NHK受信料は分割支払いできる!滞納・未払いになったときの解決方法とは?
更新日:
公開日:2019.3.5
放送法64条1項では、以下のように定められています。
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
このように法律的には契約の義務がありますが、支払いの義務と罰則はありません。
しかし、NHKの規則では「契約したら支払いの義務がある」と明記してあります。
この支払いの義務を無視していると裁判を起こされてしまい、最終的には財産の差し押さえもあり得るので、滞納し続けるリスクについて理解を深め、十分に注意したほうが良いでしょう。
「契約しなければ大丈夫でしょ」と思う人もいるかもしれませんが、以下に気をつけてください。
NHKは裁判を通じて契約を締結できる力を持っている
下記引用は民法414条2項からです。
債務の性質が強制履行を許さない場合において、その債務が作為を目的とするときは、債権者は、債務者の費用で第三者にこれをさせることを裁判所に請求することができる。ただし、法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。
上項では「契約の義務はあるけど支払いの義務はない」と伝えましたが、NHKは裁判を通じて契約を締結できるため、裁判を起こされた場合には、結果として同様に財産差し押さえのリスクを拭えません。
滞納すると自宅に裁判所から督促状等が届く
滞納から督促状、裁判、そして差し押さえの流れを分かりやすく図で表してみましたので、どうぞご覧ください。
督促状を無視すると財産を差し押さえされてしまう
差し押さえには2種類のパターンがあります。どちらか片方、あるいは両方が差し押さえられる可能性があるので両方に目を通しましょう。
預金の場合
預金を差し押さえられる場合、銀行に裁判所から通知が届きます。
銀行は通知の内容に従って、利用者の意思を確認せずに口座を止めてしまいます。そのため、支払いが完了するまで口座からお金を引き出すことはできなくなります。
このとき注意しなくてはいけないのが、口座引き落としの支払いです。
口座を差し押さえられたら、口座引き落としの支払いもできなくなってしまいますので、クレジットカードの支払いや公共料金の支払いなどを登録している場合、全て滞納することになってしまうのです。
給与の場合
給与を差し押さえられる場合、勤務先に通知が届きます。
通知が届いてしまうと、勤務先にNHK受信料のことで揉めているのを知られてしまうので、勤務態度などの評価を下げてしまう恐れがあります。
なお、預金の差し押さえと違って給与の差し押さえは全額ではありません。
滞納者が生活できなくなるのを防ぐために税金や社会保険料、通勤費などを差し引いた残高の4分の1までが差し押さえとなります。
ある程度のお金が保証されるとはいえ、会社に余計な手間を取らせてしまい、NHKに訴えられているという事実まで知られてしまうのは大きなデメリットと言えます。
差し押さえを回避する方法
預金も給与も生活を送る上で必要になりますので、差し押さえは何としても回避したいところです。
そこで、差し押さえを回避するには具体的にどうすれば良いのか、下記で説明していきます。
速やかに支払いをする
一番の方法はNHK受信料を全額支払うことです。
しっかり支払いを済ませれば差し押さえ請求も撤回されます。NHKに連絡して、今後の支払い計画についての相談をしましょう。
ただし滞納した期間によって金額が上昇してしまうケースもあり、そうなった場合は高額となりすぐに支払えない場合もでてきます。
そんなとき裁判所から督促状が届いたら、次の対応をしてください。
裁判所に異議申立書を提出する
すぐに支払えない状況で督促状が届いたら、2週間以内に裁判所に「督促異議申立書」を提出してください。
督促状の中にある書類は、郵送での提出も可能です。
期間内に異議申立書を提出すると、普通の裁判へと移行してNHK側と協議しながら支払方法やスケジュールを決めていきます。
裁判の内容次第では折り合いがつかなくて分割支払いができず、一括払いを命じられる場合もあります。
しかし、異議申立書を提出して普通の裁判へと移行すれば、すぐに差し押さえという事態だけは回避できます。
次に裁判が始まると出席を求められるようになります。
欠席するとNHK側の言い分が全面的に通ってしまうので、できる限り出席するか代理人を用意しましょう。
その際に弁護士や司法書士に相談するとお金がかかってしまいますので、各自治体でやっている無料法律相談窓口を利用してみましょう。
支払い義務の無い人もいる
NHKに契約すると支払い義務が発生しますが、実はNHK受信料の支払いを免除される人もいます。
NHK側は支払い義務の無い人に対して通告義務がないため、その事実を知らせていない場合があります。
ですので自分に支払い義務があるのかどうか、下記でチェックしてみましょう。
NHK受信料の滞納・未払い分はなぜ払わないといけないのか
日常的にNHKを見ていなくても、NHK受信料は毎月請求されます。それこそ一回も見ていないのにお金を請求されるのは納得しづらいです。
しかし実は、ある理由からNHK受信料を支払う可能性が発生しているのです。
滞納分を支払わないと裁判にまで発展する
NHK受信料をある程度滞納すると、NHKが支払いを求める裁判を起こします。これまでにも裁判が起きたケースはいくつもあり、ニュースになるほどです。
裁判を起こされると、裁判の対策のために書類を作ったり弁護士に相談したりと、仕事を休んで裁判所に行くことになるので時間と労力を余分に消費してしまいます。
クレジットカード払いを滞納していると信用情報に傷が付く
NHK受信料をクレジットカードで支払っていると、滞納したとき信用情報に傷が付きます。
信用情報とは各金融機関が共有している情報で、一人一人のお金に関する信用の情報が管理されている機関となります。
滞納したことが信用情報に登録されてしまうと、将来ローンを組もうとした際に審査に落ちてしまったり、カードローンの融資額が少なくなってしまうといったデメリットが発生します。
見落としがちな契約義務がある電子機器
上記にも書いてあるようにNHKと契約する法律の条件は「NHKの放送を受信できるテレビなどを持っている人」になります。
つまり、NHKの放送を受信できる電子機器は全て法律の条件に含まれているのです。
下の画像に、見落としがちな電子機器をまとめたのでぜひご参考ください。
NHK受信料を払っている人の割合は?
NHKを見ていないのに受信料を請求されるのは納得がいかない!と思う人も多いでしょう。
そして同じように感じる人は日本全国に居ると思われますが、果たしてどれぐらいの人がNHK受信料をしっかり支払っているのでしょうか。
その疑問を解決すべく、わかりやすく画像にしてみましたのでご覧ください。
2017年は80%の人が支払っている
上の画像は、NHKが発表した2017年度の資料をもとに作成したものになります。
④受信契約対象世帯数…テレビを持っていると推測される世帯の数
⑤世帯契約数(全額免除除く)…契約していて支払い義務がある世帯の数
⑥世帯支払数…実際に支払っている世帯の数
上記項目の数字を使って計算すると、2017年にテレビを持っているのに契約していない人が858万世帯、契約しているのに滞納している世帯が82万世帯いることになります。
一方でテレビなどを持っていて契約している世帯のうち、80%の人がNHK受信料を支払っていることがわかります。
気になるNHK受信料の今後
NHKはインターネットにオンラインニュースサイトを持っています。
「NHK NEWS WEB」では、社会や政治、ビジネス、文化、スポーツなどの多岐に渡ったジャンルのニュースを動画と共に発信しています。
現在は無料で公開していますが、今後契約の内容に「NHK NEWS WEB」に関する支払いが増える可能性は否定できません。NHK受信料にインターネットの項目が増えるかもしれないということです。
スマホやタブレットを持っているだけで支払いの対象になる
いま、大変注目されているのがスマホやタブレットの存在です。
というのも、スマホやタブレットの中にはテレビが見られるワンセグ機能を搭載したモデルがあります。
テレビの電波を受け取れるということは、ワンセグ機能を持ったスマホやタブレットも、放送法に書かれた電子機器ではないかとNHK側が主張しているのです。
2018年に行われた東京高等裁判所の判決では、ワンセグ携帯を所持している場合、NHKと契約する義務があると下されました。
裁判では携帯に対象を絞っていますが、今後ワンセグ機能が付いたタブレットやパソコンも、持っているだけで契約対象に含まれる可能性が高いです。
まとめ|NHK受信料は払うことが最も労力がかからない
以上がNHK受信料を支払う理由になります。
裁判所の判断や世の中の流れは、NHK受信料を支払う方へと傾いています。
NHK受信料を滞納した場合、非常に面倒なことになってしまいます。ですから、支払うのが一番労力のかからない選択肢になります。
しかし、支払うにしてもNHK受信料を安くする方法もあります。この記事を読んで、NHK受信料を安く支払ってしまいましょう。
※記載されている内容は2020年10月現在のものです。