故障したバイクの修理代にローンは使える?修理費用が高い理由もチェック
更新日:
公開日:2021.9.21
「バイクが故障してしまった!突然過ぎてお金が手元にないし、修理代にローンを使えるか事前に知っておきたい」
もしバイクが故障してしまったら、そのまま手放す人もいるでしょう。ですが大切な愛車だからこそ乗り続けるため、修理に出す人も多いと思います。
そこで気になるのが、修理代が一体どのくらいかかるのか?という点。金額によっては、手持ちのお金だけでは足りないケースも出てきます。
そうなるとローンやカードを使う方法が思い浮かびますが、それができないお店が多いのもバイク業界ならではの特徴です。
修理を依頼するショップによっては、ローンやカード払いを選択して修理代を支払うことも可能です。ただし小規模なバイクショップなどお店によっては、いまだ現金払いのみのところも多くあります。
したがってローンを使って修理に出すなら、まずはショップ選びから入念な下準備が欠かせません。
この記事ではバイクの修理代にローンが使えるかについて、その答えや注意点、お店探しのポイントなどを詳しく解説します。また、修理代が高い金額になりやすい原因と費用を抑えるコツもお伝えするので、あわせて参考にしてください。
修理代に初めてバイクローンの利用を検討している人のなかには、不安を抱く人も大勢います。
そんな不安や心配事を解消する目的で、下記ページに情報をまとめました。ぜひ参考までにご覧ください。
>>>バイクローンは怖い?
この記事の目次
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- 20~35歳の方におすすめ
- 36~60代の方におすすめ
バイクの修理代にローンが使える主なショップとその特徴
バイクショップとひとくくりに表現しても、その内情はさまざまです。
車両の販売だけ行っているところもあれば、修理専門で営業しているお店もあります。もしくはその両方を行っているショップもあり、全国的にはこのスタイルのお店が一般的です。
ただし修理OKだからといって、全てのお店が同じサービスを提供しているわけではありません。例えば支払い方法に注目して見てみると、全国のバイクショップは大きく分けて以下の3つに分類できます(「QRコード」など電子マネー決済などは除く)。
- 現金払いのみ
- 現金払いに加えてカード払いに対応
- 現金払い、カード払いに加えてショッピングローンに対応
ショッピングローンとは、バイクショップがローン会社と提携して独自に販売しているローン。基本的にそのショップでかかる費用に使い道が限定されているので、市販のローンと比べて審査に通りやすく好条件なのが特長です。
店頭で修理を申し込む際に一緒にローンの申し込みもできるので、1回の来店で手続きが完結できる点も魅力でしょう(審査結果によっては再来店が必要な場合もあります)。
今回のテーマである「バイクの修理代にローンが使える?」から考えると、厳密には上記3つ目の支払い方法を採用しているショップがその対象です。
公式サイトで確認するか直接連絡して問い合わせれば、どういった支払い方法が使えるかすぐに確認できます。
ですがツーリング中の故障など、すぐに修理先を決める必要があることを想像すると、確認や連絡する余裕さえない場面が多いでしょう。
そこで、まずは修理代にローンが確実に使えるであろう主なバイクショップからおさらいしていきましょう。これから紹介するタイプのショップなら、ほぼ確実にローンを使った支払いに対応していると判断できます。
さらに修理対応の違いなど各ショップの特徴も紹介します。すぐに修理先を決めなければいけない時の判断材料として、ぜひ活用してください。
全国展開している大規模なバイクショップ
国内の全地域を対象に全国展開している大規模なバイクショップなら、販売だけでなく故障車や事故車の修理にも対応しています。
全国展開している大規模なバイクショップといえば、主に以下のチェーンが代表的です。一度はテレビCMや看板などの広告で見たことがある人もいるのではないでしょうか。
- レッドバロングループ
- SOXグループ
- バイク王
こういった大規模なバイクショップなら、ほぼ確実に店舗独自のショッピングローンが利用できます(例:レッドバロンのライダーズクレジットなど)。
公式サイト上で「各種メンテナンス費用や車検費用にもローンが使える」とも名言されているので、安心でしょう。
大規模なバイクショップでは、ショッピングローンだけでなく、クレジットカード決済にも対応しているケースが少なくありません。ローンの申込手続きが面倒なら、手続き不要なクレジットカード決済を使うのも手です。
また「QRコード」決済に対応するショップも登場しました(例:バイク王など)。日頃から常用している人は、ぜひ検討してみてください。
全国の店舗で一律のサービスが受けられる
全国展開している大規模なバイクショップならではの特徴は、全国一律の安定したサービスが受けられる点です。
修理可能なバイクショップの多くは依然として、個人経営や小規模なチェーン店が全国の大半を占めています。そのため地域によっては、接客やアフターサービスの質には差があるでしょう。
対するチェーン店では、整備担当スタッフの技術力向上を図るための講習やコンテストなど、独自の企業努力を精力的に実践しています。これにより、地域や場所を問わず安定したサービスが利用できるようになりました。
「修理完了まで、できるだけ早くトラブルなく無事に終えたい!」という人にはチェーン店がおすすめです。
費用が直営店と比べて割安
修理代の安さも、大規模バイクショップならではです。工賃・部品代ともに全体的に安く抑えられるので、最終的な修理代も割安といえるでしょう。純正部品の使用が原則の直営店と比べると、その差は歴然です。
各店舗のピットや精密な修理を行う修理工場では、豊富な量の部品在庫が常時取りそろえられています。そのため、修理依頼から完了までが短時間で済む点も魅力です。
国内・海外を問わず幅広い車種の対応
バイクショップの中には高年式や販売終了済み、輸入車など特定の車種の修理対応を断るところも少なくありません。
これらのタイプはどれも、部品調達が難しかったりメカニズムが複雑だったりするバイクばかり。設備や人材が乏しいショップでは扱いきれず、対応していないのです。
大規模なバイクショップでは専用の修理機材をはじめ、入手困難な部品の調達先にも長けています。その上、修理対応が可能な技術・ノウハウを持ったスタッフも在籍しているので、基本的に断られることはありません。
ビンテージ車や輸入車のオーナーなら、修理時の候補先として覚えておくといいかもしれません。
メーカーの直営店や正規代理店
自動車の正規ディーラーに相当するのが、メーカーの直営店や正規代理店などのショップです。
直営店は「専売店」とも呼ばれ、各バイクメーカーが直接経営または正規認定している店舗です。バイクメーカーならではの高品質なサービスや保証が受けられる上、ディーラーローンやショッピングローン、カード払いなど決済手段も豊富です。
国内の各バイクメーカー直営店は、以下の名称を掲げているショップを指します。
- HONDA:ドリーム
- YAMAHA:YSP
- SUZUKI:ワールド
- KAWASAKI:プラザ
これらの名称が店名に付いていれば、直営店かメーカーから質の高さを正式認定された正規店、と考えて問題ありません。正規代理店も同様にバイクメーカーから販売・修理業務を正式に委託された店舗で、直営店とほぼ同等のサービスを利用できます。
ただし質の高いサービスや保証が受けられるゆえに、他と比較して修理代が高額になりやすい面もあります。工賃も比較的高く、さらには基本的に高額な純正部品を使用するので、その分部品代も高くなるためです。
また完璧な作業を実現するべく修理時間も長くなりやすいので、急いでいるときはその点にも注意してください。
自社・特定メーカーの車種に特に強い
メーカー直営店や正規代理店は、販売や修理に関するさまざまなノウハウをメーカーと直接共有しています。自社メーカーが販売する車種には特に強みを発揮するのが特長です。
多くのメーカーを取り扱うショップで断られた車種も、直営店なら対応してもらえるケースはよくあります。特に古いバイクや汎用部品が入手しにくいバイクの場合は、直営店を率先して利用すべきでしょう。
1つのメーカーしか取り扱っていない直営店と比べると、正規代理店の中には複数メーカーを取り扱っているところもあります。
そういった店舗であれば、取り扱っているメーカーのバイクは一律で対応してもらえます。また提携しているメーカーの車種に強い点は、直営店と同様です。
最寄りに愛車の直営店がなくても高品質なメンテナンスやサービスを利用したければ、正規代理店の利用を検討してください。
修理工程が分かりやすく丁寧
直営店や正規代理店は、修理工程の分かりやすさでも定評があります。
個人経営のバイクショップでの修理だと、依頼以降一度も説明や確認がないまま完了してしまうケースも珍しくありません。中にはきちんと見積もりを作らず、簡単な説明だけでいきなり契約を迫られるケースもあるほど。
それでも、ごく簡単な整備や修理なら特に問題ありません。
ところが高額な部品や追加の修理が必要になると、これが原因でトラブルになる可能性が一気に高まります。そこまで至らないにしても、修理工程がよく分からないままだと、依頼側としては不安を感じがちです。
直営店などでは修理の相談を受けると、まず見積もりを作成するところからスタートするのが基本です。
見積もりを元に修理が必要な箇所や部品、修理代の概算などの詳しい説明が受けられます。そこで納得いかなければキャンセルもでき、必要・不要な箇所の要望や質問もOK。その後、納得できれば正式に契約し修理作業に移ります。
即日終了するような簡単な修理内容であれば、ショップ内で作業を見学しながら終了まで待てる上、その間もスタッフへの質問などが可能です。
1日以上の預かり修理でも、追加の部品や修理が必要になった段階ですぐ確認の連絡をしてもらえ、その都度了承するか意思表示もできます。
丁寧な作業や接客、保証などアフターケアを重視するなら、直営店以外の選択肢はないと断言できるくらいに、質の高さに定評があります。よくありがちな修理に関するトラブルをできるだけ避けたいならなおさらでしょう。
お金を払うからこそ修理内容もしっかり確認・吟味したい人は、ぜひ直営店を選んでください。
万全なアフターサービス
直営店や代理店は、バイクメーカーの信頼に裏打ちされた万全なアフターサービスも魅力です。
修理を依頼すると、その後も車体や修理箇所に関する確認の連絡をもらえたり、無料のメンテナンスを受けられたりします。
1年間など一定期間の修理後保証も付与され、もし問題が起きた場合も期間中なら無料で対応してもらえるなど、修理後も何かと安心です。
修理などでショップを利用すると、ショップ側に車体情報などが顧客ごとで登録・保管されます。
例えばメーカーからリコール(無償の改修・修理)が発表されると、この情報を使って比較的早い段階で連絡や作業を受けられます。他のショップ利用時でも、リコールの通知は必ずもらえます。
それでも比較すると、発表からの通知を経た作業開始までのスピードは、直営店や代理店利用者が圧倒的な速さです。
自動車と比べてマシントラブルが起きやすいバイクだからこそ、常に万全の体制を整えたいなら、直営店は唯一の選択肢ともいえるでしょう。
メンテナンスも請け負うバイク用品の販売チェーン
バイクやライダーに関するさまざまなグッズを販売している、バイク用品の販売チェーンの中にも、修理を請け負っているところがあります。
全国規模でチェーン展開している量販店から地域密着型のお店まで、エリアを問わず各店の魅力に合わせて自由に選べます。
販売のみの店舗もありますが、中規模から大規模のチェーンを中心に専用のピットを併設しているのが特徴の一つ。店舗で販売している市販部品をそのまま修理やメンテナンスに流用できるので、修理時間の早さや安さは業界随一といえるでしょう。
現在全国展開している修理対応OKな販売チェーンには、以下のようなブランドがあります。
- 2りんかん
- ナップス(NAPS)
- 南海部品
このうち最大手となる2りんかんは、自動車用品の販売チェーンとしても有名なイエローハットの系列会社。修理だけでなく、車検が必要な251cc以上のバイクのメンテナンスメニューも各種豊富に取りそろえられています。
全国に58店舗(2021年8月現在)が展開しており、地域を問わず安定したピットサービスが利用できる点も魅力です。
そのほかにも、量販店ならではのさまざまな特長が利用できます。修理先の一つとして検討すれば、修理代が意外と安く抑えられるかもしれません。
純正品と比べて安価な社外パーツも選べる
バイクの修理代で一番気になるのは、やはり修理に使う部品にかかる費用でしょう。
直営店などバイクメーカー系列の店舗で修理依頼すると、大抵はメーカー純正の部品を使った修理です。
対するバイク用品の販売チェーンでは基本的に、自社店舗で取り扱っている社外パーツから優先して修理に使います。純正品は顧客から要望があったり、社外パーツに代替品がなかったりする場合に限り使われるのが通常です。
純正品と社外パーツ、両者を比べると以下のような違いがあります。
【バイク純正品と社外品の違い】
- 純正品:バイクメーカーの正規品のため安定・安全面で優れ信頼性もあるが、価格が高い
- 社外パーツ:他車種との共通部品など汎用品として作られているため、価格が安い
純正品と社外パーツの価格差を知るため、ここでは定期メンテナンスの代表格であるオイル交換を例に見てみましょう。
オイル交換時にはエンジンオイルとは別に、オイルフィルターやドレンワッシャー(ガスケット)なども一緒に交換しなくてはいけません。
フィルターの純正品は約1,500円程度が相場なのに対し、社外パーツは約1,000円程度と3割ほど割安。ワッシャーも純正品は1枚200円程度なのに対し社外品は1枚100円程度と、こちらは半額です。
このように、修理に必要な部品に社外パーツがたくさんあるようなら、純正品ではなく汎用品を選ぶことで修理代を大幅に節約できます。
デイトナやキタコ、キジマといった国内有名メーカーの社外パーツなら、品質面でも純正品と比べなんら問題ありません。
安全・信頼性やブランドを最優先しない限り、社外パーツを使える販売チェーンで修理代を節約するのも、上手な選択といえるでしょう。
部品を各店舗で常備しているため、内容によっては即日修理もOK
バイク用品の販売チェーンは、部品などのパーツ販売がメインのショップです。各店舗には純正品だけでなく、各パーツメーカーの車外パーツや商品も取りそろえられています。
小規模なバイクショップだとスペースが限られるため、日頃からよく売れる部品のみをストックしておくのが基本です。
特殊な部品が必要な修理になると、部品の発注から始めなくてはならず、その分の時間も必要。結果、修理完了までの時間にも大きく影響することにもなります。
その点販売チェーンなら、在庫切れやよほど特殊な部品でない限りショップごとでストックされていて、すぐ作業に取りかかれます。
売れ筋の車種なら即日修理もできる上、他だと時間がかかるマイナーな車種でも、最短1~3日程度の短時間で完了できるのが魅力でしょう。
この特徴は店舗の大きさに比例します。全国展開しているような大規模なチェーンの方が、豊富な部品在庫と充実した設備によりスピーディーな修理が可能、と考えてください。
ツーリングを控えた長期休暇前など、大事なタイミングで突然故障してしまいすぐに直したいなら、販売チェーンでの修理をおすすめします。
支払い方法が充実
バイク用品の販売チェーンは、支払い方法が最も充実している修理先です。
現金やクレジットカード決済だけでなく、店独自のショッピングローンも利用可能。さらにはカード会社発行のギフトカードやPayPayなどスマホ決済にも対応するチェーンもあり、幅広い方法から自由に選べます。
部品の購入代金だけでなく工賃などの修理代にも使えるので、用途に合わせて選べる点が魅力です。
修理費用が最も安い
量販店としての特徴も併せ持つバイク用品の販売チェーンは、ライバルと比較しても修理費用が安価です。
これは純正品ではなく安価な社外パーツをメインに使う点にも由来していますが、それ以上に手間賃である工賃が安く済むのが最も大きな理由といえます。
例えば乗る機会が減る冬時期を終えたばかりの春先によく発生する、バッテリー上がりの症状で見てみましょう。
バッテリー上がりには補充電やバッテリー自体の交換が有効ですが、ショップでの修理では交換が基本。その際にかかる工賃の相場は、各ショップで次の通りです。
修理依頼先 | 工賃相場 |
---|---|
メーカー直営店、代理店 | 1,500~3,000円程度 |
バイクショップ | 1,500~2,000円程度 |
バイク用品の販売チェーン | 1,000~1,500円程度 |
バイク用品の販売チェーンが最も割安な工賃で済むことが分かります。
バイクショップと比べるとその差はわずかですが、一部のメーカー直営店と比べると実に半額以下の費用で済む結果です。ここにバッテリーの購入代金も加わるので、その差はさらに広がるでしょう。
バッテリー上がりだけでなく他のさまざまな修理内容でも、この特徴はほぼ共通しています。
とにかく修理費用を安く抑えたいなら、まずは販売チェーンで見積もりをとるところから始めるのがおすすめです。
バイクの修理代、大半のショップでは現金払いが基本
バイクの販売や修理を請け負っているショップ自体は、全国にたくさんあります。
ところがいざ修理代にローンを使おうとすると、それができるショップの選択肢が急激に減ってしまうのが実情です。なぜなら、全国にあるバイクショップのうち大半のお店が、いまだ現金払いを基本としているため。
利用者からすれば不便極まりない話ですが、そこにはショップならではの切実な事情も少なからずあります。
ローンだけでなくカードや電子マネーなど、便利な支払い方法が続々と誕生する中、なぜいまだ現金払いが基本なのか?その理由を改めて確認していきましょう。
それらを理解することで、バイクの修理代にローンを使いたい時のスピーディーな対策も自ずと見えてきます。
特に個人経営の小規模店舗で多い傾向
現金払いを基本としているバイクショップは、主に個人経営など小規模な店舗に集中する傾向があります。それにはれっきとした理由があります。
というのもカード払いやローンなどは原則後払い方式なので、前払いとなる現金払いと比べすぐショップ側にお金が支払われません。ローン会社や支払いの種類によっても違いますが、利用日からだいたい15~30日後に支払われるのが通常です。
修理内容によっては、在庫がなくメーカーに発注が必要になる部品も出てきます。したがってローンやカード払いで修理を請け負うと、取り寄せが必要な部品の費用を利用者に代わって一時的に立て替えなくてはいけません。
発注後に修理をキャンセルされる危険性も無視できず、タイミングによっては発注をキャンセルできず不要な部品を抱える恐れも。そうなるとショップ側にはリスクしか残りません。
前払いとなる現金払いなら事前にお金を受け取れるので、こうしたリスクを全て回避できます。そのため、バイク業界ではいまだ多いのです。
またカード払いには手数料の問題もあり、これも現金払いのみの店舗が多い理由の一つと考えられます。
手数料とはクレジットカードのシステム利用にかかる費用で、加盟店(バイクショップ)がカード会社に支払うもの。カード会社や販売店の業種によって違いますが、一決済当たり3.0%前後が相場です。
手数料は全額店側の負担になり、カード払いの利用者が増えるごとにその額も増えます。つまり現金払いなら支払いが不要だったお金を、カード払いを導入することでわざわざ支払わなければいけないわけです。
売り上げの3%は小規模な店舗ほど大きな負担となるのでこれを嫌い、カード払いを導入しない店舗が多い結果につながっています。
このように現金払い以外の支払い方法をわざわざ導入しても、ショップ側にはあまりメリットがないのが実情です。他と比べ個人経営の店舗の方が多いバイク業界は、その傾向がより顕著といえるでしょう。
事前に店舗へ連絡して「ローンが使えるか」の確認を
ショップが自前の公式サイトを持っているようなら、どの支払い方法が使えるか前もって確認できます。特に大規模な販売チェーンや直営店ならほぼ確実に自社サイトを準備しているので、連絡不要で簡単に調べられるでしょう。
ところが個人経営の小規模なショップになるとそうはいきません。公式サイトを持っていないどころか広告費にもあまり余裕がなく、広告を一切出していないショップもいまだに少なくありません。
そうなると事前に支払い方法を確認できないまま来店することになるので、来店後引くに引けずトラブルになるか後悔する可能性もあります。
こういった気まずい場面を避けるためにも、少々面倒でも来店前に一度店舗へ連絡して確認するのをおすすめします。
「修理を依頼したいけれど、修理代にローンは使えますか?現金払いのみですか?」と一言尋ねれば、真っ当なお店ならすぐに教えてもらえます。
それだけでなく実際に修理を依頼するとしても、飛び込みではなく来店前に連絡しておくことで、店側への心象を高める効果もあるでしょう。
というのも、人気店のように飛び込み注文を受けられる余裕がないのが、市場規模が小さいバイク業界ならではの特徴の一つ。来店した人にはショップ側も対応しなくてはならず、その分の手間がかかります。
特に少人数のスタッフでやりくりしているショップは、タイミングによってはこの接客が意外と負担になりがちです。
そういった事情から、前もって連絡してもらえる方がショップ側としても正直ありがたいのが実情。ショップ側から丁寧な接客や対応をしてもらえる可能性が高いといえるでしょう。
事前に連絡する行動が支払い方法の確認だけでなく、その後の対応の善し悪しやスムースなやり取りにも影響する、と覚えておいてください。
カードOKなショップなら「現金+カード払い」で交渉しよう
修理に出す予定のお店がカード払いに対応しているなら「現金+カード払い」の合わせ技で修理代を払えるか交渉してみましょう。
個人経営のショップの中には、事業資金にあまり余裕がないところがあります。そういったショップは後払い決済を嫌がる傾向が強く、現金払いのみか利用者増が見込めるカード払いにのみ対応しているお店ばかりです。
「ローンは無理でもカードが使えるなら、結局は後払いや分割払い可能という意味で同じでは?」と考える人も多いでしょう。ところがそううまくいかないのが、バイク業界の少し複雑な部分です。
というのもカード払いが使えるショップだからといって、必ずしも修理代に使えるわけではありません。なぜならカード払いは原則、車両本体やオプションパーツの購入費にのみ利用可としているショップが多いためです。
ただしそこは交渉次第で、こちらの希望に近づけることもできます。例えば、修理に必要な部品代はカードで支払い工賃などの修理代を現金で前払いする、と提案するのも1つの手。
利益を上乗せしにくい部品代と違い、工賃は基本的に100%ショップ側の利益です。その部分を現金で前払いしてもらえれば、万が一キャンセルになっても店側の負担を最小限に抑えられます。
修理内容によっては支払い済みのお金からキャンセル料も徴収しやすいので、断るショップもそれほどないでしょう。
修理の依頼側としても一部を分割払いにはできるので、全額現金払いより少しでも負担を下げられる点でメリットです。
もし修理先がカードOKなショップなら、ダメ元で一度は交渉にチャレンジしてみてください。その際に「全額現金払いが難しいので、一部だけでもカード払いにしてほしい」と伝えれば、OKをもらえる確率も上げられます。
現金払いのみのショップでもOK!バイクの修理代に使える主なローン
故障して自走できないバイクを修理に出すとなると、自走できる場合と比べ何かと面倒です。
特に修理を頼みやすい、バイクを購入したショップが遠方にあるならなおさら。バイクを保管している場所からできるだけ近いショップに依頼したいと考えるとでしょう。
そんなとき、最寄りにある修理OKなショップがどこも修理代にローンが使えない現金払いのみの店だったとしたら。現金払いのみのショップがいまだ多い現状、決してないケースとは言い切れません。
しかし、そこですぐに諦めることはありません。現金払いのみのバイクショップでも、ローンを使って修理代を払える方法があります。それが、市販のローンを使った方法です。
バイクの修理代にも使える市販のローンとして、ここでは以下の3つの商品をおすすめします。
【バイクにも使えるローン】
- マイカーローン(オートローン、自動車ローン)
- フリーローン(多目的ローン)
- カードローン
これらのローンを使う方法のポイントは、修理とローンそれぞれの申込先は別という部分にあります。バイクショップに修理を申し込む前に、ローン会社と直接契約してお金を借り、それを現金払いの支払いに充てるということです。
各ローンの特徴と利用時の注意点を詳しく解説するので、確認していきましょう。
マイカーローン
自動車ローンやオートローンとも呼ばれるマイカーローンは、車両購入費や修理代、車検費用など自動車のみならずバイクにかかる費用としても使えます。
JAバンクなど一部のマイカーローンには、安定した仕事や収入があると認められれば満18歳以上から利用できるものもあります。したがってバイクが愛車の未成年でも、条件次第では契約可能です。
お金の使い道がマイカーにかかる費用に限定されていることから、年利5.0%未満の低金利で借りられる商品が豊富なのも、このローンの魅力の一つでしょう。
場合によってはディーラーローンやショッピングローンよりも割安な金利で借りられるケースも。そのため、修理代のお金を借りる候補の一つとして覚えておくといいかもしれません。
マイカーローンは銀行など金融機関からのものが中心ですが、保険会社が販売するちょっと珍しい商品があるのも特徴です(例:損保ジャパンなど)。
ただし地方銀行が販売しているマイカーローンは原則として、営業地域に居住または勤務している人だけが利用できる限定商品です。
全国から利用できるローンと比べて好条件なものが多く魅力的ですが、地域外からの契約は原則NGなのでご注意を。
また、一契約一借り入れの借り切り型なので、追加融資を受けるには改めて契約する必要がある点にも注意してください。
本来自動車の購入費用を想定したローンなので、借入上限額は1,000万円と十分な金額が用意できます。ビンテージカーや高級外車など、何かと修理代が高額になりやすい場合にはベストな選択肢といえるでしょう。
全国から利用可能な低金利のマイカーローンを中心にいくつか比較し、表にまとめました。利用を検討する際の参考材料にしてください。
上段:会社名 下段:商品名 |
三菱UFJ銀行 「ネットdeマイカーローン」 |
JAネットローン※JAバンク東京の例 「マイカーローン」 |
損保ジャパン 「ジャパンダ・ネットマイカーローン」 |
---|---|---|---|
利用条件 |
以下の全ての条件を満たすこと ・満20歳以上で完済時年齢が満70歳未満 ・前年度の税込年収が200万円以上 ・同一勤務先に1年以上勤務している |
以下の全ての条件を満たすこと ・満18歳以上で完済時年齢が満80歳未満 ・前年度の税込年収が200万円以上 ・同一勤務先に1年以上勤務している |
以下の全ての条件を満たすこと ・満20~60歳以下 ・前年度の税込年収が280万円以上 ・定職、定収入がある |
主な使い道 | バイクの購入費用と諸費用、修理代など | バイクの購入費用(新車・中古車)と付帯費用、修理代、車検費用など | バイクの購入費用、修理代など |
借入限度額 | 50~1,000万円(1万円単位) | 10~1,000万円以内(1万円単位) | 20~1,000万円(1万円単位) |
金利(年利) |
・通常タイプ:1.50~2.45%(変動型) ・据え置きタイプ:3.975%(変動型) |
1.790~3.350%(変動型) | 1.90~2.950%(固定型) |
借入期間 | 6~120ヶ月(据え置きタイプは10年固定) | 6~120ヶ月 | 6~120ヶ月 |
申込方法 |
インターネット ・店頭窓口(ローン対応店のみ) |
・インターネット ・店頭窓口 |
インターネット |
担保・保証人 | 原則不要 |
・担保:不要 ・保証人:JA指定の保証機関からの保証が必要 |
原則不要 |
特徴 |
・契約には三菱UFJ銀行の普通預金口座が必要 ・同行の住宅ローン利用者への優遇金利制度あり |
条件クリアによる金利引き下げ制度あり |
・バイク割引制度あり ・金融機関口座が不要 ・土日祝日の審査に対応 |
フリーローン(多目的ローン)
主に銀行などの金融機関と一部の信販会社、クレジット会社が販売しているローンの一つです。名前の通り、禁止されている一部の使い道以外なら比較的幅広い用途に利用でき、バイクの修理代にもOK。
基本的な借り入れ条件はマイカーローンとほぼ同様で、以下の点がフリーローンの主な特徴です。
【バイクにも使える!フリーローンの特徴】
- 一契約一借り入れのみで追加融資には別途契約が必須
- 返済期間は最長10年
- 事業資金や投資、投機目的を除くほぼ全ての使い道に利用OK
用途が広いため、マイカーローンと比べると金利は5.0~13.5%とやや高く設定されている点に注意してください。
借入上限額も300~700万円までと、修理代としては十分な金額ですがマイカーローンよりも少ないので、目的に合わせて使い分けるのがベストでしょう。
カードローン
銀行やコンビニエンスストアのATMなど、無人機から手軽にお金を借りられるサービスとして今や定着したカードローンも、バイクの修理代に使えます。
銀行などの金融機関をはじめ、便利なサービスや特典が満載の消費者金融など、選択肢もさまざまです。
基本的に24時間365日いつでも融資が受けられるので、急な修理にもすぐ対応できます。
他のローンとは違い、最初に契約さえできれば以降はその発行されたローン専用カードを使って随時借り入れ・返済がOK。その都度必要な額だけを借りられるので、借り過ぎの心配もありません。
返済も同じく街中のATMから手続きなしで行えます。その上最近では、スマホアプリを使って口座から直接振り替えて返済もできるので便利で安心です。
カードローン利用時の注意点は主に2つあります。
1つ目は、借り入れにかかる金利が全体的に高く設定されている点です。ここで詳記したマイカーローンやフリーローンと比べるとその差は顕著で、以下の通りです。
【バイクに使える各種ローンの金利比較】
- マイカーローン:年1.0~5.0%
- フリーローン:年5.0~13.5%
- カードローン:年3.0~18.0%(10万円未満の融資は上限20.0%)
カードローンの金利はご覧の通り、下限から上限までの幅が特に広く設定されています。ただし下限に近い低金利は、複数回利用者など一部の顧客にのみ適用される金利です。
初回利用に近いほど上限に近い高金利が適用されやすいので、金利幅に惑わされないよう注意してください。
年収で借入上限が決まる総量規制に注意!
もう1つの注意点が、総量規制による貸付制限についてです。
総量規制とは、貸金業者の活動ルールを定めた貸金業法に規定されている法制度の一つ。この制度では以下の様に規定され、業者による過度な貸付を制限しています。
貸金業法第13条2項(過剰貸付け等の禁止)
貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合において、前条第一項の規定による調査により、 当該貸付けの契約が個人過剰貸付契約その他顧客等の返済能力を超える貸付けの契約と認められるときは、当該貸付けの契約を締結してはならない。
引用元:貸金業法|e-GOV 法令検索
要約すると、貸金業者には契約者の返済能力を事前に確認する義務があり、規定を越える上限額の貸付契約を結んではいけない、ということです。
この規定による貸付上限額の目安は年収の3分の1までです。例えば年収200万円なら66万円以下、年収600万円なら200万円以下となります。
ただし上限額の設定はあくまでも業者側に一任されていて、必ずしも上記の制限額がそのまま適用されるわけではありません。場合によってはさらに低く設定される可能性もある、と理解しておきましょう。
総量規制による制限は、申込時に利用中の全ての貸金業者からの借り入れが対象です。すでにクレジットカードのキャッシングを利用していたりすると、その分も総量規制に含まれ、借りられる上限が少なくなります。
ただし、総量規制は貸金業者からの借り入れにのみ適用される制度です。
銀行や信用金庫などは正確には貸金業者ではないので、借り入れは全て対象外。クレジットカードのショッピング枠も貸付とならず同じく対象外なので、分けて判断してください。
以下の借り入れも業者を問わず全て総量規制の適用除外の貸し付けとして扱われ、制限の対象外です。
住宅ローン
マイカーローン
高額医療費への支払いが目的の借り入れ
バイクの修理代の借り先として消費者金融カードローンの利用を検討するなら、修理代全額を補えるかも含め事前に注意しておきましょう。
以下公式サイトの事前診断では借り入れ可能かどうかを知ることができるので、利用前にチェックすることをおすすめします。
主な症状ごとで見る修理代(部品代+工賃)の相場・目安
自動車ほど複雑なメカニズムを持っていなくてもバイクも機械である以上、故障に応じた適切な修理が必要です。修理内容によっては安い費用で済むケースもありますが、中には高い修理代を請求されるものもあります。
バイクの修理代は修理に必要な部品にかかる費用だけでなく、ショップに依頼するなら修理作業の手間賃として工賃も支払わなくてはいけません。したがって修理代=部品代+工賃と必ず覚えておきましょう。
そこでここでは、バイクで発生しやすい主な故障内容に注目し、それぞれの症状でどのくらいの修理代がかかるか、相場の目安を紹介します。
ただし修理するバイクの車種や年式、修理のしやすさなどによっても具体的な費用は違ってきます。ここで紹介する金額はあくまでも、目安として確認してください。
エンジンがかからない or かかりにくい
バイクに乗っていざ出かけようとしたら、何をしてもエンジンが全くかからないケースは意外と多いものです。しかし、運良くエンジンがかかったとしても安心はできません。
余計にセルモーターを回す必要があったり、キックスタートで始動せざるを得なかったりなど、エンジンがかかりにくいケースもあるでしょう。こういった症状はどれも、すぐに修理が必要かその状態に限りなく近い状態と判断できるものばかりです。
症状の原因 | 修理方法 | 修理代 |
---|---|---|
バッテリーの異常 | バッテリーの交換 |
工賃:1,000~3,000円 部品代:5,000~1万5,000円 |
スターター機構の故障 | ブレーキスイッチ、スターターリレーの交換 |
工賃:1,500~3,000円 部品代:2,000円(左/右ブレーキスイッチ) 3,000~5,000円(スターターリレー) |
キルスイッチの異常 | キルスイッチの交換 |
工賃:2,000円~ 部品代:1,000~1,500円 |
キャブレターの詰まり(キャブレター車のみ) | キャブレターのオーバーホール |
工賃:5,000~1万円 部品代:交換部品なし |
FI(フューエルインジェクション)の故障(FI車のみ) | FIの交換 |
工賃:1~2万円 部品代:2~3万円 |
点火装置の故障 | CDI(蓄電式点火装置)の交換 |
工賃:5,000円~ 部品代:2~3万円 |
スパークプラグの故障 | スパークプラグの交換 |
工賃:500~1,000円(プラグ1本当たり) 部品代:500~1,500円(プラグ1本当たり) |
エンジン始動後すぐにエンストする
エンジンはすんなりと始動するのに、アイドリングが安定しなかったり始動後すぐエンストしてしたりする場合も、さまざまな故障が考えられます。
前述のエンジンがかからない症状を改善する修理内容で改善する場合もあれば、それ以外の方法が必要な場合もあります。
故障による症状は素人でもすぐ気付ける反面、故障原因の多くは車両内部に潜んでいるため、素人による特定は困難です。
最悪、走行中に突然エンストしてしまう恐れがあり、こうなると重大な事故につながる可能性も。そうならないためにも、早めの点検・修理をショップに依頼してください。
症状の原因 | 修理方法 | 修理代 |
---|---|---|
マフラーガスケットの劣化による排気漏れ | ガスケットの交換 |
工賃:5,000~1万円 ・部品代:1,000~1,500円 |
空燃比率の異常(規定値からのズレなど) | キャブレターの調整 |
工賃:1~1万5,000円 部品代:交換部品なし |
燃料ポンプの故障 | 燃料ポンプの交換 |
工賃:3,000~5,000円 部品代:2~3万円 |
ブレーキが効かない or 効きにくい
安全走行で最も重要なパーツなのがブレーキです。ブレーキが効かないまたは効きにくいと少しでも感じたら、すぐに乗車を止め点検してもらいましょう。
故障を放置したままでいると、最悪走行中にブレーキが全く効かなくなる恐れも。
自損事故の危険だけでなく周りの人を巻き込む大事故にもつながりかねないので、とても危険です。
症状の原因 | 修理方法 | 修理代 | |
---|---|---|---|
ブレーキパッドの異常(ディスクブレーキ車) | ブレーキパッドの交換 |
工賃:2,000~3,000円(1カ所) 部品代:500~1,500円(1個) |
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ブレーキシューの異常(ドラムブレーキ車) | ブレーキシューの交換 |
工賃:3,000~1万円(前/後両方) 部品代:2,000~3,000円(前/後合計) |
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ブレーキフルードの異常 | ブレーキフルードの劣化 | ブレーキフルードの交換 |
工賃:3,000~4,000円 部品代:1,000円~ |
ブレーキフルードの漏れ | ブレーキホースの交換 |
工賃:5,000円~ 備品代:2,000~5,000円(1本) |
車体・部品からのオイル漏れ症状
ホースやパッキンなど、バイクパーツには数多くのゴム部品が使用されています。ゴムは経年劣化とともに劣化しやすい素材です。雨風にさらす機会が多いバイクは、これらのパーツが劣化することで故障を引き起こしやすくなります。
特にガソリンや各種オイルなど油脂類パーツにゴムは数多く使用されています。劣化によってこれらの油脂類が漏れると、走行不能に陥るだけでなく環境によっては火災の恐れもあるでしょう。
自動車と比べて転倒の危険性もあるバイクは、この転倒が原因でオイル漏れを発症することもあります。特に前フォーク(ダンパー)のゆがみによるオイル漏れが顕著なので、転倒直後は必ず確認してください。
症状の原因 | 修理方法 | 修理代 |
---|---|---|
ドレンパッキンの劣化(エンジンオイル漏れ) |
・ドレンパッキンの交換 ・エンジンオイルの補充 |
工賃:1,000円~ 部品代:200円~(パッキン) 1,000円~(エンジンオイル1リットル当たり) |
フロントフォークの異常 |
フロントフォークの交換 フォークオイルの補充 |
工賃:5,000~1万5,000円 部品代:1万~1万5,000円(フォーク1本当たり) 1,500円~(フォークオイル) |
エンジンパーツのゆがみ | エンジンのオーバーホール | 修理代:20~50万円 |
ガソリン漏れ
自動車と比べるとバイクならではの症状ともいえるガソリン漏れも、速やかな修理が必要な故障の一つです。
ガソリン漏れが発生する主な原因は、経年劣化による部品異常や転倒による損傷など。一見すると故障の原因が判明しにくいため、ショップなどに依頼してプロによる確認・修理が欠かせません。
症状の原因 | 修理方法 | 修理代 |
---|---|---|
ガソリンタンクの破損による漏れ | タンクの交換 |
工賃:2,000円~ 部品代:1万円~(車種により異なる) |
燃料ホースの異常 | 燃料ホース、ホースクリップの交換 |
工賃:2,000円~ 部品代:500~2,500円 |
キャブレターの異常(キャブレター車のみ) | キャブレターの交換 |
工賃:5,000~1万円 部品代:2,500~5,000円 |
オーバーヒート(水温・油温異常)
特に空冷タイプのバイクで注意が必要なのが、車体の高温状態が続くことによるオーバーヒートです。水冷タイプのバイクでも発生する可能性はあるので、真夏など気温が高くなる時期は特に油断しないようにしてください。
オーバーヒートのまま走行を続けると、最悪エンジンに深刻なダメージを与える危険性があります。
全てのパーツが正常であればよほど異常な気温環境でない限り、オーバーヒートは早々発生しません。オーバーヒートになるようなら、冷却系やエンジンに何らかの故障が発生していると疑いましょう。その上で、速やかな点検・修理をおすすめします。
症状の原因 | 修理方法 | 修理代 |
---|---|---|
ウォーターポンプの故障 | ウォーターポンプの交換 |
工賃:3,000~5,000円 部品代:1万5,000~3万円 |
冷却水(クーラント液)の減少 | クーラント液の補充 |
工賃:1,000円~ 部品代:1,000円~ |
空燃比率の異常(キャブレター車のみ) | キャブレターの調整 |
工賃:1万円~ 部品代:交換部品なし |
エンジン・車体からの異音
正常時にはなかった異音がバイクから継続的または断続的に聞こえ始めたら、故障を疑いましょう。異音の原因はさまざまで、エンジンをはじめミッションなど駆動系からのものが代表的です。
異音は走行中だけでなくアイドリング中に発生するものもあるので、日頃からの確認が大切です。
異音の種類によっては早めの点検・修理で、修理代を大幅に節約できるものもあります。音しかしないからといって決して軽く考えず、速やかな対策を心がけてください。
症状の原因 ※カッコ内は主な異音の種類 |
修理方法 | 修理代 |
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オーバーヒート(カリカリ、キリキリなど) |
クーラントの補充 オイルクーラーの交換 |
工賃:5,000~1万5,000円 部品代:1,000円~(クーラント) 5,000~3万円(オイルクーラー) |
エンジン内部の焼き付き(チリチリなど) | エンジンのオーバーホール(OH)またはエンジン載せ替え |
工賃:5万円~(腰上OH10万円~(腰下OH) 20万円~(エンジン載せ替え) |
駆動系の故障(キュルキュルなど) | Vベルトの交換 |
工賃:5,000~2万円 部品代:2,000~5,000円 |
クランクシャフトの交換 |
工賃:5万円~ 部品代:3~5万円 |
なぜ?バイク修理にかかる費用が高い理由
バイク修理や見積もりをとった経験があるなら誰もが一度は考えるのが、バイク修理にかかる費用が高い点でしょう。
ショップへ修理に出すと修理内容などによっても違いますが、最低でも1万円程度のお金が必要です。中には数十万円単位の高額な費用がかかる修理もあり、こうなると新しくバイクを買った方がむしろ安く済むケースもあります。
自動車と比べて車体が小さいにもかかわらず、同じ位の高い費用がなぜバイクに必要なのか、疑問に感じる人も多いでしょう。とはいっても大切な愛車だからこそ、修理してまた乗り続けたいと思う気持ちは、誰しも同じです。
ではなぜ、バイクの修理代は高い費用になる傾向に強いのでしょうか?そこにはバイクという乗り物ならではの特徴が、さまざまな部分で大きく影響を与えているためでした。
それらをしっかり知ることで、バイクの修理代を節約できるコツも自ずと見えてきます。
特殊な工具や技術・知識が求められる
バイクの修理代が高い金額になる最も大きな理由といえるのが、修理に欠かせない工具が特殊かつ高額なためです。
「バイクは自動車と比べれば小さいから、むしろ必要な工具の数も少ないんじゃ?」と考える人も多いでしょう。確かにバイクは同じ機械である自動車と比べると、全体的に車体が小さい乗り物です。
ところが、車体が小さいからといってメカニズムが単純なわけではありません。同じ性能や安全性をキープしつつ小ささを実現するためには、むしろ一つ一つの部品に緻密さや精巧さが求められます。
そのためバイクに使用されている部品はどれも、自動車の同様の部品と比べ小さく精巧なものばかりです。
これらの部品が壊れたとき、修理のためには一度解体しなくてはいけません。ところが部品が小さく精巧なことから、解体するのにも特殊な工具が必要です。
例えばバイクのフロントフォークという、自動車におけるダンパーに相当する部品を見てみましょう。
この部品からオイル漏れが発生すると、最終的に衝撃吸収の役割が失われます。そのため速やかに、一度車体から取り外して分解し損傷部分を修理しなくてはいけません。
この時に使用する工具はバイク専用の特殊なもので、基本4種の工具を用意するだけで5万円以上かかります。
その上、同じメーカーでも車種によって使用する工具が違ったりするので、ショップはそれらを全て準備しておかなくてはいけません。それらは全てショップ側の経費です。
修理依頼が多く資金も豊富な大手よりも、全てが小規模なショップにとってこの経費は大きな負担。そのため、修理代を少しでも多く請求して補填するショップが増えた結果、バイクの修理代の相場は他と比べて高くなりました。
工具だけでなく、それらを完璧に使いこなすためスタッフには技術や知識も求められます。その分も技術料などの名目で修理代に上乗せされています。
初めて利用するのに明らかに修理代が相場より安いようなら、そのショップの技術や知識、設備の質を疑ってみた方がよいかもしれません。
ただしバイクの修理代が高い金額になるのは、あくまで特殊な工具や複雑な工程が求められるものだけです。例えばオイル漏れやタイヤのパンクなど、基本的な工具・技術で解決できるものは、どのショップでもできる簡単な作業なので安価です。
逆に考えれば、簡単な修理なのに高い修理代の見積もりが出たたら、そのショップはやめて別のショップを利用するなど、臨機応変に対応するべきでしょう。
自動車と比べ市場規模自体が小さい
電車通勤・通学を避ける目的で購入者が急増するなど、バイク市場は再注目されています。ところが自動車と比べるとバイクは、依然として市場規模自体が小さいと言わざるを得ません。
一般社団法人日本自動車工業会の調査によると、原付二種以上の排気量を持つバイクの2019年の総販売台数は約23万台でした。同じく2019年の四輪車の総販売台数約520万台。販売台数をそのまま所有者の数と考えれば、市場規模の差は歴然です。
市場規模が小さいということはバイクの所有者が少ないことを意味します。ひいては修理などでショップを利用する顧客数も少なく、得られる利益も比例する結果になるでしょう。
各ショップでは利益の少なさをカバーするため、顧客1人当たりの単価を上げざるを得ないのが実情です。その結果、これもバイクの高い修理代に大きく影響していると考えられます。
修理先が購入したショップではなかった
故障したバイクの修理先が、そのバイクを購入したショップではなかった場合も、修理代を通常より高く請求されていないか注意しましょう。
個人や小規模な会社が経営しているバイクショップは、日頃から懇意にしている顧客を重視するのが多い傾向です。新規客や飛び込みで修理依頼する客は軽視されやすく、通常より高い修理代を請求されるケースもあります。
バイクショップが特に嫌うのが、自店舗で購入されていないバイクの持ち込み修理です。
ショップからすると、何かとトラブルが発生しやすいバイクだからこそ、他店で購入したバイクの面倒まで見たくないのが正直なところ。それが改造車や事故車など、新車と比べ素性がよく分からない中古バイクだとなおさらです。
他店で購入したバイクの持ち込み修理には、本来よりも高い修理代を請求するショップが少なくありません。利用者からすると少し理不尽にも感じますが、上記したショップ側の事情も考えれば、ある意味ではやむを得ない扱いともいえます。
購入店以外のショップにしか依頼できない理由があるなら「修理大歓迎」や「他店購入のバイクもOK」と掲示しているショップを探して依頼してください。
これらの文言を提示している以上していないショップと比べれば、平等なサービスをある程度は期待できるでしょう。
ただし、法外な金額や相場からかけ離れ過ぎた修理代の請求は論外です。そういった不当な扱いをされたら、そのショップに依頼するのは直ちに止めましょう。
たとえ修理を引き受けてもらえたとしても、仕上がりに満足できず後悔するのが関の山です。
車種・年式によっては部品調達が難しい
バイクは自動車以上に、さまざまな車種や低年式・高年式の車両が入り乱れた環境を持つ乗り物です。車種・年式によっては修理代が通常よりも高い金額を請求されるケースが少なくありません。
比較的新しい車種や人気が高い車種は、どのショップでも安定した部品供給が行われています。たとえ販売終了になっても一定のニーズがあるので、発売元のバイクメーカーや社外パーツメーカーも部品を販売し続けます。
ところがその一方で、不人気車種や高年式の車種はその例外です。
基本的に高価な純正の部品しか販売されておらず高い費用が必要になりがち。販売終了になると部品供給も徐々に途絶え始めるので、必然的に市場価格も高騰しさらに入手しにくくなります。
人気・不人気を問わずどの車種も販売終了から10年以上経過した段階から、純正部品から中心に市場への部品供給が徐々に滞り始めます。
社外パーツや汎用部品で修理できる内容なら問題ないのですが、車種専用の部品が必要な修理では費用も高くなります。最悪の場合、部品が入手できず修理不能になる恐れも。
入手できない部品をオーダーメイドで作るワンオフ業者による方法もありますが、かかる費用も既製品より高額です。
不人気車種や販売終了から10年以上経過した高年式のバイクに乗るなら、高い修理代が将来必要になる可能性を購入時点で理解しておきましょう。
修理代を抑えるコツ
高い費用になりがちなバイクの修理代、少しでも安く抑えるにはどうすればいいのでしょうか。
まず1つ目のコツは、日頃からメンテナンスを欠かさないこと。
これはバイクだけに限らず自動車も同様ですが、日頃から定期的にメンテナンスしていれば、重大な故障が発生する前に気付けます。早い段階で対処すれば簡単な作業で解決できるので、修理代も抑えられるでしょう。
2つ目は、かかりつけのバイクショップを身近な環境に作っておくこと。
バイクショップから見れば、初めて来店する一見の客よりも日頃から利用してくれる顧客に、より丁寧な接客やサービスを提供するのは当たり前。修理代も同様で顧客に対して、本来の料金から工賃などをサービスして作業してくれるお店もあります。
ですが顧客だからといって必ず、こういった優遇的なサービスを受けられるわけではありません。それでも世間話やバイクの相談を気軽にできる関係を作っておけば、困ったときに助けてもらえる可能性も十分に見込めます。
3つ目は、修理を依頼する段階でこちらの予算を伝えておくこと。
店側としても、依頼者が出せるギリギリの金額を知っていれば、それを超える額を請求しようとはしません。普通に修理してもその金額を超えるようなら、契約前に「その金額では修理は無理です」と断ってきます。
なぜ事前に伝えることで修理代を抑えられるのかというと、予算を伝えておくことで予算の範囲内で使える部品を中心に修理をしてもらえるからです。
ショップ側としては利益につながるので、できるだけ高い修理代を取りたいのが本音。そのため要望を付けずに修理だけ依頼すると、利益率の高い高額な部品を使って修理されてしまうことがあります。
事前に予算を伝えておけば、その予算を超えない程度の修理内容で作業してもらえるので、余分な出費を抑えられるでしょう。
まとめ
何かと高い金額を請求されやすいバイクの修理代にローンが使えるのか?今回はその点に注目して解説しました。まずはそのまとめから。
- ローン会社と提携しているショップなら修理代にローンが使える
- 個人経営のショップほど現金払いのみが基本
- ローン会社と直接契約してお金を借りる方法もある
- 日頃のメンテナンスにより高い修理代を抑えられる
ローンが使えるショップを修理先に選べば、修理依頼と一緒にローンの申し込みも完了でき、簡単な手続きのみで修理できます。
修理代にローンが使えるかはお店選びにかかっているので、今回紹介した「ローンが使えるショップの特徴」を参考に、最寄りで修理先を探してください。
最寄りにローンが使える修理先がなければ、自分で直接ローン会社と契約するのも方法の一つ。そこで借りたお金を使って修理を依頼すれば、現金払いのみのお店でも分割払いにできて安心です。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。