年金受給者でもローンが組める?年金担保融資でお金を借りる
更新日:
公開日:2017.12.26
急な出費などで、いざというときに使えるカードローンや、使途自由のフリーローン、自動車購入のためのマイカーローンなど、ローンには目的に合わせてさまざまなものがあります。
年金のみで生計を立てている方の中には、お金が必要になった場合に「これらのローンを組むことはできるのか?」という点に不安を持っている方も多いでしょう。
あるいは、そもそもローンを組めるかどうかの前に「どのローンへ申込めばよいのか」「ローンの種類もよくわからない」という方も少なくありません。
今回は、まずローンにはどんな種類があるのか整理したのち、それぞれで年金受給者がローンを組むことができるのかについて、詳しく解説していきます。
【PR】今すぐ10万円を借りたいならココ!
- 20~35歳の方におすすめ
- 36~60代の方におすすめ
ローンの種類(無担保・担保あり)
ローンはまず大きく2つに分類され、無担保ローンと担保ありのローンが存在します。
文字通り担保・保証人なしで原則組むことができる「無担保ローン」
無担保ローンは、財産などを担保にすることなく融資を受けられるものを指しています。
消費者金融系や銀行系のカードローンなどに代表され、多くのフリーローンも無担保ローンに属しています。
貸し倒れによる損害を補うのが目的「有担保ローン」
有担保ローンは「不動産ローン」などが広く知られていますが、担保について事前の融資契約において取り決めをしたうえで貸付を行います。
貸付金の回収が不能となった場合には契約内容に従って、借り手の財産を差し押さえて残債を補填し、貸し手の損害を回避します。
担保は「抵当」と呼ばれることもありますが、これは家屋や土地といった借り手の手元に置かれるものを指します。
事業資金など、融資の総額が大きくなるローンを組むときに適用されるのが一般的です。
また個人が利用するものであれば、「住宅ローン」や「マイカーローン」などの多くは有担保ローンに含まれます。
住宅ローン
住宅ローンを組む場合では、基本的に購入する家屋や土地には金融機関によって抵当権がつけられます。
マイカーローン
マイカーローンで所有権留保のある場合は車体が担保となり、返済ができなくなったときには自動車販売ディーラーや信販会社が車体を差し押さえることができます。
年金受給者でも担保があればローンに申し込める可能性はある!
年金受給者であっても、不動産や株式証券などを担保にすれば多額の有担保ローンを組めることもあります。
ですが、年金のみでの生活を送っていて収入が伴わない場合、結局返済できず担保を差し押さえられるリスクは当然伴います。
ここまで築いてきた大切な財産を手放す結果になりかねませんから、慎重な判断が不可欠です。
無担保ローンの場合、年金で借りる事はできる?
無担保ローンを組むのは年金収入のみである場合は困難
担保や保証人を用意することなく、手軽に利用できるのが無担保ローン最大のメリットです。
しかし残念ながら、年金のみが収入となっている方が無担保ローンを組むことは基本的に難しいでしょう。
なぜなら、各金融機関が利用の条件としている「一定の収入」には年金が含まれていないからです。
また多くの無担保ローンは総量規制の対象となっており、総量規制では年収の3分の1が限度額となっています。
年金は年収として数えられないため、年金以外の収入のないは「年収ゼロ円」ということになります。
各社の設定する条件に関わらず、そもそも借り入れできる金額が無い状態なのです。
一方、現在は年金を受給しつつまだ現役として働き給与収入を得ている方もたくさんおられます。
この場合は「一定の収入」の条件を満たしますが、今度は「年齢制限」によって借入が不可能になるケースも出てきます。
マイカーローンは総量規制の対象外ではあるけど…
マイカーローンは目的別ローンでなので、所有権留保の有無にかかわらず総量規制の対象外です。
そのため年金のみで生計を立てている方であっても原則的に利用可能ではあります。
ただし、マイカーローンも一般的な限度額は収入の50%程度となっており、大抵は現役で働いていた時より小さな金額でしか組めないような場合がほとんどです。
年金を担保に融資、ローンが組める?
年金受給者が無担保のローンを組むことは難しいということをここまでお伝えしてきました。
しかし反対に、年金受給者のみが組むことができる便利で条件の良い有担保ローンが存在します。
メリットが多い「年金担保融資制度」
年金担保融資制度は、その名前の通り年金を担保に融資を受けられる制度です。
生活を支えてくれる年金を担保に取るなんて聞くと、よもや恐ろしい悪徳業者なのでは…と驚く方もいるかもしれませんが、そのようなことは全くありません。
この融資を行っているのは、れっきとした国の独立行政法人である「福祉医療機構」という組織です。
融資を受けられる条件はいたってシンプルで、以下の条件を満たせば申込みができます。
- 現在年金の支給を受けている人
- 生活保護を受けていない人
審査を通過すれば、下記を限度に年利1.8%という超低金利で融資してもらうことができます。
- 10~200万円(生活必需品等の購入は80万円)
- 年金支給総額の8割
また返済についても毎月の年金支給額の3分の1以下と決められており、その返済額の15倍までが上記の条件と併せて借り入れ可能な限度額となります。
例えば月の年金額が12万円である場合、最高返済金額は3万円となり、借入限度額は45万円になります。
返済に際しては、わざわざATMを利用したり口座振込などをする必要はなく、年金支給口座から自動的に差し引かれます。
「うっかり延滞してしまった」とか「返済能力を超えて借り過ぎてしまった」というような事になる心配もなく、年金受給者にとってメリットの多いローンとなっています。
デメリットはないの?
ただし、その使用用途が無担保ローンであるカードローンやフリーローンのように自由ではありません。
- 医療費・介護費
- 住宅改修費
- 冠婚葬祭費
- 債務の返済
- 生活必需品の購入
など、生活のために必要に迫られるものに限られます。
また10万円を超える融資では、その支出を証明する書類を必ず提出しなくてはいけません。
加えて審査には3~4週間もの時間を要するため、急な出費について対応するには不向きです。
さらに、これが最大の難点ですが、この年金担保融資制度を利用するには基本的に法定相続人を連帯保証人に立てる必要があります。
そのため万が一返済途中で当事者が亡くなってしまった場合、連帯保証人である相続人に残債の返済義務が生じます。しかも一括での返済が求められ、これは大きなデメリットといえます。
ただそれも、「年金融資福祉サービス協会」という信用保証機関からの保証を受けることで回避可能です。
この場合は金利に保証料を加えて返済をすることになります。
年金担保融資制度を利用している人の大半は、この信用保証制度を用いて融資を受けています。
年金担保融資を受けることができる金融機関
時に大きな出費ともなる医療費や介護費用をカバーし、年金受給者にとっての助け舟となる年金担保融資制度。
この年金担保融資はどこで受けることができるのか、という話をしていきます。
年金担保融資は、ほぼすべてのメガバンク・地方銀行・信用金庫が、福祉医療機関からその業務を受託しています。
(参照:福祉医療事業「受託金金融機関一覧」)
どの金融機関を利用しても、申込み手順や融資限度額、金利、審査内容などが変わるわけではないので、基本的にはどこを選んでも問題ありません。 年金担保融資制度へ申込みをする際に必要な書類は以下です。 このうち「年金証書」については、申込みをした金融機関を通して福祉医療機関へ担保の証明として預け、返済完了後に返還をしてもらうことになります。 本当に困ったときに頼れる機関や制度を知っていると、いざというときに安心です。 ※記載されている内容は2024年9月現在のものです。
ただ返済が年金支給口座からの天引きになっているため、年金受給先にしている金融機関で相談・申込みをすると
ぜひ参考にしてみてください。