無利子!母子家庭でお金を借りるなら「母子寡婦福祉資金」がおすすめ
更新日:
公開日:2019.8.20
「母子寡婦福祉資金ってなに?」
「子どもの就学でお金がかかるのにお金がない!」
母子家庭ならなおさらのこと、働きながら子育てをしなければならず、毎月の資金繰りが大変な家庭も多いことでしょう。
ここでは母子寡婦福祉資金について厚生労働省の資料をもとに徹底的に解説をしています。給付までの流れや種類についても解説していますので、窓口に行った際に話がスムーズにできる助けとなるでしょう。
母子寡婦福祉資金は、連帯保証人を設けることができれば原則無利子でお金を借りることができます。もし、付けられなくても低金利で融資を受けられるのでぜひ活用してください。
この記事の目次
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- 20~35歳の方におすすめ
- 36~60代の方におすすめ
母子家庭がお金を借りるときの強い味方!母子寡婦福祉資金とは
寡婦(かふ)福祉資金とは、配偶者を持たない状態で扶養家族を養っている方を対象に、経済的な支援やサポートを行う生活福祉の一種です。母子家庭、シングルマザー、父子家庭が主な対象ということです。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度の対象者のうち支援を希望する方に対し、貸付金という形で経済的な支援が行われます。
ただし、この制度による貸付金を受けるためには、制度で設けられた支給対象者ならびに所得制限という2つの条件をクリアする必要があります。たとえ寡婦という立場を認められた母子家庭の人であったとしても、所得制限を満たせなければ支給は受けられません。
その具体的な支給対象者の条件と所得制限の詳細については、下記でより詳しく解説していきます。
母子寡婦福祉資金の対象者と所得制限
母子寡婦福祉資金の支給対象者として認められるには、「過去に母子家庭での子育て経験がある女性」でなくてはいけません。
さらに、以下の所得制限も守っている必要があります。
- 前年度(1月1日~5月31日までの申請は一昨年度)の所得額が203万6,000円以下であること
この2つの条件に加えて、以下の6つの条件のうち1つ以上を満たす必要があります。
- 現在も配偶者を持たない独身の女性である
- 配偶者の生死が不明あるいは配偶者から遺棄されていると認められる
- 配偶者が外国にいるため、扶養が受けられない
- 配偶者が法令に基づいた拘禁状態にあり、それが理由となり扶養が受けられない
- 配偶者が精神障害や身体障害によって長期にわたり就労できない状態にある
- 配偶者が死亡または離婚しており、その上で現在も婚姻してない
20歳未満の子どもの場合は?
児童の年齢が20歳未満であった場合に適用される貸付金は寡婦福祉資金ではなく、扶養者が女性の方であれば「母子福祉資金」になります。男性の方であれば「父子福祉資金」という形で支給されます。
また、この事例における福祉資金の対象者となる父あるいは母の現在の年齢については一切問われず、全ての年齢の方が支給対象です。
母子父子寡婦福祉資金制度は、その貸し付けを行う各都道府県によって条件や内容に若干の違いがあります。別の地域ですでに制度を利用したことがある方も、転居後は再度、制度の条件や支給対象について確認することをお勧めします。
お住まいの地域におけるこの制度のより詳細な条件や内容を知りたいという方は、地域ごとの福祉事務所や役所福祉担当課窓口など専門窓口へお問い合わせください。
「母子寡婦福祉資金について知りたい」「母子家庭のお金を借りるための制度を教えてほしい」と伝えれば、説明をしてくれるでしょう。
母子寡婦福祉資金は12種類|申請却下に注意!
母子寡婦福祉資金制度では、支給された貸付金の利用目的別に12種類の福祉資金が設けられています。この12種類の目的に合致した支給申請に対してのみ、所定の審査などを踏まえた上で貸付金として支給が行われます。
そのため、たとえ寡婦と認められた方であったとしても、その支給申請の目的が12種類のいずれにも合致していない場合、申請は却下されますのでご注意ください。
母子寡婦福祉資金制度における全12種類の福祉資金の名称とその詳細については、以下の表をご参照ください。
貸付対象 | 高校、大学、高専または専修学校に就学するための資金 |
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貸付限度額 | 高校、専修学校(高等課程):5万2,500円 高専:[1年~3年]5万2,500円 [4年~5年]9万0,000円 短期大学、専修学校(専門課程):9万0,000円 大学:9万6,000円 大学院(修士課程):13万2,000円 大学院(博士課程):16万8,000円 専修学校(一般課程):4万8,000円 ※全て月額 |
貸付期間 | 就学期間中 |
据置期間 | 当該学校卒業後から6ヶ月 |
償還期限 | 20年以内(専修学校一般課程のみ5年以内) |
利率 | 無利子 ※親もしくは児童がそれぞれ連帯借受人となる |
貸付対象 | 就学、就業のために必要な被服などの購入資金 |
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貸付限度額 |
小学校:4万0,600円 中学校:4万7,400円 国公立高校など:16万0,000円 私立高校など:42万0,000円 就業施設:10万0,000円 国公立大学・短大・大学院など:38万0,000円 私立大学・短大・大学院など:59万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 6ヶ月 |
償還期限 | 5年以内 |
利率 |
無利子(保証人あり) 年利1.0%(保証人なし) |
貸付対象 | 自ら事業を開始または会社などに就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金 (訪問介護員、ワープロ、パソコン、栄養士など) |
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貸付限度額 |
【一般】月額 6万8,000円 【特別】一括 81万6,000円 (12月相当) 運転免許46万0,000円 |
貸付期間 | 知識技能を習得する期間中5年を超えない範囲 |
据置期間 | 知識技能習得後1年 |
償還期限 | 20年以内 |
利率 |
無利子(保証人あり) 年利1.0%(保証人なし) |
貸付対象 | 事業を開始し、または就職するために必要な知識技能を習得するために必要な資金 |
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貸付限度額 |
月額6万8,000円 特別46万0,000円 (※)修業施設で知識技能習得中の児童が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したことにより児童扶養手当などの給付を受けられなくなった場合、上記の額に児童扶養手当の額を加算した額 |
貸付期間 | 知識技能を習得する期間中5年を超えない範囲 |
据置期間 | 知識技能習得後1年 |
償還期限 | 6年以内 |
利率 | ※修学資金と同様 |
貸付対象 | 就職するために直接必要な被服、履物などおよび通勤用自動車などを購入する資金 |
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貸付限度額 |
一般10万0,000円 特別33万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 1年 |
償還期限 | 5年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 医療または介護(当該医療または介護を受ける期間が1年以内の場合に限る)を受けるために必要な資金 |
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貸付限度額 |
【医療】34万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 6ヶ月 |
償還期限 | 5年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 知識技能を習得している間、医療もしくは介護を受けている間の生活を安定・継続するのに必要な生活補給資金 |
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貸付限度額 |
【一般】月額10万3,000円 【技能】月額14万1,000円 (※)生活安定期間の貸付は、配偶者のない女子または男子と なった事由の生じたときから7年を経過するまでの期間中、月額10万3,000円、合計240万0,000円を限度とする また、生活安定期間中の養育費の取得のための裁判費用 については、123万6,000円(一般分の12月相当)を限度として貸付けることができる (注)3月相当額の一括貸付を行うことができる |
貸付期間 | 知識技能を習得する期間5年以内 医療または介護を受けている期間中1年以内 離職した日の翌日から1年以内 |
据置期間 | 知識技能を習得後、医療もしくは介護終了後または生活安定機関の貸付もしくは失業中の貸付期間満了後6ヶ月 |
償還期限 |
(技能習得) 20年以内 (医療または介護) 5年以内 (生活安定貸付) 8年以内 (失業) 5年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 住宅を建設し、購入し、補修し、保全し、改築し、または増築するのに必要な資金 |
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貸付限度額 |
1,500万0,000円 特別200万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 6ヶ月 |
償還期限 | 6年以内 特別 7年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 住宅を移転するため住宅の貸借に際し必要な資金 |
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貸付限度額 | 26万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 6ヶ月 |
償還期限 | 3年以内 特別 7年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 事業(例えば洋裁、軽飲食、文具販売、菓子小売業など)を開始するのに必要な設備、什器、機械などの購入資金 |
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貸付限度額 |
285万0,000円 団体 429万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 1年 |
償還期限 | 7年以内 特別 7年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 現在営んでいる事業を継続するために必要な商品、材料などを購入する運転資金 |
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貸付限度額 |
143万0,000円 団体143万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 6ヶ月 |
償還期限 | 7年以内 特別 7年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
貸付対象 | 寡婦が扶養する20歳以上の子どもの婚姻に際し必要な資金 |
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貸付限度額 | 30万0,000円 |
貸付期間 | – |
据置期間 | 6ヶ月 |
償還期限 | 5年以内 特別 7年以内 |
利率 |
(保証人有) 無利子 (保証人無) 年利1.0% |
母子寡婦福祉資金は、返済不要な給付金ではなく期限までの返済が必要な貸付金として支給されます。そのため、貸し付けられた資金の全額を返済できるかどうかについて、あらかじめ所定の審査などが申請者や保証人に対して行われます。
福祉資金の種類ごとに設定された償還期限(しょうかんきげん:債務が返済される期日)までに返済が完了できなかった場合には違約金が発生するため、注意しましょう。
貸し付けに関する諸条件については、上記表の内容から変更される場合もあります。より正確な情報については、お住まいの最寄りの各福祉事務所や福祉担当窓口までご確認ください。
母子寡婦福祉資金の利用手順|お金を借りるまでに1ヶ月かかる!
母子寡婦福祉資金でお金を借りたい母子家庭の人は、所定の手順を踏まえた申請を行う必要があります。
申請前の相談から貸し付けまでの具体的な手順については次の通りです。
- 福祉事務所窓口あるいは福祉担当窓口への相談(手続きの迅速化を目的とする相談カードへの必要事項への記入と提出)
↓ - 申請書類の準備(保証人の選定 借受人・連帯借受人・連帯保証人との面接が必要となるケースあり)
↓ - 申請
↓ - 審査
↓ - 貸し付け決定の通知 or 非通知
↓ - 借用書・口座振替書の提出
↓ - 貸付金の交付
この一連の手順には、窓口への相談から貸付金の交付まで通常のケースで1ヶ月程度を要します。働きづめの母子家庭の人もいるかもしれませんが、何とか有休などを使って窓口に行かなくてはなりません。
申請後に行われる借受人や連帯借受人、連帯保証人に対する面接審査では、償還意思や保障意思、生活状況の確認が行われます。そのときにあわせて迅速な回答ができるよう事前準備も済ませておきましょう。
「資金繰りが大変で1ヶ月も待ってられない」「急いでお金を借りたい」という人は、別記事「母子家庭でお金がないときはカードローンと公的制度で乗り切る!」を参考にしてください。母子寡婦福祉資金よりも金利は高くなってしまいますが、一時的にカードローンで凌ぐことができるでしょう。
無利子か金利1%か|母子寡婦福祉資金の連帯保証人について
保証人がいないがために申請できなかったという人も中にはいます。
そもそも、母子寡婦福祉資金制度における連帯保証人は、本当に必須なのでしょうか?この保証人や連帯保証人とはどういった役割があるのか詳しく確認していきましょう。
連帯保証人は原則不要
母子寡婦福祉資金制度において申請手順の一つが連帯保証人の選定です。条件や所得制限さえ満たしていれば連帯保証人を設定せずとも利用できます。
これは「母子家庭の周りに頼れる人が少ない」という現実を考慮してのことであり、働くシングルマザーにとっては嬉しい点です。
しかし、「借り入れた資金総額にかかる金利の有無」、「申請者本人に対する返済能力が低いと判断された場合」この2点を踏まえると、連帯保証を設定した方がお得で審査も安心です。
例えば、連帯保証人を設定せずに母子寡婦福祉資金を申請した場合、金利が1.0%/年といった形で借り入れる資金の種類ごとに一定額発生します。しかし連帯保証人を設けることができれば、この金利は発生せず原則無利子で資金が借りられます。
そして、連帯保証人が代わって弁済することができると見なされ、審査に通りやすくなるのです。
ここまで連帯保証人がいることのメリットを説明しましたが、返済能力が十分にあると見なされる母子家庭の人であれば必要ありません。
返済能力がある方は、連帯保証人を設定せずに申請者自身が債務者となって「元本+金利」を支払っていくという方法をとることをおすすめします。
連帯保証人となるには?
母子寡婦福祉資金を借り入れる際の連帯保証人となる方は、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか?
連帯保証人が認められるための条件は、以下の通りです。
- 独立した生計を持ち、なおかつ債務を弁済できるだけの資力を有していること
- 申請者と生計を別にしていること
- 原則として60歳以下の方
これらの条件を全て満たしている方であれば、たとえ母子寡婦福祉資金の申請者との間柄が他人の関係であったとしても、連帯保証人として認められます。
母子寡婦福祉資金の連帯債務とは?
扶養された児童や、扶養している児童がいる親はお互いに連帯保証人が必須です。ここでは、親と扶養された児童がそれぞれ債務者となり、数人の債務者が同じ内容の債務について独立して全責任を負うことを「連帯債務」といいます。
母子寡婦福祉資金制度を通じて貸付金を希望する方は、この連帯債務となることによって生じる責任や義務について知っておかなければいけません。
この連帯債務は、以下の2つの事例のいずれかに該当します。
- 親が貸付金の申請者である場合には「その子どもが連帯債務者」となる
- 子が貸付金の申請者である場合には「その親が連帯債務者」となる
したがって寡婦と認定された方が、修学や修業もしくは就職支援を前提とした母子寡婦福祉資金制度でお金を借りる場合、その扶養対象となった子どもが親の連帯債務を引き受けなくてはいけません。
その逆に子どもがお金を借りる場合は、扶養義務を持つ親が連帯債務を引き受ける義務があります。
そして、これら連帯債務を引き受ける人のことを「連帯債務者」といいます。
連帯責務者には、福祉資金の申請者である債務者と同等の返済に関する責務が課せられています。債務者が返済を放棄した場合には連帯債務者がその弁済を行う責任が発生し、債権者である自治体に対し返済を行わなくてはいけません。
このシステムを採用していることで「貸したお金が返されない」というリスクを分散でき、母子家庭の人でも好条件でお金を借りることができるというわけです。
据置期間と限度額について
母子寡婦福祉資金制度に基づく全12種類の貸付金の中には、返済が遅れた人のために返済期限を先延ばしする「据置期間」を設けているものがあります。
これは資金繰りが難しい母子家庭の人にとっては魅力的な点と言えます。
据置期間があるのは、修学資金、修業資金、就職支度資金、修学支度資金の4つの福祉資金です。
上記4つの福祉資金の据置期間は、それぞれ内容が異なります。
具体的な内容については以下に表の形でまとめましたので、ぜひご参照ください。
母子寡婦福祉資金の種類 | 据置期間(最大) | 貸付の限度額 |
---|---|---|
修学福祉資金 | 当該学校卒業後6ヶ月 |
()内の数字は全て一般分限度額を表す |
修業福祉資金 | 知識技能の習得後1年 | 月額 6万8,000円 特別 46万0,000円 (注)修業施設で知識技能習得中の児童が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したことにより児童扶養手当などの給付を受けられなかった場合、上記の額に児童扶養手当の額を加算した額 |
就職支度福祉資金 | 1年 | 一般 10万0,000円 特別 32万0,000円 |
就学支度福祉資金 | 6ヶ月 | 小学校 4万0,600円 中学校 4万7,400円 国公立高校 16万0,000円 修業施設 10万0,000円 私立学校 42万0,000円 国公立大学・短大 38万0,000円 私立大学・短大 59万0,000円 |
これら4つの福祉資金の利用を検討されている方は、据置期間や限度額とともに、就学先となる学校の種類による金額の差についてもあらかじめご確認ください。
まとめ|母子家庭でお金を借りるならまずは母子寡婦福祉資金を!
最後に、ここまでご紹介した情報について、重要点を簡単にまとめておきましょう。
- 母子寡婦福祉資金制度は貸付金であり、支給には所得制限などの条件が設けられている
- 母子寡婦福祉資金は全12種類が存在し、それぞれの種類に合致した目的にだけ資金が貸し付けられる
- 金利が発生するが、連帯保証人は必ずしも必須ではなく申請者だけでも利用可能
- 親が申請者なら子へ、子が申請者なら親へそれぞれ連帯責務が課せられる
以上4つのポイントを再確認した上で、所定の手順に基づいた適切な申請を行うことができれば、母子寡婦福祉資金でお金を借りることができます。
生活に直結する種類の福祉資金については、返済の猶予となる据置期間など一定の補助制度も設けられています。「就業や就職といった目的を持っている方」や「今の生活をとにかく安定化させたい」という寡婦と認められる母子家庭の人は、ぜひ制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
うまく活用できれば、銀行などのローン商品よりもはるかに好条件かつ軽い負担で必要な資金が手に入れられます。
母子家庭でお金を借りる方法を探している人は、まずは母子寡婦福祉資金に申請をしてみましょう。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。