この記事では「切符を購入する前」「乗車後」に電車賃が足りないことに気づいたときの対処法を、それぞれ詳しく解説しています。

「乗り越し精算はクレジットカードが使えるのか」と疑問に思っている人もいるかもしれません。ほとんどの鉄道会社ではできない場合が多いですが、駅の設備によって異なるため、窓口で確認すると安心です。

「現金がないけどどうしても電車に乗って出かけなければならない」という人は、即日融資に対応しているカードローンの利用を検討してみてください。

少額の利用であれば給与で一括返済することも可能なので、無駄に利息を払わなくて済みます。

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乗り越し精算時にクレジットカードは使える？精算方法について

「乗り越し精算でクレジットカードは使えるの？」と疑問を抱く人もいますが、ほとんどの鉄道会社で使用できません。駅の設備によっては利用できる場合があるので窓口で確認しましょう。

一般的な乗り越し精算の方法

不足分の運賃を精算することを「乗り越し精算」といい、降車駅の改札窓口や自動精算機で行なうのが一般的です。

窓口で精算する際には、以下のような流れとなります。

自動精算機で精算する際には、以下のような流れとなります。

乗り越し精算機がない場合はどうすればいい？

駅によっては自動精算機がない場合があります。
この場合は窓口で手続きを済ませましょう。

稀に自動精算機もなく駅員不在のところもありますが、こういった状況下ではどうすれば良いのでしょうか？
この場合、駅員が来るまで待つことが理想です。それが難しいようであれば駅に電話して指示を仰ぎましょう。

「切符を購入する前」に電車賃が足りないときの対処法

切符を購入する前に「電車賃が足りない！」というアクシデントがあった場合、以下の対処法を検討してください。

［1］クレジットカードで支払う

電車賃が足りない場合、クレジットカードを持っていればピンチを乗り越えられることが多いです。
これは、大きな駅の窓口ではクレジットカードを使って切符を購入することができるためです。中規模程度の駅にはクレジットカードに対応した自動券売機が設置されていることも珍しくありません。

鉄道の公式サイトなどで、乗車券や特急券をクレジットカード払いで購入できる会社も増えているので必要に応じて試してみましょう。
切符の受け取りには、「クレジットカード＋予約番号＋電話番号」が必要になるので忘れないように気をつけてください。以下リンクはJRおでかけネットの公式サイトです。

［2］駅周辺のATMを利用する

詳しく説明するほどではありませんが、駅もしくは駅周辺に設置してあるATMを利用してお金を引き出し、切符を購入しましょう。

「口座の中にお金が全然入っていない！」という場合には、クレジットカード・キャッシング枠の利用やカードローンの利用を検討しましょう。

即日融資に対応しているカードローンでは、最短1時間程度で契約から融資を受けることが可能です。

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［3］金券ショップを利用する

大きな駅の近くには金券ショップがあり、通常の運賃よりお得な価格で乗車券や特急券などを販売しています。わずかな運賃不足であれば金券ショップに足を運んでみてください。
下記表は新幹線の乗車券を「定価で買った場合」と「金券ショップで買った場合」の比較です。

【東京－新大阪間の指定席の比較例】

定価で購入した 新幹線の切符	金券ショップで購入した 新幹線の切符	差額
14,400円	1万3,000円	1,400円 (往復2,800円)

上記表は時期によって変動しますが、往復2,800円も差額が生じます。このように金券ショップでは1割近く安く販売されていることも珍しくありません。

［4］家族・友人などにお金を借りる

少額な電車賃の不足程度であれば、家族や友人がお金を貸してくれる可能性が高いです。
長距離の場合、電車賃が高額になってしまいます。そのときは借用書を用意して「いつまでに返済をする」と明記したうえで、相手に信用してもらえるようにしてお願いをしましょう。

借りた際にはお礼を忘れず、必ず返済をするようにしてください。

［5］タクシーを利用する

タクシーは臨機応変に利用することができます。以下はその例です。

• 電車の代わりにクレジットカード払いに対応しているタクシーを利用する
• 駅周辺にATMがない場合は最寄りのコンビニATMまでタクシーを利用して、駅に戻ってタクシー代や電車賃を払う

このように急いでるシーンには最適です。しかし、電車賃よりも高額になりやすいため、その点を加味して検討しましょう。

［6］駅前の交番でお金を借りる

「財布を落としてしまった」「盗難にあった」という場合、駅前の交番で「公衆接遇弁償費（こうしゅうせつぐうべんしょうひ）」という制度を利用してお金を借りられる可能性があります。
都道府県によって制度自体がない場合や対応・名称が異なるので注意してください。

この制度は、ATM代わりに誰でも簡単にお金を借りられるわけではありません。
「財布の紛失・盗難によって交通費がない」というケースや「警察官が対象にすべきと判断した」というやむを得ない状況に限り、公衆接遇弁償費を利用できます。

対象となる人が限られてしまいますが、迷子や行方不明者の保護に必要な経費（交通費・食事代など）として、公衆接遇弁償費を利用した事例もあります。

公衆接遇弁償費についての詳細は、別記事「財布を落としてお金がない！警察署や交番で借りる方法｜公衆接遇弁償費とは」にて解説をしています。

切符を購入する前に駅で電車賃を借りることはできない！

乗車時に切符を買うお金が無い時、家族や友人などにお金を借りられなければ、「駅でお金を借りればいいや」と考える人もいます。

後述する「着駅精算」は、降車駅でお金を借りるようなものですが、あくまでも有効な乗車券や交通系ICカードを降車時に持っている場合の対処法です。

鉄道営業法では、乗車区間に必要な切符を購入して乗車することを定めており、必要な切符を購入できるお金が無いのにもかかわらず駅員が乗車させてくれることはありません。
駅員が個人的にお金を貸してくれることもないので、上記6つの対処法から切符を購入するなどしてください。

「乗車後」に電車賃が足りないと気付いたときの対処法

切符を購入する前に電車賃が足りないことに気づいた場合には対策が取りやすいですが、乗車中・乗車後に気づいた場合には慌ててしまうかもしれません。
そのときは、以下の対処法を試してください。

あまりにも遠方の場合には難しいかもしれませんが、家族や友人にお願いすれば改札越しにお金を貸してもらうことも可能です。

上記リストの赤文字の3点について詳しく解説をしていきましょう。

駅構内のATMを利用する

大きな駅には駅構内（改札内）にATMを設置している場合があります。
そこで「お金を引き出す」「クレジットカードのキャッシング枠を利用する」「カードローンを利用する」などで、乗り越し精算をすれば問題ありません。

場合によっては、家族に連絡して「口座に振り込んでもらう」などの対応を取ってみてもいいでしょう。

交通系ICカードのデポジットを払い戻しする

交通系ICカードで乗車して降車する際、カードにデポジットが設定されている場合は、公的な本人確認書類を提示の上でデポジットを払い戻して不足分を乗り切る方法があります。

デポジットは500円と少額なため、高額な電車賃の場合には適していないので注意してください。

着駅清算する

着駅精算であれば、電車賃が足りていないことに気づいた場合でも対処できます。
電車だけでなく、バスでも利用可能です。

着駅精算とは、乗り越し精算分を後日支払うことで改札を通過できる方法です。やむを得ない状況時にしか使えない緊急処置のようなものなので、多用しないよう気をつけましょう。手続きの仕方や注意点については、後述します。

「切符を紛失した」「安い切符を間違えて買ってしまった」という場合はどうすればいい？

乗車中に切符を紛失した場合、乗車駅を証明できないため着駅精算は利用できません。切符の紛失だけでなく盗難でも同じことがいえます。

電車の切符を紛失した場合の対応については、以下のようにJRでも私鉄でも基本的には同じです。

紛失した場合は「紛失再発行用の切符」を購入する

「紛失再発行用の切符」を新たに購入すれば問題ありません。
紛失した切符と同じ区間・列車・設備などの切符を購入します（割引のある切符については、紛失した切符と同じ区間・列車・設備などで「割引のない切符の金額」を支払う必要がある）。

駅員から「再収受証明」を受けた紛失再発行用の切符は、そのまま持ち帰ってください。

紛失再発行用の切符を発行する際には、駅の係員からいろいろと質問されます。
その際、辻褄（つじつま）が合わなかったり不審な点があったりすると、不正乗車を疑われてしまいます。不正乗車に対しては各鉄道事業者とも厳しい態度をとっているので正直に話しましょう。

詳しくは、別記事「JRの切符を紛失！再購入するお金がない！駅で借りる事はできるのか！？」を参考にしてください。

間違えた切符はどうすればいい？

「買った切符が必要な切符よりも安いものだった」こういった状況の時には、自動精算機や窓口で清算をする必要があります。

逆に過剰なものを購入してしまった場合は窓口で問い合わせるのが確実ですが、使用後の払い戻しはできない場合が多いので注意してください。

着駅精算の手続き方法と注意点｜返済拒否は罪に問われることも

着駅精算を利用して借りた電車賃は、後日返済しなければなりません。

ここから着駅清算の手続きや注意点について見ていきましょう。

着駅精算の手続き方法

着駅精算は「駅からお金を借りる」のと同じ解釈ですが、着駅精算をするには「支払猶予願書」を作成しなければなりません。

着駅精算の流れは、以下の通りです。

1. 降車駅の係員に着駅精算の旨を伝える
2. 係員が出す支払猶予願書に、住所・氏名・勤務先・電話番号・願書作成日・支払金額・支払期日を記入する
3. 本人確認書類を提示の上で拇印する
4. 駅の係員から支払猶予願書の控えを受け取る
5. 改札を通過する

支払期日までに支払金額を着駅清算した駅で返済しなければなりません。バスでの手続き方法もほぼ同じです。

着駅清算の注意点

ここから、着駅清算の注意点を解説していきます。

返済期日までに返済する必要がある

着駅精算を利用する際には支払猶予願書に記入をしますが、これには「住所・氏名・勤務先・電話番号・願書作成日」とともに、「支払金額・支払期日」の記入欄があります。作成後に渡される控えにも、支払金額と支払期日が記載されています。

支払期日までに着駅精算を利用した駅に行き、支払猶予願書に記載された支払金額を支払ってください。返済期日までに支払わないと詐欺罪で訴えられる可能性があるので、きっちり返済しましょう。

交番からお金を借りた場合も返済の必要あり

駅でお金を借りる着駅精算と同様に、交番でお金を借りる公衆接遇弁償費も返済しなければなりません。
着駅精算とは異なり返済期日は記載されていませんが、それでも早めに交番に返済に行きましょう。

公衆接遇弁償費を利用する際に作成する借受願書には、「氏名、住所、職業、電話番号、年齢、生年月日、借受日、借受理由、借受金額」が記載されています。

返済の際には、お金とともに返済書を持参する必要がありますが、万が一を紛失したとしても問題ありません。
交番に行き「氏名、住所、職業、電話番号、年齢、生年月日、返済日、借受金額」を記入して、返済書を新たに作成するためです。

担当者が照会をして該当する事案との照合が完了すれば、お金を渡して返済完了となります。証明書などが欲しい場合には発行も可能です。

お金を借りた交番や警察署に返済に行くのが原則ですが、遠方の場合は警察に電話相談の上で、最寄りの警察署や交番でも対応してくれる場合があります。それすらもできない場合には、警察に電話相談をした上で指定口座に振り込みをして返済しましょう。

返済しないと、逮捕・詐欺罪で訴えられる可能性も

2009年の警視庁データによれば、公衆接遇弁償費の返済率は約64%で、全体の3分の1以上が返済をしていません。
電車の着駅精算に関しては詳細なデータがありませんが、100%の返済率ではありません。

公衆接遇弁償費や着駅精算を返済しないと、逮捕される可能性もあります。これは決して脅しではなく、実際に逮捕されている例もあるほどです。

刑法246条「1項：人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。2項：前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする」に該当する可能性があります。

駅や警察で借りたお金は必ず返済しましょう。

まとめ｜電車賃が足りなくても解決できる！必ず返済しよう！

電車賃が足りない場合、さまざまな対処方法があります。

降車時にお金がない場合には、家族や友人にお金を持ってきてもらうこともできますが、支払猶予願書を作成することで着駅精算もできます。
切符を購入する前にお金がない場合には、ATMやクレジットカードの使える券売機などを使えますし、近くに交番があれば公衆接遇弁償費として借りる事も可能です。

こういった事態を防ぐためにも、ICカードのオートチャージ機能を追加しておくと安心です。残高不足によるアクシデントに備えて検討してください。

※記載されている内容は2024年4月現在のものです。