お金がなくてワーホリに行けない!ワーホリのためのお金を借りる方法
更新日:
公開日:2021.7.21
「留学するお金はないけれど、外国語を学びたい。なんとかしてワーホリに行ける手段がないか教えて!」
日本国内でも外国語は学べます。ですが、ネイティブから生きた外国語を学びたい方にすれば、ワーホリ(ワーキング・ホリデー)を経験してみたいと思う人も多いでしょう。
けれど、お金がないから今すぐにはワーホリに行けない人もいるのでは。
もし、お金がなくてもワーホリに行けるとしたら……そんな方法、知りたくありませんか?
今すぐに留学できるだけのお金がなくても、ちょっとしたコツを実践するだけでワーホリに行けるようになります。ただし、お財布の中身が厳しい状態で海外に滞在するのであれば、いくつか注意しておかなくてはいけない要素もあります。
そこで今回は「お金がないからワーホリに行きたくても行けない!」とお悩みの人へ、憧れだった海外で働きながら滞在できる方法を詳しく解説します。
上述した注意すべきポイントとその対策ももちろん紹介するので、近い将来のワーホリに向けて、ぜひ予備知識として参考にしてください。
ワーホリを検討している大学生も多く、中には「お金がなくて困っている」という人もいることでしょう。下記ページでは、大学生向けの金欠時の対処法の情報をまとめています。ぜひ参考までご覧ください。
>>> お金がない大学生のための金欠解決策・節約術
この記事の目次
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- 20~35歳の方におすすめ
- 36~60代の方におすすめ
ワーホリのためのお金を借りる方法
年齢制限にかかりそうで貯金するだけの準備期間が持てない人や、とにかく今すぐにでもワーホリに旅立ちたいと考えている人には、お金を借りて準備する方法を提案します。
一番手っ取り早いのがローンです。銀行のカードローンや多目的型のフリーローンなどローンの種類もさまざまなで、なかにはワーホリの資金に使えるローンも。
ここでは「金利の安さ」「借りたお金の使い道の広さ」「借りやすさ」の3つの条件を元に3種類のローンをそれぞれご紹介します。自分の用途や目的にあったローンが見つかったら、ぜひ前向きに利用を検討してみてください。
教育ローン
ワーホリの主な目的といえば、現地での語学習得や文化を学ぶなど教育につながる要素を挙げる人がたくさんいます。となると、ワーホリにも教育ローンが使えるのでは?と考えるでしょう。
本来、教育ローンの主な使途は学校への入学金や授業料、教材費など学校に直接支払うお金のみです。留学時の費用に使う場合でも契約自体はできるのですが、現地で生活する寮費など渡航先の学校に支払うお金のみに、同じく限定されています。
したがって、現地に渡航後、自分で借りたアパートなどに住んで生活するワーホリでは、教育ローンをそのまま使うことはできません。
ただし、教育ローンを使うコツが一つだけあります。それが、ワーホリ中に現地の大学や語学学校などに就学することです。
留学費用としての使い道を認めている教育ローンの利用条件には「外国教育施設に留学する場合」などの内容が記載されています。これは、ワーホリで渡航した場合でも、現地の教育施設に就学すれば留学と認められる、と意味する内容です。
全ての参加国が3~12ヶ月間の就学をワーホリ滞在者に認めているので、現地で就学さえすれば教育ローンを利用できる、と判断できます。
ワーホリにも使える教育ローンは、国の教育ローン、銀行の教育ローン、信販会社の教育ローンの3つがあります。それぞれのローンの基本スペックは、以下表の通りです。
ー |
国の教育ローン 「教育一般貸付」 |
三菱UFJ銀行 「ネットDE教育ローン」 |
オリコ 「学費サポートプラン(成功する留学プログラム)」 |
---|---|---|---|
提供元 | 日本政策金融公庫 | 三菱UFJ銀行 |
オリエント コーポレーション |
利用条件 |
1. 安定した収入がある 2. 満20歳以上の人(19歳以下は親権者の代理申し込みが必須) 3. 借入状況が安定している 4. 世帯年収の上限額を超えていない 5. 最低3ヶ月以上就学すること |
1. 満20歳以上で(株)ジャックスから保証が受けられる人 2. 前年度の税込年収が200万円以上 3. 勤続年数1年以上(アルバイトも可) 4. 大学、語学学校などへ就学している |
1. 安定した収入がある 2. (株)オリエントコーポレーションの承認が得られる 3. 満20歳以上の人(未成年は親権者の代理申し込みか連帯保証人の設定が必須) |
お金の 使い道 |
・在学中の住居費用 ・教材費、通学費 ・学校納付金(入学金、授業料など) |
・学校納付金(入学金、授業料など) ・在学中の住居費用、生活費など(※要相談) |
・留学中の滞在費(家賃、生活費など) ・学校納付金(入学金、授業料など) ・航空券代などの留学費用 |
借入限度額 | 450万円まで |
30~500万円 (1万円単位) |
10~500万円 (1万円単位) |
金利 | 年利1.66%(固定金利、保証料別) | 年利3.975%(変動金利) | 年利7.2%(固定金利) |
返済期間 | 15年以内 | 6~120ヶ月 | 完済まで |
返済方法 |
元利均等返済(繰り上げ返済も可) ※就学中は利息のみの返済が可能 |
元利均等返済(繰り上げ返済も可) ※就学中は利息のみの返済が可能 |
・リボルビング払い(繰り上げ返済も可) ・ステップアップ返※留学中のみ |
備考 | (公財)教育資金融資保証基金または連帯保証人の設置が必須 | 入学先が決まっていなくても申込可能 |
・「成功するプログラム」からの申込時のみワーホリに利用可能 ・料金決定後の追加利用も可能 |
「教育一般貸付」と「ネットDE教育ローン」は、ワーホリ中に現地の大学や語学学校などの教育機関に留学した時にだけ利用可能なので、利用条件に違反しないよう注意してください。
ただし、オリコの「学費サポートプラン」だけは、「ワーホリの資金としても利用可能」と正式に公表されているので、就学の有無は問われません。
多目的型ローン
基本的にさまざまな目的にあわせて自由にお金が使える多目的型ローンも、ワーホリの費用に適用できるローンです(事業資金など一部の目的には利用不可)。
「フリーローン」とも呼ばれているローンで、銀行や金融機関、信販会社で取り扱われているので、好みに合わせて選べます。
さまざまな目的に借りたお金を使えますが、申込時に資金の使い道を尋ねられたり、それを証明する書類(明細書、契約書、見積書、支払予定表など)の提出を求められたりすることもあります。
必ず求められるわけではありませんが、念のために持参しておくと安心でしょう。航空券の現物や購入証明書などを持参しておくと、急に提出を求められても滞らずに済みます。
多目的型ローンは、最大1,000万円と高額なお金を低金利で借りられる部分が一番の特長。
多目的型ローンは最初の融資を受けたあとに追加融資が受けられない、原則借り切り型の商品です。
そのため、ワーホリ中に借りたお金がなくなってしまっても、上限額の範囲内で追加借り入れできるカードローンとは違い、契約なしで追加融資は受けられません。
その上、利息(手数料)のみの返済にして留学中の毎月負担を抑えられる教育ローンのような制度は多目的型ローンにはなく、渡航中も毎月「元本+利息分」の返済が必要です。
事前に日本の口座に返済用の資金を入れておくか、海外から送金する手段も考えておかなくてはいけない点にも注意してください。
参考に、全国から契約可能な主な多目的型ローンの基本スペックを表にまとめました。
ローンの名称 | 金利 | 借入限度額 | 借入期間 | 担保 |
---|---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 「ネットDE多目的 ローン」 |
年利2.975%(変動) |
50~300万円以内 (1万円単位) |
6~120ヶ月 (1ヶ月単位) |
不要 |
みずほ銀行 「多目的ローン」 |
年利5.875%(変動) 年利6.665%(固定) |
10~300万円以内 (1万円単位) |
6~84ヶ月 (1ヶ月単位) |
不要 |
三井住友銀行 「フリーローン」 |
年利5.975%(変動) |
10~300万円以内 (1万円単位) |
12~120ヶ月 (1ヶ月単位) |
不要 |
りそな銀行 「プライベートローンJ」 |
年利6.50~14.0%(固定) ※審査結果で4段階から決定 |
10~300万円以内 (1万円単位) |
12~84ヶ月 (1ヶ月単位) |
不要 |
イオン銀行 「イオンアシストプラン」 |
年利3.8~13.5%(固定) ※審査結果により決定 |
10~700万円以内 (10万円単位) |
1~8年 (1年単位) |
不要 |
カードローン
銀行や信用金庫などの金融機関や消費者金融など、さまざまな提供元から出ているカードローンも、ワーホリしたいけどお金がないときの心強い味方です。
大きく分けて銀行系、信販会系、消費者金融系の3種類が一般的で、それぞれの種類ごとで特徴や長所、短所も以下のように異なります。
提供元 | 特徴(メリット・デメリットなど) |
---|---|
銀行系カードローン |
・上限金利は平均14.0%台と最も低い ・メガバンクなど提供元の安心感が高い ・審査は最も厳しく、保証会社からの保証も必須 ・利用限度額が最も高い(最大1,000万円) ・審査時間は数日から1週間程度 ・借入希望額を問わず収入証明の提出を求められる可能性あり(銀行によって異なる) |
信販系カードローン |
・上限金利は15.0~18.0%とやや高い ・審査難易度にやや定評あり ・審査時間は数日程度 ・利用限度額はやや高い(最大500万円) ・申込手続きがWebや郵送で行える ・会社特有のサービス、特典が受けられる |
消費者金融系カードローン |
・上限金利18.0%の会社が多く最も高い ・審査難易度に定評あり ・50万円以下なら収入証明の提出が原則不要 ・審査時間は最短即日 ・利用限度額はやや高い(最大500万円) ・無利息サービスなど独自サービスあり ・無人ATM、スマホアプリなど利便性が高い |
カードローンならではの特長は、一度契約すれば限度額の範囲内なら借り入れ・返済が、面倒な手続きなしで繰り返し行える点です。
これは全てのカードローンに共通した特長で、借り切りが基本の多目的型ローンにはない、使い勝手の良さともいえるでしょう。
その上、カードローンは利便性の高さが最も高い商品で、借り入れや返済方法が充実しています。銀行ATMやコンビニATMなど提携先ATMから24時間365日行えるだけでなく、消費者金融系を中心にスマホアプリを使った手続きも可能です。
ただし、カードローンは他のローンと比べても、金利が最も高く設定されている部分に注意してください。その上「年利〇〇~18.0%」と下限が設定されていても、初回利用者は上限金利18.0%かそれに近い数値になるのがほとんどです。
「18.0%だと、どの程度の利息になるの?」
こんな疑問に対して、消費者金融から元本50万円を1年間、年利18.0%の借入条件で借りた場合の返済シミュレーションを表にまとめたので、参考までにどうぞ。
借り入れた金額 | 50万円 |
---|---|
適用された利率 | 年利18.0%(固定) |
総返済期間 | 12ヶ月 |
毎月の返済額 | 4万5,839円 |
支払い額の累計(うち利息分) | 55万74円(5万74円) |
ワーホリ中に万が一手持ちのお金がなくなってしまった時でも「カードローンのキャッシングカードを持っているから、これを使って借りればOK」と、思うでしょう。
ところが、カードローン用のキャッシングカードは国内のみ利用可能であり、海外の銀行ATMでは挿入しても認識さえしてくれません。この場合は、以下のどちらかの方法を使うしかないので、くれぐれも注意してください。
- カードローンのWebサービスから振込申請し、受取口座から海外に送金する
- クレジットカードを使ったキャッシング機能を利用する
クレジットカードの使い方は詳しく後述しますが、VisaやMastercard、JCB、アメリカン・エキスプレスなど国際ブランドが記載され「キャッシング機能」が付帯されたカードを持っていれば、海外のATMからお金を借りられます。
カードローンのWebサービスからお金を振り込みで借りた後、海外の指定先まで送金する方法でも利用可能です。ただし、お金を受け取るには手続きが必要な上、送金手数料も金額に応じて発生するので、十分な準備をお忘れなく。
海外への送金方法は後ほど詳しく解説するので、そちらもあわせて参考にしてください。
ワーホリって?
まずは「ワーホリ」についての基本的な知識から紹介していきます。もしかしたら、ワーホリのことを知れば知るほど、今まで興味がなかった人も「私も行きたい!」と思うかもしれませんよ。
ワーホリとは
ワーホリとは「ワーキング・ホリデー」を略した呼び方。18~30歳以下の年齢に該当する人だけが取得できるワーキング・ホリデービザ(査証)を受けることで、海外で一定期間滞在できる国際的な二国間制度を指します。
通常のビザと大きく違うのが、滞在や留学だけでなく就労もできる点。観光ビザなどでは認められていない滞在国内での就労も、ワーキング・ホリデー制度なら認められます。
つまり、現地で必要な資金(滞在費・旅費など)を稼ぎながら留学も並行できるのが、この制度の基本的な趣旨といえるでしょう。
年齢以外にもビザ取得にはいくつか条件が設けられていて、その内容は次の通りです。
- 一定期間、相手国・地域内で主として休暇を過ごす意図を有している
- 扶養されている子どもを同伴しない
- 帰国時まで有効なパスポートと、帰国用の渡航費用または渡航券を所持している
- 相手国での一定期間の生計を維持するだけの資金を所持している(期間・金額は国で異なる)
- 健康である
- 過去に相手国発給のワーキング・ホリデーのビザを受けていない
これら全ての条件を満たした人にだけ、ワーキング・ホリデー専用のビザが発給され、受け入れ国で最大1年間の滞在が認められます。
ただし、上記条件は各国の共通部分のみです。国によっては上記以外の条件を課している(オランダの「医療保険付きの健康保険に加入すること」など)ところもあります。詳しくは各国のワーキング・ホリデー専用サイトの情報を確認してください。
渡航可能な国一覧
ワーキング・ホリデー制度は、日本と相手国との間で導入する二国間制度です。つまり、導入を認めていない国の渡航にはワーキング・ホリデービザは発給されず、制度が利用できません。
令和3年4月1日現在、日本は以下表の26カ国・地域との間でワーキング・ホリデー制度を導入しています。
国・地域名 |
滞在できる 期間 |
上段:就学期間 下段:就労期間 |
上段:年間のビザ発給枠 下段:応募可能な時期 |
---|---|---|---|
オーストラリア | 最長1年間 |
4ヶ月 6ヶ月(同じ雇用主の場合) |
制限なし 通年で応募可 |
ニュージーランド | 最長1年間 |
6ヶ月 制限なし |
制限なし 通年で応募可 |
カナダ | 最長1年間 |
6ヶ月 制限無し |
6,500人 通年で応募可 |
韓国 | 最長1年間 |
制限無し 制限無し |
1万人 通年で応募可 |
フランス | 最長1年間 |
制限なし 制限無し |
1,500人 通年で応募可 |
ドイツ | 最長1年間 |
制限無し 6ヶ月(同じ職場内) |
制限なし 通年で応募可 |
イギリス | 最長2年間 |
制限なし 制限なし |
1,000人 1月・7月 |
アイルランド | 最長1年間 |
制限なし 39時間/週 |
800人 通年で応募可 |
デンマーク | 最長1年間 |
制限なし 6ヶ月 |
制限なし 通年で応募可 |
台湾 | 180日※延長後は360日 |
3ヶ月 制限なし |
1万人 通年で応募可 |
香港 | 最長1年間 |
6ヶ月 6ヶ月(同じ雇用主の下) |
1,500人 通年で応募可 |
ノルウェー | 最長1年間 |
3ヶ月 6ヶ月(同じ雇用主の下) |
制限なし 通年で応募可 |
ポルトガル | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
制限なし 通年で応募可 |
ポーランド | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
500人 通年で応募可 |
スロバキア | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
400人 通年で応募可 |
オーストリア | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
200人 通年で応募可 |
ハンガリー | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
200人 通年で応募可 |
スペイン | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
500人 通年で応募可 |
アルゼンチン | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
200人(日本からの人数) 通年で応募可 |
チリ | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
200人 通年で応募可 |
アイスランド | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
30人 通年で応募可 |
チェコ | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
400人 通年で応募可 |
リトアニア | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
100人 通年で応募可 |
スウェーデン | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
制限なし 通年で応募可 |
エストニア | 最長1年間 |
制限なし 制限なし |
制限なし(日本からの人数) 通年で応募可 |
オランダ | 最長1年間 |
制限なし 制限なし※同じ雇用主の下での年間を通じた就労はNG |
200人 通年で応募可 |
参考元:ワーキング・ホリデー制度|外務省
注意すべき点
ワーキング・ホリデーは滞在国で働きながら一定期間生活できる制度です。ただし、滞在する国によってはこの「働きながら」の部分で条件を設定しているところもあります。それが「同じ雇用主(同じ職場内の国もあり)で働ける最大期間は6ヶ月まで」の条件です。
上記表のオーストラリアやノルウェー、香港などは「同じ雇用主の下では最大6ヶ月まで」となっていて、これは同じ雇用主の下で働き続けるのであれば最大6ヶ月までしか働いてはいけない、という意味です。
ドイツは少し違っていて「同じ職場内での就労は最大6ヶ月まで」となっているので、間違えないよう注意してください。どちらも、同じ雇用主の下(同じ職場内)での仕事でなければ、6ヶ月を超えて働いてもよい、となります。
したがって、1年間の滞在期間で最大6ヶ月しか働けないのではなく、別の雇用主(別の職場)での仕事を新しく始めるのであれば、引き続き就労が可能です。
ただし、オーストラリアはワーキング・ホリデーの利用規定を改定し、現在は「働く場所を変更すれば、同一雇用主の下でも最大1年間働いてもよい」ことになりました。
このように、ワーキング・ホリデーの利用条件は、各国で逐次変更されています。
より正確な情報は各国のワーキング・ホリデー公式サイトや大使館(もしくは領事館)公式サイト内の案内ページで掲載されています。変更された情報が元でミスを犯さないためにも、事前に確認しておきましょう。
ワーホリビザの支給は30歳まで
ワーホリ制度は、次のような趣旨のもとで1980年からスタートした制度です。
「各々の国・地域が,その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し,二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします」
引用元:ワーキング・ホリデー制度|外務省
このなかにもあるように、ワーホリは青少年に対して各国が提供する制度です。したがって、青少年に当たる年齢の若者にしか利用は認められていません。
原則として満18~30歳以下の若者がその対象で、17歳以下と31歳以上の人は基本的にビザの発給対象外になっている点に注意してください。
例外として、オーストラリア・カナダ・韓国の3カ国は満18~25歳以下、アイスランドは満18~26歳以下の人が対象です(※ただし、各国の政府当局が認めた場合に限り、30歳以下まで申請可能)。
このように、年齢条件は各国で異なる上、頻繁に実施される制度改定で変更される恐れもあるので、申し込む前に必ず確認を。
お金を借りる以外にとるべき対処法
「流ちょうな英語を使って外国人と交流したい」「将来は外国語を使って仕事で活躍したい」など、それぞれの思いから「外国語を学びたい」と思っている人はたくさんいます。
今でこそ日本国内でもさまざまな外国語を学べるようになりましたが、それでも現地のネイティブな環境のなかでの学習こそが一番!と考える人は多いはず。
そこで便利なのがワーホリ制度ですが、日本を離れて一時的にせよ外国に渡航し身を置くため、無一文のお金がない状態でいきなり実行するのは、おすすめできません。
各国のワーホリ利用条件には「現地での初期生活に必要な生活資金を所持していること」と記載されているので、無一文での生活はこの条件に違反していることになるのです。
まずは日本にいる間にできる対処法から紹介していきましょう。ワーホリに出かけてから慣れない土地で四苦八苦するよりも、まずは慣れ親しんだ日本で対策を行ってから旅立つ方が、効率も良いはずです。
必要最低限の費用分を貯金しておく
ワーホリに出かける目的が就学や語学の勉強のためなら、あらかじめ日本である程度貯金しておくことを強くおすすめします。なぜなら、手持ちのお金が少ないままワーホリに旅立ってしまうと、現地でお金を稼ぐことだけ時間をとられてしまうからです。
仕事ばかりの生活になってしまうので、現地の人との交流やイベントにも参加できず、なかなか思うように生活できない状態になってしまうのが実情です。
もちろん、現地での仕事=ワーホリの目的と考えられる人なら、問題ありません。
そうではなく、ワーホリを留学の延長と捉えているのであれば、1年間の滞在期間はあまりにも短過ぎます。だからこそ、最低限の時間は確保できるよう、前もってお金はためておくべきでしょう。
渡航先によって現地での生活費の相場や平均賃金が異なるので、必ずしも一概にはいえません。それでも、出発の段階で最低でも50万円程度、できれば100万円以上準備しておけば、現地でも時間に追われることなく余裕を持った生活ができます。
とはいえ、すでにワーホリ制度の年齢制限に該当する31歳が身近に迫った人のように、日本で貯金するだけの時間の余裕がもうない人もいるはずです。
そんな場合には、後述する貯金の代わりにすぐに準備できる方法をぜひ検討してください。
留学にかかる費用を節約する
ワーホリビザを取得するためには、帰国時の渡航や現地での初期生活にかかる分のお金を、事前に用意しておくのが必須条件です。
この条件さえクリアできるだけの資金があれば、ワーホリ中にかかる現地での費用を節約すれば、最低限の仕事だけでも十分補えるでしょう。
留学にかかる費用を節約する手段は、いくつか考えられます。以下の挙げる費用を節約できれば、今は十分なお金がない状態でも、比較的早いペースでワーホリを実行できるでしょう。
- 現地で住む住宅にかかる費用(家賃、光熱費など)
- 食費
- 交通費
移動を極力減らしたり、徒歩や自転車などお金がかからない方法にしたりすれば、交通費は節約できます。食費も、食べる量を調整するか外食はせず自炊すれば、その分余分な出費も減らせます。
とはいえ、これらの費用を節約しても、お金がない状態ですぐワーホリに旅立てるほどの金額には満たないのが実情です。最後の手段として、現地の住宅にかかる費用の節約に取りかかりましょう。
ワーホリで滞在する国によっても、家を借りる家賃額はさまざまです。その上、同じ国でも滞在する地域によって家賃は違うので、ワーホリに行く前の最初の選び方がより肝心になってきます。
ここで、人気のワーホリ先の一つ、オーストラリアを例に見てみましょう。
オーストラリア国内には多くの主要都市があり、その都市ごとでも家賃は大きく異なります。以下は、その年ごとの平均的な家賃の相場をまとめたものです。
- キャンベラ(首都):約170~200ドル(月額6万5,000円程度)
- シドニー:約230~300ドル(月額10万円程度)
- パース:約160~250ドル(月額8万5,000円程度)
- ブリスベーン:約160~250ドル(月額8万5,000円)
- ゴールドコースト:約130~180ドル(月額6万円程度)
- ケアンズ:約120~150ドル(月額5万円程度) ※ドル部分は全てシェアハウス(1人利用時)の1週間当たりの家賃
※ドル表記はオーストラリアドル
シェアハウスは複数人で使うほど家賃も人数割りで減らせるので、あくまでもこれらの金額は目安と考えてください。
日本の賃貸物件とそれほど変わらない金額が、毎月必要なのが分かります。
ワーホリ中は今より収入が減る可能性が高いので、日本での生活と同じ感覚で見るのは危険です。それでも、家賃や住宅にかかる費用を節約できれば、その分現地での生活も楽になることが分かるでしょう。
これを見た上で、家賃を節約してでもワーホリに今すぐ行きたい人は、後述する「オペア」を活用しましょう。
今大注目の滞在方法「オペア」を活用
アメリカでスタートしたこのプログラムは、お金がない人でも留学できる可能性を与えてくれる注目の制度です。お金がないけれどワーホリや留学に行きたい人は、チェックしておいて損はないでしょう。
オペア(オーペア)とは、海外に住む現地の一般家庭がホストファミリーとなり、そこに住み込みながらベビーシッターや家事代行などの仕事で働くプログラムです。アメリカを皮切りに世界各国ですでに広まっていて、日本からも参加できます。
ただし、希望したからといって全ての人がオペアに参加できるわけではありません。制度を実施している国ごとで条件は異なりますが、参加するためには以下の条件を全て満たす必要があります。
- 高校卒業以上の学歴がある
- 参加時点で満18~26歳までの年齢の人
- 累計200時間以上の保育経験がある(アメリカは300時間以上)
- 日常会話程度の英語力がある
- 過去に犯罪歴がない
これら以外にも、運転免許を所有していたり、仕事に積極的に望む姿勢があったりする人材を優先的に受け入れている国もあり、満たせれば採用される確率を上げられます。
オペアで求められる主な仕事は、ホームステイ先となる家庭にいる子どもたちの世話(保育)です。
そのため、安全に子どもたちを見守る必要があることから、一定時間以上の保育経験が課されているのが基本(国によっては保育経験が不要なボランティア制度を導入しています)。
オペアをおすすめできるのが「滞在中は原則としてホームステイ先で泊まり込んで生活する」という部分です。つまり、オペアとして働いている間は、滞在費や家賃を負担する必要がありません。
その上、オペアは最大1年間(アメリカは最大2年間)にわたる就労プログラムなので、年間でおよそ100万円程度の給与も支給されます。
オペアによる渡航に限って往復分の航空券運賃が不要なのも、うれしいポイントです(ただし、途中帰国した場合は帰国分のみ自費負担)。
オペア制度の利用には、ワーホリとは異なる以下の手続きが別途必要です。
- ワーキング・ホリデービザを取得後、日本国内のオペア支援団体に登録
- オペア支援団体による審査を実施
- 審査通過後、規定の申込費用の支払い
- ホストファミリーとのマッチング手続きの開始
- マッチング後、正式契約
- オペアビザ(J-1ビザ)取得手続きの開始
- ビザ取得後、オペア先へ渡航
- 現地でのオペア生活がスタート
注意点は二つ。まず、オペア制度に登録するためには、所定の費用を事前に支払います。あっせんするオペア支援団体によっても費用は異なり、3~5万円程度が相場です。
次に、オペアに参加するためには、ワーホリビザや留学ビザとは別に専用ビザ「J-1ビザ」の取得が条件で、この費用として約25万円を支払う必要があります。
したがって、オペアに参加するためには初期費用30万円程度を用意しなくてはなりません。ただし、この費用はビザの取得費用だけでなく、往復分のチケット代や家賃・食事代など現地滞在費用も全て含まれていて、以降は不要です。
支援団体によっては、審査を通過した希望者に対して無料の英会話レッスンや保育指導を行っているところもあるので、こういった部分で選んでみるのも一つの手です。
お金がないからワーホリに行けないとお悩みの人にとって、このオペア制度はぜひ活用すべき方法です。興味を持った人は、より正確を期すべくご自分でもぜひチェックしてみてください。
ワーホリにはどのくらいの費用がかかる?
お金がない状態でワーホリに旅立つためにしても、渡航費用や現地での滞在費などある程度の初期費用は必要なのが、ここまでの結論でした。
では実際に、ワーホリではどのくらいの費用がかかるのでしょうか。費用を国別などの条件を設けながら詳しく確認していきましょう。
ワーホリにかかる費用
具体的な金額を見る前に、ワーホリにかかる費用はどういった条件によって最終的に決まってくるのか?その内容から確認していきます。
その主な条件とは次の通りです。
- ワーホリの滞在予定国の物価
- 滞在する土地ごとで違う住宅費用などの相場
- 滞在中に生活する住宅の種類
- 滞在中の食生活の違い
ワーホリの費用が違ってくるのは、主に上の4つの条件が大きく関係してきます。
特に注意しておきたいのが、ワーホリ渡航先の国による物価の違いです。ワーホリ参加国は、現在までに26の国と地域に広がっています(令和3年現在)。このうちヨーロッパの参加国は18カ国で、北欧や東欧、西欧など地域もさまざまです。
同じヨーロッパでも国によって物価は大きく違っており、イギリスやフランスといった物価が高い国では、滞在費用も高額になります。チェコやスロバキアなど東欧の国は全体的に物価も安く、滞在費用もそれに比例して安く済むでしょう。
それぞれの国で同じ条件のアパートを借りるとすると、最大で家賃は3倍以上違ってくるケースもあるので、これだけでも最終的な費用が大きく異なるのが分かります。
日本と同様に全てのワーホリ受け入れ国の食費は「外食>>>自炊」の公式通りです。現地の文化や風土に引かれて外食ばかりしていると、いつの間にか食費だけで一気にお金を使い切ってしまう可能性もあるので、十分に注意してください。
1年間ワーホリする場合の主要国の費用一覧
上述した内容を踏まえた上で、人気のワーホリ先上位3つの国「オーストラリア、イギリス、カナダ」を例にして、1年間にかかる費用の内訳を紹介します。具体例を参考に、イメージ通りかどうかぜひ確認してみてください。
費用の名目 | オーストラリア | イギリス | カナダ |
---|---|---|---|
ビザ申請費用 | 3万5,000円 | 2万5,000円 | 1万5,000円 |
航空運賃(往復分) | 7~10万円 | 14~17万円 | 10~15万円 |
海外留学保険(1年分) | 約20万円 | 約20万円 | 約20万円 |
学費(4ヶ月分) | 約50万円 | 約60万円 | 約50万円 |
宿泊滞在費 | 144万円 | 180万円 | 120万円 |
費用の累計(1年間) |
227万5,000円 ※往復航空運賃10万円の場合 |
279万5,000円 ※往復航空運賃17万円の場合 |
206万5,000円 ※往復航空運賃15万円の場合 |
宿泊滞在費は、1人で平均的なアパートを借りた場合の費用です。複数人利用のシェアハウスを借りる、ホームステイ先を自分で見つけて住むなどすれば、その分は費用は節約できます。
ワーホリ中の勤務先をカフェテリアやレストランのような職場にすれば、場合によっては勤務中にまかないを出してもらえ食費を浮かせられるかもしれません。
航空運賃も、通常の直行便にかかる費用を参考に記述しました。これを、通常便ではなくLLC(格安航空便)にするだけでも、時期によっては半額以下に抑えるのも可能です。
もしくは、直行便ではなく乗り継ぎ便に切り替えることでもある程度費用を安くできるので、ぜひ有効活用しましょう。
人気上位4カ国の最低時給まとめ|ワーホリでどれくらい稼げる?
ワーホリにこれから参加する人のほとんどは、現地で何かしらの仕事に就くのを想定しているのではないでしょうか。
そこで、今度は同じくワーホリの渡航先として人気の上位3カ国「オーストラリア、イギリス、カナダ」と、同じく渡航先として人気が高いニュージーランドの計4つの国の最低時給を紹介しておきましょう。
1ヶ月働いた場合の給与の目安もまとめたものが、以下表です。
国名 | 最低時給(平均相場) | 給与の目安(1ヶ月当たり) |
---|---|---|
オーストラリア | 19.84ドル(約1,700円) | 約25万円 |
イギリス |
6.15~8.21ポンド(約1,300円) ※年齢により異なる |
約16万円 ※時給8.21ポンドの場合 |
カナダ |
11.32~15ドル(約1,400円) ※州ごとで異なる |
約18万円 ※時給15ドルの場合 |
ニュージーランド | 17.70ドル(約1,400円) | 約22万円 |
日本国内でも東京と地方の最低時給が違うように、これらの国でも州や都市ごとで時給が変わってきます。
ただし、どの国も時給の原則は「都市部>>>地方部」で、都市部ほど高く、地方部にいくほど安くなる傾向です。また、年齢によっても時給が異なる場合があるので考慮しておきましょう。
したがって、ワーホリ用の初期費用が心許なければ地方部を選ぶなど、事前対策はある程度の範囲内で行えます。
うっかり忘れに要注意!ワーホリ中も発生する日本での費用
いざワーホリに旅立つとしても、いくつか注意しておきたいポイントがあります。そのなかでも、多く人がついうっかり忘れがちなのが日本で発生するさまざまな費用です。
この存在を忘れたまま、ワーホリにかかる費用にだけ気にしていると、渡航後に大変な事態に陥る危険性もあります。一度渡航したらすぐ帰国するわけにもいかないので、問題解決にも時間がかかってしまいかねません。
そうならないよう、旅立つ前にここでしっかり予習しておいてください。
税金・健康保険料
渡航中も継続して発生する費用の代表格なのが税金・健康保険料です。
税金といえば、日本にいる間だけ請求されるのでは?といった誤解を持つ人がとても多いのですが、これは大きな間違い。なかでも、特に注意しておきたいのが「所得税」と「住民税」です。
通常、ワーホリに行く人は1年程度日本を離れることになるので、前もって役所に「海外転出届」を出しておけば、出国中の所得税や住民税は免除されます。
住民税の支払い決定日は毎年の1月1日です。そのため、前年の12月31日までに海外転出届を出せば翌年の支払いがなくなるので、近い将来にワーホリを見当している人は、早めに手続きしておくのがおすすめ。
健康保険料も同様で、ワーホリを理由に「健康保険を一時的に停止したい」と申し込めば、受け付けてもらえます。その間の保険料請求も停止できるので、必ず手続きしておきましょう。
ただし、住民税や所得税は今年度ではなく前年度の所得に対して課せられる税金です。したがって、ワーホリに旅立つタイミングによってはその後に前年度分の払込書が届く可能性もあるので、海外ではこれを使って払い込めなくなってしまいます。
その場合は、次の方法のどれかを事前に設定しておきましょう。
- 口座振替など自動払込に登録しておく
- 海外からも利用できるペイジー(Pay-easy)やインターネットバンキングから払い込む
- 国内にいる親族に代理で支払ってもらう
払い込みを忘れて放置してしまうと、延滞扱いとなり延滞税の課税対象です。余計な費用を重ねないためにも、事前に対策しておきましょう。
特に自営業者は全ての手続きを自ら行う必要があるので、後から失敗しないように早めに対策しておいてください。
国民年金保険料
税金と同様に注意しておきたいのが国民年金保険料です。ワーホリに対して一時的な休職を認めてくれる職場でない限り、ほぼ全ての人がワーホリ中は国民年金加入者になっているはず。
したがって、本来であれば国民年金保険料を支払う義務があるのですが、上述した税金と同様、海外転出届を出せばこの支払い義務が免除されます。
ところが年金は、払い込んだ保険料の総額によって、将来もらえる金額が決定される仕組みです。つまり、ワーホリを理由に一時的に保険料の支払いを停止してしまうと、その分将来もらえる額も減ってしまう可能性もあります。
「渡航中に支払うのは面倒だから、停止できるし止めちゃえ!」などと安易な考えで手続きしてしまうと、後になって思わぬ損失を被る恐れもあるわけです。
将来の受給額を減らしたくないのであれば、停止はせずワーホリ中も引き続き納付してください。
ただし、海外から直接払い込みはできないので、日本にいる親などに代理で払ってもらうか、自動振替に切り替えて口座から引き落としてもらいましょう。
契約したままの家賃・光熱費
ワーホリに行く人のなかで最も多い選択といえば、最大1年間をフル活用した渡航ケースではないでしょうか。
1年間といっても、長いようで意外と短いものです。となると、なかには「わざわざ契約解除するのも面倒だし、1年くらいなら家をそのまま契約しておいてもいいか」と考える人も多いのでは。
これは当たり前ですが、契約したままでいると、たとえ海外転出届を提出していても、引き続き家賃は請求されます。また、電気やガス、水道も契約を休止もしくは解約しない限り、基本料金が毎月発生します。
家賃は1ヶ月数万円程度、光熱費は基本料金のみとはいえ、全部合わせるとそれなりの金額になってしまうので、合計すると意外とバカにできない金額が毎月必要になるわけです。
お金がない状態でワーホリを決意した人だからこそ、この出費も結構大きな負担になってしまいます。
少なくともひと月以上家を留守にするときは、安全面も考えて管理会社や物件オーナーに連絡し、電気やガス、水道も休止手続きを必ず行っておきましょう。
海外滞在中のローンの返済方法
お金がない状態でもローンを使えば、ワーホリに旅立てることをここまで解説してきました。そこで気になるのが「海外滞在中、毎月来るローンの請求にはどう対応すればいいの?」といった素朴な疑問。
日本にいる時ならまだしも、海外にいる間はたとえ自分名義の口座でも海外のATMから直接操作できず、入金するのも一苦労です。
その入金でさえ所定の手続きを踏まなくてはならず、そのやり方を知っておかないと、海外からの入金はほぼ不可能といえるでしょう。
入金できないことで残高が足りなくなり、そこに返済がきてしまうと……最悪、滞納扱いになってしまう危険性さえあります。
ここでは海外に滞在している間の、日本国内で請求されるローンの返済方法を紹介しておきます。これを知っておけば、海外にいても日本での請求にしっかり対応できるようになるはずです。
海外滞在中でも指定口座からの自動引き落としで返済OK
ワーホリを通じて海外に滞在中も、日本国内にある自分名義の金融機関口座は機能しており、引き続き利用可能です。
毎月の家賃や各種支払いを指定口座からの自動引き落としで支払っていたように、ワーホリのために借りたローンの返済も、同じように自動引き落としで対応できます。
ただし自動引き落としには、十分な残高があることが絶対条件。少しでも残高が足りないと引き落とされず滞納扱いになってしまうので、くれぐれも注意してくださいね。
元々から手元資金が十分あるなら、それを口座に入れておくだけでOKです。あとは自動的に毎月引き落とされるのを観察するだけ。
ところが、ワーホリの費用を全てローンで借りるくらいにお金が厳しいのであれば、せめて借りたお金のうち少なくとも帰国するまでの間の支払い分くらいは、口座に残したままにしておきましょう。
そうすれば、最低限の支払いは毎月問題なく行えます。
それさえも厳しいようなら、後述する方法を使ってワーホリ中に稼いだお金で返済してください。
ワーホリで稼いだお金を日本国内の口座に送金する方法
返済用の口座に十分な残高がなく、自動引き落としで対応できないようであれば、海外から日本国内の口座を指定してお金を送金する方法を使いましょう。
海外から日本国内の指定の口座に送金する方法はいくつかありますが、ここでは次の2つの方法をおすすめします。
- 銀行口座間での送金
- 民間の送金サービスを使う
銀行口座間での送金
海外から日本の口座にお金を送金する最もポピュラーな方法が、銀行口座間での送金です。
日本とワーホリ滞在先の両方で自分名義の口座をあらかじめ用意し、海外側の口座に入金後、送金手続きをして日本の口座に送金するのが、主な流れです。
この時「送金手数料」「受取手数料」「中継銀行手数料」「為替手数料」の4つの手数料の全てもしくはいずれかが金融機関から請求され、送金するお金から自動的に差し引かれます。
どの手数料が必要でどの程度かかるかは送金に使う金融機関で違うので、利用予定の海外送金サービスを確認してください。
なかには複数の手数料をひとまとめにして「送金手数料」と表記している金融機関もあり、他行の送金手数料より高めです。
徴収される手数料の概要と、金額の目安を表にまとめました。
手数料の名称 | 費用の概要・金額の目安 |
---|---|
送金手数料 | 送金する銀行から徴収される手数料。オーストラリアでは一送金当たり20~30豪ドル(オンライン送金時)が相場 |
受取手数料 | 受取口座の銀行に徴収される手数料。基本料(1,500円程度)+送金額の0.5%が相場(10万円なら2,000円程度) |
中継銀行手数料 | 銀行により異なる。1,000~3,000円程度(送金者負担の場合) |
為替手数料 | 通貨ごとで異なる。米ドル:1円、ユーロ:1.5円、豪ドル:2.5円など |
民間の送金サービスを使う
銀行を使った送金は、安全性や信頼性の高さが得られる反面、手数料の複雑さや高さがネックの方法です。
ワーホリでせっかく稼いだお金を少しでも減らさず送金したいのであれば、ここでは民間の送金サービスの利用をおすすめします。
「Wise」と「PayPal」は海外送金サービスの二大巨頭ともいえるメジャーなサービスであり、民間のサービスながら安全性や実績面でも信頼性抜群です。
民間サービスの一番の特長は、なんといっても手数料の明朗さと安さに他なりません。
Wiseは送金手数料のみで、PayPalは送金手数料+為替手数料が必要なので注意しましょう。その金額も大抵のケースで銀行間送金よりも安価です。
2つのサービスの概要や特長を比較して表にまとめたので、参考にしてください。
ー | 「Wise」 | 「PayPal」 |
---|---|---|
初期費用 | なし | なし |
送金手数料 (1件当たり) |
固定手数料+変動手数料※通貨で異なる | 499円(100万円まで) |
為替手数料 | なし | 送金額の3~4%※通貨で異なる |
送金完了までの 日数 |
1~2営業日以内 | 即時反映(ただし出金は最短3営業日後) |
必要な口座 | 受取口座のみ | 送金・受取口座 |
送金手続きの流れ |
1. Wiseアカウントを作成 2. 希望する送金額と通貨、個人情報を登録 3. 送金先口座情報を入力 4. 本人確認書類をアップロード 5. 確認終了後に届くWiseが指定する振込先へ入金して送金完了 |
1. 日本国内用(以降Aと表記)、ワーホリ滞在国用(以降Bと表記)のアカウントをそれぞれ作成 2. AとBの各アカウントに送金・受取先の口座情報をそれぞれ登録 3. Bにログイン後「支払い」を選択しAを送金先に指定後、希望額を入力 4. 「今すぐ支払う」を選択して送金完了 5. PayPalからAに登録した口座に手数料が引かれた総額が入金(入金まで最大3営業日後) |
参考元:
・個人間での送金方法|PayPal
・Wiseの使い方|Wise
日本でためておいたお金を海外滞在先で使いたい場合
日本で事前にためておいたお金を海外で使いたい場合の方法も、一緒に確認しておきましょう。
銀行の海外送金サービス
日本から海外への送金も、安全性や使いやすさの面で銀行の海外送金サービスがメジャーでな方法であり、国内からの送金に限ってはこの方法がベストです。
なぜなら、海外の金融機関から日本の口座に送金する場合と比べると、日本の金融機関から海外への送金にかかる手数料は割安で、別の方法を使う理由はあまりないから。
メガバンクを筆頭に都市銀行や地方銀行からも送金できますが、ここでは特にセブン-イレブンの銀行ATMでもおなじみのセブン銀行をおすすめします。
セブン銀行なら、日本全国のセブン-イレブンに設置された銀行ATMから送金できます。
もし渡航中にお金が急に足りなくなっても、自宅から近いコンビニですぐに送ってもらえるので、これなら親や友人にも気軽に頼めます。その上、セブン銀行なら手数料も送金手数料のみなので、明朗な部分も安心感抜群です。
実際にセブン銀行ATMで国内から海外へ送金する際の手続きの流れと、セブン銀行の受取手数料を表にまとめました。
【セブン銀行経由で国内から送金依頼するまで】
-
セブン銀行の口座を開設し、同時に「海外送金サービス」契約を申し込む
↓ -
セブン銀行口座に希望する送金額+送金手数料分の現金を入金する
↓ -
インターネットバンキングもしくはセブン銀行ATMから送金を依頼する
↓ -
受付後、ATMから発行されるMTCN(送金処理番号)を受取者に伝える(MTCNは依頼後に発行される伝票に記載)
【送金されたお金を海外で受け取るまで】
-
送金者からMTCN(送金処理番号)と金額など送金内容を教えてもらう
↓ -
ワーホリ滞在国内の「Western Union」が提携している受取拠点に行く
↓ -
受取申込書にMTCNなどの送金内容を含んだ必要事項を記入後、拠点窓口で提出
↓ -
受付完了後、希望する外貨(滞在国の通貨など)で現金を受け取る
送金金額 | セブン銀行での送金手数料 |
---|---|
1~1万円 | 990円 |
1万1円~5万円 | 1,500円 |
25万1円~50万円 | 5,000円 |
50万1円~100万円 | 6,500円 |
クレジットカードのキャッシングを使う
キャッシング機能が付帯された国際ブランドのクレジットカードを持っていれば、少し変則的ですが日本の口座に入っているお金をワーホリ先で現金として出金できます。
厳密にいえば「キャッシング機能で一時的にお金を借り、後ほど請求された分を日本国内の口座に入っているお金から支払う」といった手順です。
ただしこの方法はあくまでも、日本にある引き落とし用口座に十分なお金が入っているときの方法として使うべきと考えてください。
なぜなら、十分なお金がないのにキャッシングを使ってしまうと、翌月か翌々月に訪れる請求に対応できず、最悪滞納扱いになってしまうため。
クレジットカードのキャッシングにかかる手数料は、入国時に現地通貨に両替するときにかかる手数料と比べてとてもお得です。
海外ATMを使ってクレジットカードのキャッシングを利用した場合、後日請求される利息とは別に1件当たり220円程度の海外ATM手数料が請求されます。
1万円分をキャッシングしたときの手数料合計が月400円程度なので、同じく1万円を豪ドルに両替したときの手数料約900円と比較すると、安いのが分かります。
海外でよく見かける「Cirrus」や「Plus」のロゴが付いた海外ATMなら、VisaやMastercard、JCBなど全ての国際ブランドのクレジットカードが利用できます。
もちろん、日本で発行したカードもキャッシング機能が付帯されていれば使えるので、旅のお守りに1枚持っておくと安心です。
語学習得?それとも観光目当て?ワーホリしたい目的を改めて振り返ろう
明確な目的はなく漠然としたイメージだけで「今ワーホリに行かないと、年齢制限で行けなくなる……」という思いで調べている人もいるかもしれません。
ワーホリ制度はすでに各国で定着しており、現在までに多くの日本人が利用している実績ある制度です。しかし明確な目的もなくただ流されるままに行くのは、時間やお金の無駄以外の何者でもないのが正直なところ。
そこで、改めてワーホリに旅立つ人が抱く主な目的を確認し、本当にワーホリに旅立つべきか再確認してみましょう。
ワーホリの主な目的
ワーホリに行く人たちが抱く目的は本当に人それぞれです。なかでも特に多いものば、以下のような目的ではないでしょうか。
- 海外経験は将来の就職にも有利になるので、ワーホリを通じて経験を積みたい
- 英語や中国語など、世界やビジネスで主流の外国語を学びたい
- 外国の文化や風土、人間性に触れたい
- 海外で心を通わせられる友人や恋人を見つけたい
- 短期間の観光ビザでは味わえない、長期間の観光を楽しみたい
- 海外が本場の仕事や資格について、本格的に学びたい
ワーホリは海外に一定期間滞在しながら生活・働く機会なので、ビジネスや言語、文化に関する目的が最も多いです。
これらの目的のなかに、必ずしもワーホリを使ってわざわざ外国にまで行かなくても、達成できるものが「外国語を学ぶため」の目的です。
外国語を学べる機会は、なにもその言葉の母国や公用語になっている国だけではなく、日本国内でも学べます。
外国語学校は繁華街を中心にたくさんありますし、より本格的に学ぶなら外国語が専攻できる大学や専門学校に進学してもいいでしょう。
ネイティブな外国語を学ぶなら母国が一番であり、それは紛れもない事実です。
それでも、お金がない状態で無理をしてまでワーホリに旅立つよりも、その分の費用を節約しながら日本の学校に通ったりして学んだ方が、近道になる可能性もあります。
実際にどちらが正解かは、結果が出るまで誰にも分からない答えです。だからこそ、安易にワーホリを選ぶのではなく、今のお財布の状況と自分自身の意気込みや目的の強さを比較してから決めても、決して遅くはないはずです。
曖昧な理由が目的なら見送るのも賢い選択
ワーホリの目的が曖昧な理由なら、勇気を出して一度見送るのも賢い選択ではないでしょうか。お金がないのにそれでも行こうとしているのなら、なおさらです。
ワーホリ制度は海外で留学や就労する上でとても便利なプログラムといえます。であるからこそ「30歳まで」の年齢制限に対して、焦ってしまう気持ちも分かります。
31歳を過ぎたからといって、その時点で海外留学や滞在のチャンスが永遠に閉ざされるわけでもありません。
むしろ、ワーホリの期限が近づいてくるのに焦ってしまい、まだ環境が整っていないなかで無理をして旅立っても、やりたいことさえできないまま現地で働くだけの可能性も考えられます。
それよりも、しっかり日本で準備を整えてから留学した方が、より充実した留学体験を味わえるのではないでしょうか。
海外で学ぶ方法は、ワーホリに限らずいくらでもあります。焦る理由が時間なのだとしたら、まずはゆっくり気持ちを整えて、冷静な判断の元で納得できる決定をしてからも遅くないはずです。
まとめ
お金はないけれどワーホリに行ける方法を探している人に向け、今回は少しでも元手が少ない状態で旅立てる方法や現地でのコツを紹介しました。
ワーホリに行くだけなら、最低限の出国費用と現地での初期費用分のお金さえ用意できれば、今すぐにでも実行できます。
ただしお金がないことで余裕がなくなり、いろいろな部分に影響してくるので、それ相応の覚悟もどうか忘れずに。
それでも、旅立ちたい気持ちが抑えられないなら……ここで紹介したオペアをぜひ検討してください。これなら、現地での仕事は制限されますが、少ない費用で海外での生活がスタートできます。
ワーホリ中に就学すれば教育ローンの対象になれます。オペアの利用条件に合わない人や仕事を自由に選びたい人は、教育ローンやカードローンからお金を借りてワーホリの費用に充てるのも一つの手です。
ただし、返済の義務はワーホリ中からすでに迫ってくるでしょう。借り過ぎにはくれぐれも注意し、日本での毎月の返済に対応できるよう、海外からの返済方法もあわせて覚えておくとなお良しです。
場合によっては、日本にいる家族や信頼できる人に協力を仰ぐこともお忘れなく。
いずれにしても、お金と時間を使って行うからこそ、目的を持って、後悔しない滞在にしましょう。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。