仕事に必要な道具、機材
・日記、アルバム

破産後の生活に必要不可欠な最低限の現金や物品は、差し押さえの対象外となり没収されません(差押禁止財産)。ただしマイホームなどの不動産は、たとえそこに住んでいたとしても没収の対象なので、くれぐれも注意してください。

※記載されている内容は2022年6月現在のものです。

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