銀行口座を売ると前科がつく?口座売買掲示板の実態と体験談
更新日:
公開日:2018.4.11
口座売買の存在をご存知でしょうか?
ネットの普及により情報が浸透してきたとはいえ、口座売買の意味やどのようなことになるのか知らない方もまだ多くいらっしゃると思います。
今回はそんな口座売買の実態と本当の怖さについてご説明いたします。
この記事の目次
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銀行口座売買の体験談
30代男性
当時私は一人暮らしで、節約しながらもアルバイトをして何とか毎月やりくりしていました。
ですが、ある時出費がかさんでしまい、インターネットで高収入なアルバイトは無いかと探していたところ「今使っていない銀行口座を買い取ります」という情報を見つけ、軽い気持ちで連絡をしてしまいました。
ちょうどその時、両親が私の積み立て用に作ってくれた口座が余っていたので、その口座を売りに出したところ、すぐにお金が2万円が振り込まれました。
その時は「いらない口座って売れるんだな」とのん気な事を考えていました。
それからしばらくして銀行から「口座が犯罪に利用された可能性がある」として口座凍結の通知がきました。
その時は頭が真っ白になりましたが、犯罪をしたのは自分ではないし、その口座はもう既に売ってしまったから自分に責任はない。
と考えそのまま放置しました。
ですが本当に怖かったのはその後です。
売った口座以外の口座もなぜか次々と凍結されていき、新しく口座を開設しようにも受け付けてもらえない状態になってしまいました。
また、アルバイトの給料の振り込みができないと職場の人に言われ、正直に理由を話したところ、その結果、自主退職をとるかたちとなりました。
母親が口座凍結に気付き「なんて事をしたんだ」と泣いてしまったことを今でも覚えています。
もう普通に生活を送るのも厳しくなり、覚悟を決め警察に自主。
最終的に罰金30万円の略式命令で、両親にお金を出してもらい納付しました。
釈放されましたが、私の経歴には前科が付き、おそらくこの先もずっと銀行口座を持つことはできないというのも知りました。
両親には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
体験談の中には、自分以外の家族の口座も売ってしまい、娘が口座を作ることができないと後悔している方もいらっしゃいました。
知らなかった、もしくは安易に考えて行動してしまったとはいえ、その代償はとてつもなく重いものになります。
銀行口座売買とは?銀行口座の利用目的、価格相場、どのような罪に問われるのか
銀行口座売買とは?
口座売買(銀行口座売買)とは自分の銀行口座を他人に売り渡すことをいいます。
口座売買はれっきとした犯罪ですので、絶対に行わないでください。
口座売買を行った場合、口座を買い取った側だけでなく売った側も罪に問われてしまいます。
口座売買を持ちかけてくる手口として、メールや掲示板(サイト)、闇金等が主な手段でしたが、口座売買が犯罪であることが浸透してきた昨今では
「返済用にあなたの銀行口座を預からせていただきます」
「使っていない口座があればそれをお金に換えることもできますよ」
など、巧みな方法で口座売買を持ちかけてくるので注意が必要です。
口座の利用目的はなにか
売り渡された口座は、ほぼ確実に「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」などの犯罪行為に利用されているといってもいいでしょう。
上記の表は2017年の振り込め詐欺など特殊詐欺の被害総額です。
自分の売った口座により390億円ものお金がお年寄りなど多くの人から騙し取られていると言っても過言ではありません。
口座売買の相場価格は
1口座あたりの相場価格は大体2万円~4万円です。
都市銀行だけでなく、地方銀行やゆうちょ銀行、インターネットバンキングの口座なども売買されているのが現状です。
口座売買をした場合、どのような罪に問われるか
口座売買を行った場合、以下のような法的処置がとられます。
1、詐欺罪(刑法246条1項)
・人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
・前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
つまり、口座売買を目的として新たに口座開設した場合や、他人名義や架空名義で口座開設した場合がこの罪に問われ、10年以下の懲役となります。
2、犯罪収益移転防止法
・自分名義の口座を他人に譲渡する行為
・他人名義の口座を譲渡する行為
こちらは1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金となります。
口座を売買すると、以上のように重い罪に問われます。
前科がついてしまうと今後の人生に少なからず影響する事は間違いないでしょう。
罪に問われないケースもある
基本的に銀行の口座売買は犯罪ですが、罪に問われないこともあります。それは以下の2つのケースです。
- 通帳やキャッシュカードが悪用されている事実を知らなかった
- 通帳やキャッシュカードを他人に貸し出す正当な理由がある場合
上記2点の場合は貸し出す側に悪意はなく、また未然に防ぐのが難しいと見なされ罪に問われません。
銀行口座売買が行われる場所とは?
冒頭でも説明した通り、買う側は様々な場所や手口で巧みに口座売買をもちかけてきます。
掲示板や求人サイトなど
お金に関する情報をやり取りする掲示板やコミュニティー、SNS等で口座売買をもちかけてくるパターンです。
- 「グレーな仕事」
- 「すぐにお金が欲しい」
などの書き込みに反応し
- 「いらない口座○万円で買うよ。お金はすぐに振り込むよ。」
- 「休眠口座の再利用」
など、いらない口座もしくは使っていない口座という事を強調し、ネットオークションやフリマ感覚で売買を行うという手段です。
また、以下のような裏バイトの求人を謳いながら口座売買を提案してくるパターンもあります。
- 「10分で○○万円稼げる」
- 「即金高収入」
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闇金
闇金を利用している人に
- 「審査後、融資するのに通帳かキャッシュカードが必要」
- 「預け入れ融資を行うので通帳かキャッシュカードを送ってください」
など一見、口座売買と分からないような内容で騙すパターンです。
もしくは、以下のような切羽詰った状況で売買をもちかけてくるケースもあります。
- 「いらない口座があれば〇万円で買い取るよ」
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大黒屋(口座売買)
質屋の大黒屋とは別にWEB上で活動している業者です。
インターネットで検索すると出てくる詐欺業者で
- 「不用な口座を高価買取中」
- 「レンタル等に利用する」
と記載していますが、そもそも口座売買は犯罪です。
一見クリーンなホームページにも見えますが、絶対に利用してはいけません。
※現在はHPもアクセスできなくなっているようです。
銀行口座売買に巻き込まれる人の特徴と実際の事件例
銀行口座売買に巻き込まれる人の特徴
口座売買が犯罪だと知らない人もまだ多く、オークションやフリマなどの感覚で口座を売ってしまう方も少なくありません。
他にも次のような軽い感覚で口座売買をしてしまうケースが増えています。
- 使っていない口座があったので売った
- すぐにお金が欲しかったので売った
- また新しく口座を作ればいいと思い売った
上記以外にも、闇金でお金を借りている人も切羽詰った状況からか、口座売買に手を染めてしまうというケースも多くあります。
また、最近では中国人やベトナム人などの外国人留学生が生活費や帰国費用を稼ぐために口座売買を行ってしまうというケースが増えてきています。
口座売買の事件例
2015年大阪
インターネットバンキングを悪用し口座を譲り渡す目的で開設したとして大阪府警サイバー犯罪対策課は詐欺と犯罪収益移転防止法違反の容疑で男女4人を逮捕、送検したと発表した。
容疑者は「お金に困って知人に売った」と認めているという。
2017年
日本在住のベトナム人から銀行口座を買い取ったとしてベトナム国籍の無職の容疑者を逮捕。
容疑者が収集した通帳やキャッシューカードは詐欺グループに口座などを供給する「道具屋」に転売されていたとみられる。
口座売買の事件は東京限らず、大阪や福岡など全国各地で検挙されています。
銀行口座売買のQ&A|紛失したキャッシュカードが悪用される?
紛失した通帳やキャッシュカードを使って口座が悪用されていた場合も罪に問われるのでしょうか
残念ですが、罪に問われる可能性が高いです。
というのも口座を売り渡した人が取調べで「紛失した口座を悪用された」
と嘘をつくケースが多いからです。
万が一、通帳やキャッシュカードを紛失してしまったらすぐに銀行の窓口に相談して対応してもらいましょう。
犯罪を未然に防ぐことができれば、刑罰が言い渡されることもありません。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。