【最悪裁判】塾やピアノなど習い事の月謝が未納!ベストな解決法は?
更新日:
公開日:2018.8.2
今回は、塾や習い事の月謝を滞納した場合「どんな手順で督促されるのか」、さらには「督促を無視し続けるとどうなるのか」という事について詳しく解説していきたいと思います。
この記事を読まれている方の中には、子供をピアノ教室や塾に通わせたりしている方も多いと思いますが、「つい月謝を払い忘れてしまう」という方や、「月謝の引き落とし日に残高がなかった」という事は誰にでもあるものです。
ただ、一度や二度少しだけ支払いが遅れるならまだしも、ずっと滞納を続けていると最悪のケースとして法的手段がとられる事もあります。
この記事では、そのような事態にならないように月謝滞納の際の法的手段の詳細や、どうしても月謝が払えない時の対処法についても、詳しくお伝えしていきたいと思います。
この記事の目次
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月謝の未納が続くとどうなる?催促や督促状、訴訟までの流れ
まず、塾や習い事の月謝の滞納を続けているとどうなるのか?時系列に沿って解説していきたいと思います。
塾や習い事を主催している側が個人であっても法人であっても、教室に通っている個人に対しては月謝を請求する権利が発生しますので、月謝を支払わないと最悪のケースとして起訴されたり、裁判沙汰になる事もあり得ます。
たしかに、入塾するときにはややこしい契約書などを書かないケースもあるかもしれませんが、「毎月の月謝は〇〇〇千円です」という表記を見て、それに納得したうえで入塾していますので、塾等の主催者側と入塾生との間には「学芸等を教えてもらい、その対価として月謝を支払う」という契約行為が成り立っています。
ただ、いきなり裁判で起訴されるという事はなく、ある程度順序を踏んで督促が行われます。
では、どのような流れで督促されるのか、詳しくご紹介したいと思います。
月謝を滞納すると口頭や電話で催促がくる
まず、月謝の支払日に子供にお金を持たす事ができなかったり、引き落とし日に残高不足で月謝が未払いとなった場合は、最初は口頭や電話で「お忘れではありませんか?」という連絡が入ると思います。
「ついうっかり…」というケースは誰にでもある話なので、単純な払い忘れであればすぐに支払えばいいですし、「次の給料日まで待ってほしい…」という場合などは、その旨を伝えておけば、おおよそ理解は得られます。
また、塾や習い事教室などはご近所さん同士というケースも多い為、あまり失礼な取り立てをすると、近所の評判も悪くなってしまいますので、少しくらいの滞納ぐらいであれば、許してもらえるケースがほとんどです。
逆に習い事に通っている方としても、ご近所付き合いがありますので、今後も習い事を継続したい場合は支払いを放置せずに、連絡が入った時点で滞納している月謝分は速やかに全額支払われる事をおすすめします。
月謝滞納の催促を無視すると内容証明郵便で督促状が届く
以上のように、少しぐらいの滞納であればすぐに支払えば許してもらえる訳ですが、滞納連絡を無視し続けて支払いを放置していると、その次はどうなるのでしょうか?
前段で「習い事や塾を主催している人は、利用者に対して月謝の請求権がある」という事をお伝えしましたが、これにはきちんとした法的根拠がありますので、もし月謝滞納の催促を無視し続けていると次のステップとして、法的手続きを進める為のステップが踏まれる事になります。
まず、滞納を続けていると最初に送られてくるのが「内容証明郵便での督促状」です。
内容証明郵便とは「いつ」「誰が」「誰に」「どのような内容を」送ったのかという事を郵便局が証明する「公的文書」の事を指します。
ちなみに内容証明郵便を受け取った事は、もちろん差出人には必ず通知される仕組みになっていますので、「督促は受けていない」という言い訳も通用しません。
また、この督促状に「法的手段…」という記載がある場合は、期日までに月謝の支払いを行わないと、裁判沙汰になる可能性があります。
したがって、そのような文章が来た場合には、「月謝滞納の最終リミット」と考えるべきでしょう。
いずれにしてもこのような文章を送られてきた時点で、塾や習い事の主催者側からは「口頭や電話で催促しても効果がない」と思われている証拠ですので、危機感を持って対処する必要があります。
月謝の長期滞納で訴訟、もしくは支払督促の請求が届く
ここまでで、月謝を滞納すると、「まずは電話や口頭での催促」、次に「督促状が届く」という流れになる事はよくわかりました。
では、このような督促をさらに無視し続けるとどうなるのでしょうか?
ここまでの督促を無視し続けていると、「個人的に請求しても対応してもらえない」という事になり、塾や習い事の主催者側は、ついに法的手段を講じる事になります。
この場合の法的手段とは、「少額訴訟」や「支払い督促」の事を指しますが、いずれの場合も裁判所に申し立てをして手続きが進められる事になります。
なお、自宅の近所にあるような塾やピアノ教室等の場合は、やはりお互いご近所さんの目もありますので、いきなり裁判で訴えてくるというよりは、支払い督促を送付して書面で通達してくるケースがほとんどです。
下記に参考URLとして、ある裁判所の支払い督促の流れを掲載していますが、裁判所を経由して支払い督促が発送された場合、到着後2週間以内に対応をしないと、”滞納分の月謝を一括払いで返済しなければならない”という事になっています。
この支払い督促さえも無視し続けていると今度は「強制執行」、つまり財産や給与の差し押さえが行われますので、くれぐれも「月謝くらいで…」と簡単に考えないようにする事が重要です。
なお、この“差し押さえ”については、このあと詳しく解説します。
最悪、給与や財産の差し押さえとなる
では、もし財産や給与の差し押さえが行われるとしたら、どのような流れになるのでしょうか?
たしかに、毎月数千円~1万円程度の月謝滞納で、裁判費用をかけて差し押さえを行うケースは稀かもしれません。
しかし、万一差し押さえが行われるとなると、職場等にも連絡が入る事になります。
これは、実際支払われている給与の金額や支給日を確認する為です。
債権者としては、わざわざ自宅に財産を差し押さえに行くよりは、給与の差し押さえをしたほうが手っ取り早い為、差し押さえの順序としてはまずは会社に連絡が入るケースが殆どです。
こうなると「月謝を支払わずに給与が差し押さえられた」と、社内でも噂になってしまいますので、最悪の場合、退職に追い込まれる事もあり得ます。
ピアノ教室や塾の月謝が未納のままだとどうなる?
ここまでで、月謝を滞納した場合の流れと最悪のケースについては、ご理解いただけたかと思います。
では、ここからは具体的な教室を例に、滞納した場合の措置について、いくつかの情報をお届けしたいと思います。
まず、数ある習い事や塾の中で比較的受講者数の多い「ヤマハ」と「公文」についてです。
ヤマハは2ヶ月以上、月謝を滞納すると強制退会
「子供をヤマハ音楽教室に通わせている」という方も多いと思いますが、ヤマハの場合は月謝滞納者については少々厳しめの対応がとられます。
ヤマハで月謝の滞納をしてしまうと、まずは督促電話や書面で督促状が届く事になります。
その時点ですぐに月謝を支払えば何も問題はないのですが、そこからさらに2ヶ月以上支払いを放置していると、「強制退会」という措置がとられ、二度と入会は出来ない仕組みになっています。
未納入
2ヶ月以上レッスン料のお支払いが滞った場合、退会手続きをさせていただき、レッスンの受講をお断りすることがございますのでご留意ください。
※ヤマハHPより抜粋
ただこの強制退会の後も支払わなかった月謝の支払い義務は残りますので、ずっと支払いせずに月謝を放置していると、最終的には先ほどご紹介した「裁判所からの支払い督促」や「訴訟」といった措置がとられる事もあり得ます。
また、このような流れについてはヤマハ音楽教室だけではなく、個人で開いているピアノ教室でも同じです。
何度もお伝えしていますが、教室が法人でも個人でも、「教室側が月謝の請求権を持っている」という意味ではどこも同じですので、月謝の支払いが行われない限り、法的手段をとられる可能性はあります。
公文など塾の月謝を滞納した場合も同様の手続きがとられる
次に多いのが公文式教室です。
公文の教室というと、個人のみで経営しているスタイルにも見えますが、実際には「株式会社 公文教育研究会」という会社のフランチャイズのような方式で、個人が公文教室を経営する流れになっています。
したがって月謝の滞納があった場合も、ある程度公文のルールにのっとり請求が行われますので、先ほどご紹介したヤマハの例と同じく、督促連絡→支払い督促送付(又は訴訟)という流れで請求が行われます。
ちなみに、公文は翌月分の会費を当月末までに支払うスタイルですので、期日までに支払いが行われなかった場合は、学習継続不可(強制退会)等の手続きが行われる可能性があります。
翌月分の会費を当月末までにお支払いいただきます。期日までに会費のお支払いがない場合、学習を継続できないことがあります。
公文HPより抜粋
塾や幼稚園の月謝が未納の場合、時効はあるの?
しかし、個人経営の塾などでは、以上のような法的手段が面倒…という理由で、法的手段などを講じないケースもあり得ます。
ではこのような場合、法的手段がないからと言って甘えて支払いを放置し続けた場合、「月謝滞納の時効」というものは成立するのでしょうか?
習い事などの月謝については、民法173条で短期消滅時効というものが適用される事になっており、学習塾やピアノ教室の月謝滞納は2年で時効が成立するようになっています。
また、この「月謝の時効」については、私立学校の授業料や幼稚園・保育園の授業料にも適用されます。
ただ、これは教室や学校側が「法的請求を行わなかった場合」のみ該当しますので、もし裁判所を経由して支払督促などの対応をしてきた場合は、時効は中断されますので注意したいところです。
月謝の未納…支払えない時の解決法は?
では「どうしても月謝が払えない」という場合は、どんな対処法があるのでしょうか?
まずは教室に相談してみる
子育て途中には家計が苦しくなり、どうしても月謝が払えない…という事はよくあるものです。
また、月謝の支払いが厳しくても、子供の事を思うとなんとか習い事は続けさせてあげたい、というのが親心です。
したがって、そのような支払いが厳しい時には教室側に正直に事情を話し、まずは相談される事をおすすめします。「教室の先生にそんな事は相談しづらい…」という気持ちも理解できますが、支払いを放置していると、どんどん雪だるま式に滞納金額が増えるだけです。
ただ、相談する際には「支払いが厳しい」という事を伝えるだけではいけません。
きちんと支払いの意志がある事、そして次の支払いはいつまでに可能かという事を明確に言う必要があります。
また最も大事なのは「滞納してしまった事の謝罪の気持ち」を伝えるという事です。
以上のように誠意を見せてうえで相談をすると、場合によっては分割払いを認めてくれるケースもあるかもしれません。
所有物を売ってお金にする
また、数千円の滞納金額なら、自宅にある不用品をフリマやオークションで販売し、その利益で支払えるケースもあります。
例えば、メルカリなら身近な不用品をできるだけ低価で、そして数多く出品する事で、1万円程度の利益ならすぐに出す事も可能です。
また、ブランドもののバッグや衣料品、そして使い古したi-phoneなども、不用品買取ショップで意外な高値で買い取ってくれる場合もありますので、まずはお店で査定してもらう事をおすすめします。
お金を借りる
以上のような手段でもお金を用意できない場合は、最終的にはどこからかお金を借りてきて支払うしか方法はありません。
ずっと滞納していても支払い義務を免れる事は出来ませんし、教室に通わせている子供がみじめな思いをする事だけは避けたいところです。
お金を借りるといっても、いくつかの方法がありますが、最もリスクが低いのは、やはり「親に頼む」という方法ではないでしょうか?親も「孫のためなら」と少しは援助してくれるかもしれませんし、ある時期までは月謝を肩代わりしてくれるケースもあり得ます。
また、給与の前借りシステムを導入しているような会社に勤めているなら、少額を給与から前借りするという方法もあります。ただ、この場合でも結局は次月の給与は少なくなりますので、それで安心せずに家計を切り詰めておく事が重要です。
さらに、消費者金融や銀行などのカードローンを利用するという方法もあります。
特にアコムやプロミスなどの大手消費者金融では、カードローンの利用が初めての人に対し、30日間の無利息キャッシングというサービスが提供されています。
先ほどご紹介した給与の前借りなどの場合、手数料が発生する場合もありますので、このような手数料無料・30日間無金利のカードローンを少額で利用するのも一つの手段です。
月謝未納に関するまとめ
いかがでしたか?
「月謝の滞納くらい」と甘く考えて支払いを放置していると、意外に厳しい措置がとられる事がおわかりいただけたかと思います。
子供の教育上、いろんな習い事をさせて知識やスキルを習得させたい、という親の気持ちもわかりますが、支払いが困難になるほどの習い事をさせるのも考えものです。
子供の塾や習い事どうすべきか判断する場合には、再度ご自身の家計を見直し、数年にわたって無理なく支払える月謝なのか、という点をきちんと見極めるのが大切と言えそうです。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。