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システム金融とは|手口や逮捕事例を紹介!個人事業主・中小社長は要注意

更新日:

公開日:2019.7.22

当記事にはPRが含まれています
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「経営に携わる身として、悪質業者の特徴を事前に知っておきたい!」

企業の代表者や個人事業主など経営に携わる人にとって、資金繰りには細心の注意が欠かせません。特に注意しておきたいのが、悪質業者と呼ばれる存在です。
中でも被害が急増しつつある「システム金融」は、年利800~2000%と法外な利息を請求する極めて悪質な業者として要注意です。

たとえ資金繰りに困っていたり魅力的な金利で誘われたりしても、絶対に使うべきではありません。
悪質業者の間で顧客に関する情報が共有されているため契約してしまうと、一度は逃れられたとしても、今後も被害に遭う可能性がゼロというわけではありません。

この記事では、システム金融による具体的な手口とその対策、甘い誘いに乗らないための方法について徹底的に解説していきます。
被害に遭わないためにも、ぜひ今後の参考にしてください!

この記事はこんな人にオススメ!

  • システム金融の特徴と手口を知りたい人
  • 経営状態が良くなく、資金繰りを検討中の人

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システム金融とは?逮捕事例を紹介

システム金融とは、主に中小企業をターゲットに違法な貸し付けと取り立てを行う金融業者のことです。
大企業や一部上場企業のような大規模な会社は対象とせず、事業や経営状況が思わしくない中小企業の代表や個人事業主を、メインのターゲットに置いている点が最大の特徴です。

あの手この手で巧みにだましつつ、法外な利息を請求し利益を上げる悪徳業者と思ってください。
そのほとんどは貸金業としての登録を行っておらず、無登録業者として活動しています。個人を相手に融資を行うことはほぼなく、あくまでも中小企業や個人事業主の人が注意すべき悪徳業者です。

利息制限法を大きく上回る超高金利を請求

システム金融が貸し付けで設定している金利は、業者ごとでさまざまです。例えば10日で1割(トイチ)、10日で3割(トサン)、1ヶ月で2割以上などが多く見られ、ほぼ確実に利息制限法による上限を大きく上回る違法な金利を使って営業しています。

中には、年利800%や2000%といった超法外な金利で違法な取り立てを行っている業者も見られるほどです。リスクを考えれば、提示される金利の額を問わず、システム金融の利用は避けるべきでしょう。

メールやファクスで融資を持ち掛ける

システム金融は、ターゲットの会社や個人事業主に対しメールやファクス、ダイレクトメールで融資の提案を行い、顧客の獲得をしています。
この際「事業資金の融資」や「即日融資」といった名目や文言を使って勧誘し、資金繰りに困っている人や、すぐにでも資金が必要な人の心をくすぐる言葉巧みな営業を行います。

システム金融がメールやファクスを使って、ターゲットに送付する書類の主な名目や言葉とその特徴を表にまとめたので、以下をご覧ください。
システム金融が用いる
主な名目・言葉
特徴・注意点
「事業・運転資金のお知らせ」など ・中小企業や個人事業主など、金融機関からの融資が受けにくい事業規模であっても簡単に融資が受けられる点を強調してくる
・初回は通常の金利で貸し出し、2回目以降は法外な金利を設定した上で担保として手形・小切手の送付が必須に
「中小企業支援強化資金」など ・審査基準を満たした上で、特別な対象者として選ばれたことを強調してくる
・「期間限定」など期限を設けることで焦らせつつ、契約を迫ってくる
・あたかも公的な支援機関や第三者機関と誤解するような団体名を名乗る
・当初の書類の段階では「年利1%」など割安な数字を提案し、契約の際に法外な利息を設定

手形や小切手を担保に融資を行う

システム金融が行う融資では、貸し手側と借り手側双方による面談は一切行われません。あくまでも、手形や小切手などを郵送させるだけの簡単な取引に終始しています。
一般的なヤミ金融が現金回収であるのに対し、システム金融はこの小切手の回収が前提となっている点が両者の大きな違いであり、注意すべき点といえます。

システム金融の存在する理由と実態

悪徳業者による闇金問題が取り沙汰される中、非常に厳しい取り締まりが当局によって行われ、その対策も年々強化されています。
このため悪徳業者の多くが以前のような表向きだった活動ができず、さらに闇に潜む形で活動せざるを得なくなりました。

その結果誕生した悪徳業者の手口の一つが、今回ご紹介している「システム金融」です。

融資を求める利用者が業者に対して連絡をすると、初めは「かけ直す」などといわれ、大抵逃げられます。
うまく融資の取り決めが交わされた後も、手形や小切手の提供は郵送に限られる上、郵送先も郵便局の局留めで指定されます。さらには電話の連絡先も転送電話で、秘密主義が徹底されています。

これらは全て、当局による取り締まりを巧みに避けるためで、業者の特定は困難といわざるを得ません。

貸付金の交付や決済は主に銀行の当座預金を使って行われます。このため、業者の特定はさらに困難です。
また、電話番号や住所を数ヶ月単位の短期間で変更する業者がとても多く、いざ連絡を取ろうとした段階で、すでに業者は雲隠れしていたというのが大半です。
これらの点が徹底されていることも、業者の実態がいまだあらわにならない大きな要因といえるでしょう。

システム金融の逮捕・摘発事例もある

徹底した秘密主義が貫かれているシステム業者にも、逮捕や摘発へと至った事例が複数あります。過去には複数のヤミ金融業者が単一のグループを作りシステム金融業を営んだことで、「出資法違反(高金利)容疑」で摘発、逮捕という事例にもなりました。

このグループでは、摘発までの7年間でトータル43店舗を運営。約1万4000人の顧客から、それぞれ利息を含め、総額約27億円もの資金を違法な取り立てとして受け取っていたという事実が明らかとなっています。

このように、徹底して秘密を守るためのあらゆる対策を行っているシステム金融であったとしても、摘発や逮捕の手を完璧に逃れることはできないのです。

システム金融以外に横行する詐欺の種類

ヤミ金業者の手口 内容
キャンセル料金融 契約時のキャンセルの申込時にキャンセル料を請求する架空請求詐欺
年金担保金融 主に高齢者を対象に、通帳やキャッシュカード、銀行印を担保にして現金を融資する詐欺
融資詐欺 銀行や金融業者と偽り、「融資には保証金が必要」と迫って保証金をだまし取る詐欺
紹介屋 多重債務などで正規の業者から借り入れできない人を対象に「確実に融資が受けられる所を紹介するから」と誘惑し、法外な紹介料をだまし取る詐欺
整理屋 「低金利で債務を一本化」など甘言を使いつつ、債務整理をすると偽り現金をだまし取る詐欺
押し貸し 一方的に少額を口座に振り込み、高い利息とともに返済を迫る詐欺

システム金融以外にも、さまざまな手口の詐欺行為が横行しています。
こういった手口で詐欺を働く悪徳業者は、流通する顧客情報を元に、過去に一度でもだまされた人や利用したことがある人を集中的に狙ってきます。過去のことだからといって安心せず、再び誘いがあったとしても絶対に利用してはいけません!

システム金融の手口|不渡りを利用した巧妙な罠

利息制限法によって利用者の健全な金融利用が保証されている中、あえて利息制限法を上回る法外なシステム金融を使うメリットは全くありません。

それでもシステム金融の恐ろしさがあまり実感できないという人へ。
ここでは、実際の支払い例をチェックし、どれだけリスクのある存在なのかを実感してみましょう。
どれほど恐ろしいことなのかを知ることが、システム金融を使うことの危うさを実感する上で大切なのです。

システム金融の一般的な手口

システム金融が用いる一般的な手口を説明する一例として、「50万円の借り入れに対して額面25万円の手形・小切手を3枚振り出させ徴収することで、差し引き分を利息として請求する」というものがあります。

その具体的な流れは、以下の表をご覧ください。
借り入れの流れ 借り入れの具体額
1 額面25万円の手形・小切手を満期が1週間後(A)、2週間後(B)、3週間後(C)として3枚振り出した後、業者の指定先へ送付することで現金50万円の融資契約をシステム金融業者と結ぶ 現金50万円を得る代わりに、総額75万円分(額面25万円×3枚)の手形・小切手の振り出しを強制される
2 1週間後の満期を迎えた手形・小切手A分の25万円の返済が請求される 50万円ー25万円=25万円の借入残高
3 2週間後の満期を迎えた手形・小切手B分の25万円の返済が請求される 25万円ー25万円=0円の借入残高
4 3週間後の満期を迎えた手形・小切手C分の25万円の返済が請求される 0円ー25万円=25万円の負債(実質的な利息)

この例では、25万円を貸し出してから3週間後までの21日間および2週間後までの14日間のそれぞれで、25万円が利息として運用されたということです。
したがって、金利は年1042.85%もの法外な数値となり、違法な貸し付けであることは明らかでしょう。

担保の手形や小切手で不渡りを出せば倒産の危機

システム金融では従来の闇金とは異なり、現金ではなく手形や小切手を回収手段としています。手形や小切手を回収することで、現金で回収するよりも利用者に対し不渡りや倒産といった、より強いプレッシャーを与えることができます。

対して利用者側は、事業を何とか継続すべく不渡りや倒産をさせないよう努力するため、結果として「法外でも返さなくてはいけない」と諦めなければなりません。
なぜなら手形や小切手は、半年間で2回不渡りを出した段階で銀行との取引停止に追い込まれ、こうなると倒産は不可避となるからです。

一度回した手形の返還は困難

司法書士や弁護士など法律の専門家を介入させた粘り強い交渉を行えば、振り出した手形や小切手の返還に渋々応じる業者もあります。
しかし、大半の業者が返還には応じず、手形や小切手をさらに回す業者もあることから、業者以上に高度な知識や経験が求められます。

手形法や小切手法に対する知識はもちろん、手形交換所の規則に関する知識など幅広いノウハウが欠かせません。
これらが一つでも欠けてしまうと、一度回した手形や小切手の回収はほぼ困難と思ってください。

なぜシステム金融のターゲットになるのか

規制や取り締まりがますます厳しくなる中、なぜ悪徳業者とされるシステム金融に個人情報が流れてしまうのでしょうか?
その理由を知っておけば、悪徳業者による被害を未然に防げるかもしれません。

システム金融同士で顧客情報を共有している

システム業者をはじめとする悪徳業者の多くが、業者間で情報を共有しているという実態があります。
例えば、別々の業者に属する仲間や知り合い同士で、顧客に関する情報を共有することで利用者を勧誘したり、追い込んだりして常に活動を行っているのです。

このため、一度でもこういった業者による勧誘を受けた経験がある人は、今後も必ず同様の勧誘を受けると思っておきましょう。
そして、システム金融の餌食とならないよう、たった1回でも絶対に利用しないことが大切です。

システム金融の被害に遭わないために|3つのポイントを心がけよう

一度でもシステム金融の誘いに乗ってしまったなら、そこからはまさに地獄ともいえる日々が待っているといっても、決して過言ではありません。
そうならないよう日頃からの心がけや対策を実践しておくだけでも、リスクは十分に回避できます。

ここでは、誘いに乗らないために押さえておきたい3つのポイントを詳しく解説します。

1:利用する前に信頼できる相手に相談

家族をはじめ、身近に信頼できる友人や知人、もしくは接点がある弁護士などがいれば必ず相談してください。

事業を経営している人で状況が思わしくない人ほど、焦りや不安から冷静な判断ができなくなりがちです。
支払いに追われた結果、「何とかしてでも返済しなくては!」という焦りから、甘言で誘ってくるシステム金融のわなにはまってしまうことも十分に考えられます。
こうならないためにも、事業や支払いに関して悩みがあるようなら、必ず信頼できる身近な人に相談してください。第三者による冷静なアドバイスから、意外な解決法が見つかるかもしれません。

2:簡単な話には裏があると警戒する

システム金融は、対面することが一度もないまま、メールやファクスなどを使って突然融資話を持ちかけてきます。これは決して一般的な行為ではなく、むしろ異常な行為です。

日頃から「簡単にお金を貸してくれるような良心的な方法はない」という警戒心を少し持っておくだけでも、悪徳業者に引っかかるリスクは十分に避けられます。
あるいは、日頃から「詐欺や悪質な業者が存在するのだ」ということを意識しておくことも必要です。

3:システム金融の特徴を知っておく

システム金融が用いる代表的な特徴を覚えておくだけでも、そういった業者の回避につながります。それらのポイントをまとめましたので、以下をご覧ください。

  • 契約の際などに会社へ呼びたがらない(会社が実在していないため)
  • 融資には無関係な書類を書かされる
  • 契約書の控えを渡さない
  • どれだけ要求しても見積もりを出さない
  • 振込先などの口座名義が個人名、別会社、もしくは手渡し
  • 精算時に領収証をくれない

これらのポイントは、いずれも正規の業者なら絶対に行わないことばかりです。
これらに該当する行為を一つでも行う業者であれば、悪質な業者と判断していいでしょう。あるいは、悪質な業者ではなかったとしても、やましい部分がある故の行為であることから、利用は避けるべきです。

まとめ|システム金融は絶対に利用しないこと!

さまざまな詐欺が横行する中、近年急増している新手の手口の一つ「システム金融」について、今回は徹底的に解説しました。

中小企業の大業者の方や個人事業主の方ほど、システム金融業者に狙われやすい存在です。被害に遭わないためにも、悪徳業者の特徴や手口、そしてリスクについて日頃から見知っておくことをおすすめします。

システム金融の手口は、いずれも通常の金融取引では絶対に行われないものばかりです。
明らかにおかしい対応や要求をしてくる業者とは、できるだけ関わらないよう、安易に利用しないようくれぐれも注意してください。

日頃からの皆さんの意識一つで、システム金融による被害は確実に避けられます!

※記載されている内容は2024年9月現在のものです。

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