学生の借金は就活に悪影響を与える?信用情報を見る企業と見ない企業
更新日:
公開日:2019.9.20
「就活を控えているのに借金が残ってる。これって採用に影響するのかな……」
「採用に影響するかもしれないし、今抱えている借金をできるだけ早く返済したい」
学生を取り巻く生活環境が変化するなか、高額な商品を買うため、あるいは卒業旅行に行くために学生時代に借金をした経験があるという方が多く、今や学生の借金は珍しいものではありません。
では、実際に学生が抱える借金は就活に悪影響となるのでしょうか?
ここでは、学生の就活に借金という存在は本当に悪影響を及ぼすのか?その点を中心に詳しく解説するとともに、借金を速やかに解消できる方法や対策についてもあわせて解説していきます。
この記事はこんな人にオススメ!
- 就活を控え自分名義の借金を抱えている人
- 今抱えている借金をできるだけ早く解決したい人
この記事の目次
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学生の借金の情報を就活に利用することはできない
借金と言えば、借入条件に「安定した収入があること」が必須な金融会社が多いため、毎月しっかり収入を得ている社会人が利用するもの、という固定観念があります。
ところが、学生のアルバイトが当たり前になった現在では、学生の方がお金を必要とした上で借金をするケースも珍しくありません。
一方、すでに借金を抱えている学生の中には「借金の存在が将来の就活に影響するのではないか?」という心配を抱えている人もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際のところ、学生生活の間に抱えた借金については、直接就活や採用に影響を与えるということはありません。
その理由として、借金の有無に関する情報は「信用情報」として扱われ、信用情報機関が管理している情報となります。これは法律(貸金業規制法など)によってその利用が制限されています。
採用する会社側は、就活を目的に信用情報は参照できません。したがって就活は、あくまでも応募者の適正と能力のみで判断されることが求められているのです。
つまり、就活を控えた学生であっても借り入れに関する情報が採用を希望する会社側に勝手に見られることはないので、どうか安心してください。
そもそも信用情報とは
そもそも、この「信用情報」とはどういったものなのでしょうか?
信用情報とは、ローンやキャッシングといった借金に関するすべての情報のことです。借金の額や利用日、返済状況やクレジットカードの利用履歴といった情報がすべてここに記載されています。
この信用情報は、主に新規の借り入れやクレジットカードの契約を行う際、個人の与信(信用)を判断する情報として活用すべく収集されています。また、このように非常にプライバシー性の高い情報であることからも、慎重な扱いが法律によって厳しく定められています。
信用情報機関の種類と役割
信用情報はその秘匿性(ひとくせい)の高さから、特定の機関にのみその管理が委ねられています。
現在、日本国内で信用情報を管理している機関は3つあり、以下の通りです。
参考元:
・JICC|日本信用情報機構
・CIC|指定信用情報機関
・KSC|全国銀行協会
そして、この3つの機関によって管理されている個人の信用情報は、必要に応じて銀行や金融会社、携帯電話会社やローン会社、リース会社といった、主にローンや借り入れを商品として扱う会社によって利用されています。
ちなみに、この3つの信用情報機関のことを総称して「CRIN(Credit Information Network)」と呼びます。
信用情報を利用して良い場合
信用情報は、あくまでもローンやキャッシングの利用時、またはクレジットカード契約時の審査など、特別な目的にのみ利用が認められています。当然ながら就活や採用は認められる特別な目的には当たらないので、就活を理由に会社が勝手に借金に関する情報を見ることはできません。
企業が学生の借金の情報を入手することはできるのか
信用情報の取り扱いの厳しさから、たとえ採用する会社であったとしても応募者に関する借金の有無について情報を利用することはできません。
ただし、何らかの手段を使って信用情報を得ることができるのならば、表向きでは「利用していない」と述べていても、裏で参照し採用に影響を及ぼしている可能性も考えられます。
では、面接や採用を行う会社は、どうやって応募者である学生の信用情報を入手しているのでしょうか?会社が信用情報を入手できる可能性について確認していきましょう。
信用情報機関に所属していない企業の場合
信用情報は、各信用情報機関に所属する会員会社にのみ、原則として情報が公開されています。
ですから、いずれの信用情報機関にも会員として所属していない会社は、情報を参照する権利自体がそもそもありません。
ただし、会員として所属していない会社が、唯一信用情報を獲得できる手段があります。それが、信用情報の対象者本人が信用情報機関に直接情報の開示を依頼した場合です。
信用情報は、本人からの要望であれば所定の手続を行うことで原則情報を取得できます。
そして、個人の情報を活用したい会社の中には、あの手この手で本人に信用情報を取得させそれを活用しようと試みるところもありますから、こういった可能性に注意が必要です。
信用情報機関に所属している企業の場合
信用情報機関の会員として所属している会社は、主に銀行や消費者金融といったお金や金融商品を取り扱うところが中心になっています。
そして、もしも信用情報機関に所属している会員会社が学生の方の就活先であった場合、以下のようなケースが考えられます。
本人に同意を得て見る
原則として、信用情報機関の会員に所属している会社であったとしても、本人の同意なく情報を見ることはできません。
ローンやキャッシングの利用時またはクレジットカードの契約時にも、必ず本人に対して信用情報の参照に対する同意を求めるよう決められています。
ですので、会社側は採用希望者に同意を求め了承を得た上で信用情報を利用するケースが考えられます。この場合、信用情報機関は本人が了承したと見なし、情報を会社側に開示します。
本人の同意なしに勝手に見る
信用情報を利用するためには、本人の同意が必要です。
ところが実際のところ、本人の同意を得ているかどうかについてのチェック自体、あまり厳しく行われていないというのが実状です。
ですから、所属している会社なら利用申請自体は簡単に行えるので、たとえ本人の同意を得ていなくとも信用情報を利用される可能性は十分に考えられます。
信用情報は参照された段階でそれ自体が履歴として残るようになっています。
どの会社が自分の情報を参照したかどうかがこの履歴で確認できるので、どうしても気になるという方は、本人申請を通じて確認してみるのも1つの手です。
クレジットカードなどの自社サービスに契約させて参照する
採用を希望する会社の中には、自社ブランドのクレジットカードを発行しているところも少なくありません。特にサービス業や販売業、金融業に属する会社ほど自社ブランドのクレジットカードを扱っていることが多く、就活の際に自社ブランドのクレジットカードに契約させて信用情報を参照しようとするケースが考えられます。
このとき、会社側は学生に対して「採用の審査のため」など、表向きは違う理由で提案してくることが多いのです。
一方、採用を希望する学生としては「断ったら採用されなくなってしまう」という不安から、しぶしぶ契約してしまいがちです。
ただし、会社が自社の従業員や採用希望の学生に対して自社サービスの申し込みを強要することは違法です。このような提案をされても拒否しましょう。
就活で信用情報を見る企業もある?
一般的な企業への就職を希望する場合、就活中の学生に関する信用情報が利用されることはまずありません。
ところが、就職を希望する会社が銀行などの金融機関だった場合には、状況はガラッと変わります。
金融機関は各信用情報機関に会員として所属しているところが多く、一般的な企業と比べると信用情報の参照が簡単に行えます。
実際に信用情報機関に会員として所属している会社の種類は以下の通りです。
- 銀行(信用金庫も含む)
- 証券会社
- 消費者金融
もしも、これからあなたが面接を受ける会社が以上の種類に該当する会社なら、同意なく信用情報を勝手に見られているかもしれません。
親やバイト先には借金がバレる可能性も
個人の金融取引に関する詳しい内容が記載された信用情報は、貸金業規制法など関連する法律によって厳しく守られています。
それでも、借金をしたという事実が親族にバレる可能性が考えられます。中でも、中小の消費者金融を通じて作った借金は特に親バレの危険性が高く、こういったリスクを心配するのであれば、できるだけ利用は控えた方が良いでしょう。
消費者金融とは、お金を貸すことを商品として取り扱う金融業者です。
大手の消費者金融ではなく、地元密着型のいわゆる「街金」と呼ばれる会社が親バレの可能性が考えられる中小消費者金融に当たります。
ではなぜ、中小の消費者金融ほど親バレの可能性が高いのか?その理由は以下にあります。
返済能力の有無を確認する上で行われる「審査時の電話を使った居住確認」
独立した生計を持たない学生の場合は、その保護者に当たる親族に対して電話による居住確認が行われることから、この電話によって借金がバレてしまうわけです。また、在籍確認として所属するアルバイト勤務先に確認が行われることもあり、こちらも注意が必要です。
消費者金融側もできるだけ顧客を獲得する目的から、細心の注意を払って審査を行いますが、それでも居住確認で親が対応した場合に借金をしていることがバレてしまう可能性が考えられます。
消費者金融が契約者に対して提供する専用のキャッシュカード
このキャッシュカードは、契約書に記された居住先に郵送されます。このとき、通常の郵便ではなく本人確認を伴った郵便物として送付され、送付元や封筒には金融機関の名前が入っているのが通常です。
これを本人ではなく親族が受け取った場合、借金していることを勘ぐられバレてしまう可能性が考えられます。うまく居住確認を含めた審査に通過したとしても、その後のキャッシュカードの送付で親バレしてしまうケースが後を絶たないので、必ず自分で受け取るようにするなど、利用時はくれぐれも注意しましょう。
大手消費者金融ではバレない?
大手消費者金融ではこういった理由による親バレの心配はほとんどありません。大手の会社ほど個人情報の管理を徹底しており、利用の経緯が他人にバレないよう細心の注意と対策が施されているからです。
そのため、親バレがどうしても心配なのであれば、大手消費者金融を活用するのが賢い手段といえます。
余談ですが、借金することをご両親も了承しているのであれば、こちらはなにも隠す工夫を凝らす必要はありません。堂々と利用してください。
学生の借金の情報はどんなことが載っていると就活にマイナスか
就活に信用情報が利用されることはほとんどありません。それでも、万が一黙って会社が信用情報を悪用していたとしたら、どんな情報が記載されていると就活や採用に悪影響を及ぼす可能性があるのでしょうか?
信用情報に記載されているさまざまな情報の中から、就活にマイナスとなる情報について見ていきましょう。
多重債務をしている
一社から少ない金額を借りているようであれば特に問題はありません。ところが、一社ではなく同時に複数の会社から借金をしているようであれば、これは就活に著しくマイナス要素となる可能性があります。
複数の会社から借金している状態のことを「多重債務(たじゅうさいむ)」といいます。この状態にあるということは、まとめて返済するだけの能力がないことを表していたり、もしくは金銭の管理能力を疑われたりする可能性があります。ひいては、返済不能による自己破産の可能性も考えられます。
会社は従業員に対し特にお金の管理に関する能力を重視しますから、このような多重債務の事実は決して採用に良い印象を与えません。
滞納・延滞をしている
信用情報には、借り入れに関するさまざまな情報が記載されています。中でも、情報を利用する会社が最も注視しているのが返済状況についてです。
借金を適切に返済できているかの返済状況が詳しく記載されています。例えば、滞納や延滞したことがあればそれらの情報もそこに含まれるため、参照によってその事実が会社側に明らかになり、就活に悪影響を及ぼしかねません。
その上、短期の滞納ならまだしも長期滞納ともなれば、いよいよもって厳しい判断が下されることを覚悟しましょう。
特に、滞納や延滞の事実は就職先がカードローンを扱う金融会社ほど自体を重くとらえます。なぜなら、所属する従業員が自ら滞納や延滞していること自体が、会社のマイナスイメージに繋がってしまいかねないからです。
採用を希望する先によっては不採用となる可能性が一気に高まります。
債務整理をしている
返済できなくなった借金を法律的な手続きに基づいて解消する方法として「債務整理」があります。この債務整理を利用した事実もまた、信用情報に一定期間にわたって記載されます。
当然ですが、債務整理をしたことがあるということは、一度でも借金の返済が滞った事を意味します。自ら希望して作った借金を正しく返済できず債務整理に頼ってしまったことは、自己管理能力の欠如をも疑われかねません。
こうした判断から、やはり不採用の直接原因となる可能性が十分に考えられます。
借入金額が大きい
学生として勉学に励む方の中には、アルバイトや副業などによって一定の収入を得ている方も少なくありません。毎月の収入に見合っただけの借入金額であれば問題ありませんが、学生という立場をはるかに超えた高額な借入金があるようなら、その事実もまた就活ではマイナス材料となります。
信用情報には、現在借り入れている借金の総額がすべて記載されています。この総額が大きいほど、情報を利用する会社に悪い印象を与えかねません。
ただし、具体的にどの程度の金額以上であれば不採用になる確率が高くなるかについての明確な基準はないので、必ずしもこの原因だけで不採用と判断されるというわけではありません。
また、就活で信用情報を必ず参照されるということは、基本的にはありません。ただし、就職を希望する会社の業種によっては希望者に黙って参照される恐れもあり、その場合は以上のような理由がマイナス要素となって採用を見送られる可能性があることを覚えておいてください。
総合的に見て学生の借金は就活に影響する?
ここまで、学生の借金と就活への影響について詳しく見てきました。実際のところ学生の就活に、借金はどの程度の影響を及ぼすのでしょうか?
金融機関ではない限り信用情報を見られることはない
結論として、就職を希望する先が銀行など金融機関ではない限り、無断で信用情報を参照されたり採用に響いたりすることはまずありません。これは、実際に借金を持つある学生が30社以上を対象に就活を行った結果、面接で借金の存在について1回も聞かれなかったという事実からも明らかです。
また、クレジットカードの利用に対して延滞を続けている学生がその間も就活に挑み、結果として複数の会社から内定を勝ち取れたという事例も報告されています。
したがって、ほとんどの会社では信用情報を参照していない、もしくは参照していても重要視していないということがわかります。
もし見られる場合には本人の同意を得てから
就職を希望する会社が金融機関であった際も、原則として信用情報の参照時には本人の同意を得た上で行う会社が大半です。
その場合も、たとえローンを利用している事実が認められても就活にマイナスとなる可能性が非常に低く、それほど心配する必要はありません。ただし、滞納や延滞したことがある場合は多少なりとも影響する可能性がありますから、この点にだけはあらかじめ注意しておきましょう。
いずれにしても、よほど高額な借り入れや長期にわたる滞納をしていない限り、たとえ金融機関を受けるとしても気にとめる必要はないのではないでしょうか。
就活に影響しないからといって借金をしすぎないように注意しよう
借金を抱えている学生の方にとって、その借金が就活に影響するのではないか?という不安を持つのは当然のことです。その不安を解消すべく、今回は学生の借金と就活への影響について詳しく解説してきました。まずはそのおさらいから見ていきましょう。
- 学生であっても借金とその返済状況は「信用情報」として記録されている
- 信用情報は特定の機関でのみ管理され、必ずしもすべての会社が参照できるわけではない
- 信用情報の参照には本人の同意が必須
- 本人の同意を得た上で信用情報を参照する会社もあり、また無断で参照する会社もある
- 学生の借金は直ちに就活には影響しないが、延滞や多重債務、債務整理はマイナス材料に
高額なスマートフォンやさまざまな嗜好品が流通する現在、学生の方でもお金が必要になり借金をしているというケースは決して珍しくありません。また、学生の借金は一部の例外を除き基本的にはすぐに就活に影響を及ぼすことはなく、それほど心配する必要がないということもわかりました。
それでもなお、今抱えている借金をできるだけ早く解消したい、解決したいという方は、お金を返す方法についても確認することをお勧めします。
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もしくは「借り換え」という方法もあります。今の借金よりも金利が安いところから改めて借金し、返済に充てる方法を借り換えと言います。特に学生の方は金利が通常よりもはるかに安い学生ローンが利用できるので、一気に借金の返済を軽くできます。
「利用したいけど親バレが心配」
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といった不安をお持ちの方も心配ありません。親バレせず、未成年の方でも利用できる学生ローンや予備校生を対象としているローンなどを詳しくまとめましたので、「おすすめ学生ローン14社完全比較!親バレせず、未成年でも借りられる」のページもあわせてご覧ください。
借金が就活に影響しないことはわかっていても、やはり借金がないほうが良いに越したことはありません。今回ご紹介した情報を活用して、就活を有利に進めていきましょう。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。