紹介屋とは|詐欺の手口と違法業者の見分け方
更新日:
公開日:2019.7.23
「融資をしてくれる業者を紹介します!」
こんな言葉に、つい「利用してみようかな?」と思った経験はありませんか?実はこれ、「紹介屋」と呼ばれる悪徳な業者が使う代表的な決まり文句の一つ。
こういった、一見すると親切な言葉をかけてくる業者ほど、決して信じてはいけない存在として日頃から疑ってみる必要があります。
ここでは、紹介屋を信じてはいけない理由を、被害の予防策と被害に遭った場合の対処法とともに、詳しく紹介していきます。
この記事はこんな人にオススメ!
- 紹介屋の特徴や手口を知りたい人
- 悪徳業者による被害を予防したい人
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紹介屋とは?手口や違法性について
紹介屋とは、お金を借りたいけれど金融機関で借りられない人に対して、「この業者なら必ずお金を貸してくれますよ」などと他の業者を紹介し、その対価として法外な紹介料を請求する詐欺業者のこと。
金融機関からお金を借りられない人にとって、思わず利用したくなるような甘い言葉をかけてくることが多く、絶対に利用してはいけない悪徳な業者です。
「貸してくれる業者を紹介します」が紹介屋の決まり文句
通常、紹介屋は表向き貸金業者を装っていることが多く、「低金利」や「即日融資」など、お金を借りたい人が思わず目を引き付けられるような魅力的な条件を前面に押し出しているケースが大半です。
こういった業者に対して利用希望者が借り入れを申し込むと、すぐさま「審査の結果、当社では融資できません。ですが貸してくれる業者を知っており、事前にこちらで話をつけておくので、そちらを紹介します」などの言葉で誘導してきます。実際にはそこで指定された業者と紹介屋とは全く無関係であり、根回しや口利きは一切行われていません。
万が一にも、利用者が紹介された業者に連絡した際に口利きの話がうそであると発覚しないよう、「口利きしている件が業者側に知られると、融資の話自体がなくなってしまう」といった、脅しとも取れる言葉で口止めをしてくることがあります。
要するに、紹介屋は事前に対象の個人情報などを確認し、「どの業者なら審査に通るか」ある程度の目星を付けた上で勧誘時に業者名を挙げているだけであり、そこには口利きの事実は全くないのです。
そんな事実を一切知らない利用者は、紹介屋による口利きがあると信じ、連絡時に指定された貸金業者へ融資を申し込みます。
その後無事審査に合格できたとしても、それが自力によるものとはつゆ知らず、「紹介屋の口利きのおかげだ」と誤解してしまうというわけです。結果、本来なら不要な紹介料を余計に支払う羽目に……。
紹介先が闇金業者のことも
紹介屋による手口は、無関係な業者のみを紹介するものだけではありません。中には結託している闇金業者へ誘導を図る紹介屋もあり、こちらは特に要注意です。
昨今の闇金は、多くの人がイメージするような強引な勧誘はほぼなく、最初はとても優しく丁寧に接してきます。
こういった闇金のイメージとかけ離れた丁寧・優しい対応をしてくる業者のことを「ソフト闇金」とも呼びます。
その懇切丁寧な接し方にうっかりだまされてしまい、相手を闇金業者と気付けないまま利用してしまう人は意外に多いのです。
たとえ見た目や対応が優しくとも、その実体は貸金業の登録を行っていない・法外な利息を請求するなど闇金に他なりません。
こういった業者を利用してしまうと、たちどころに法外な紹介料や利息に苦しむことになるので、くれぐれも注意してください。
弁護士・司法書士と結託している場合もある
「審査をしたところ、どこからも融資は受けられそうにない。これならいっそのこと、債務整理をした方がいい」などの言葉とともに、弁護士や司法書士を紹介してくるパターンもあります。
これは「整理屋」とも呼ばれる手口です。
この紹介先となる弁護士や司法書士は、紹介屋と結託している悪徳な存在。紹介屋から利用者を紹介される代わりに、紹介された人数に応じて報酬を支払うという契約を結んだ上で、両者は結託しています。
弁護士や司法書士といえば、本来であれば紹介屋による被害に遭った際にも心強い味方となってくれる存在です。
ところが中にはこういった犯罪行為に加担している人物もいるため、弁護士や司法書士だからといわれて無条件に信じてはいけない、ということを肝に銘じておいてください。
借りたお金が全額だまし取られてしまうことまである!?
紹介料を取った上で、さらに融資先の業者を装いながら「あなたが紹介屋を利用したことが判明している。これは契約違反に該当するので、ただちに融資したお金を返金するように」などと脅迫し、借入金をだまし取る手口があることも判明しています。
紹介屋を利用した自覚がある人ほど信憑性を感じやすい話のため、しっかりと確認しないまま安易に信じてしまうことも十分に考えられます。
万が一、こういった手口にひっかかってしまうと、借りたお金は一銭も残らず、返済の義務だけが残ってしまうことになります。
多重債務者・借入初心者は特に注意!
紹介屋の主なターゲットは、ずばり多重債務者です。
多重債務者は、そうでない人と比べ一般的な金融機関や業者から融資を受けることが困難です。また、当の本人もそれを強く自覚しているケースが大半でしょう。
そのため、違法な業者とは分かっていても「融資できますよ」という甘い言葉にあらがえず、飛びついてしまう人が後を絶ちません。
借金や金融商品についてあまり詳しくない初心者の人ほど、「わざわざ他の業者に口利きしてくれた」という申し訳なさから紹介屋を信用しやすく、結果的に高額な手数料を払ってしまう場合があります。
中には、だまされていること自体に最後まで気付けない人もいるほどです。
紹介すること自体は違法ではない
悪徳業者である紹介屋の問題は、あくまでも「貸金業者として登録していない」「法律で定められた割合(貸借する金額の5%以下)を超えた紹介料を取っている」ことにあります。
したがって、貸金業者として国や地方自治体の許認可を受けた業者が、法律で認められた範囲内で紹介料を取った上で融資先を紹介すること自体は、合法なのです。
「融資先を紹介された=違法」と思いがちですが、その詳細によってはあくまでも法律にのっとったものであるケースも存在します。
こうした間違いを犯さないためにも、「怪しい!」と思ったら、まずは以下の点をご確認ください。
- 国や自治体から貸金業の登録を受けた業者であるかどうか
- 請求された紹介料が融資額の5%を超えていないか
紹介屋の見分け方!注意点とは
ここでは、違法業者に多く見られる手口や特徴を紹介していきます。これらのいずれかが見られた場合、悪徳業者の可能性が高いので十分に注意してください。
「他の業者を紹介します」といわれたら確実に詐欺業者
「『貸してくれる業者を紹介します』が紹介屋の決まり文句」の項目でも解説した通り、「自社では融資できないが、代わりの業者を紹介します」といった文言で誘ってくるのが、紹介屋の代表的な手口です。
「他の業者を紹介する」といってきた段階で、詐欺業者と判断し利用は絶対に避けてください。
不自然なほどの好条件で融資を誘ってくる
紹介屋が勧誘方法として使っているものは、雑誌広告やチラシ、メールやネットなど多岐にわたります。
「どなたにでも○○円まで貸します」「失業中の人もOK」「審査なしで融資可能」といった破格ともいえる条件で融資をうたっている場合、その業者はほぼ間違いなく違法な業者と考えていいでしょう。
なぜなら、まっとうな業者ほど、返済能力の有無が分からない人や失業中で定収入がない人にお金を貸すことはありません。まして、審査なしで融資を行うことは、絶対にないからです。
債務整理をしつこく勧めてくる
「あなたの条件では融資が受けられないので、債務整理をするべき」など、自社では融資しないにもかかわらず執拗に債務整理を迫ってくる場合、それは弁護士や司法書士と結託した整理屋や回収屋の可能性があります。
整理屋や紹介屋といった悪徳な業者と契約している弁護士や司法書士ほど、通常よりも過大な報酬を請求してきたり、利用者が求めていない任意整理を強引に押しつけてきたりします。
このように問題の拡大化を図ることで、素人では判断できない自体に陥っていると錯覚させるわけです。
これとあわせて「弁護士は不在なので、代わりに当社の事務職員が対応する」など、弁護士本人と直接面談できない場合は特に注意が必要です。
紹介屋とともに、整理屋についても詳しく知っておきたいという人は、別記事「悪質業者「整理屋」の手口|本物の弁護士が絡んでいる可能性も」もぜひご覧ください。
広告に携帯電話の番号を記載している
貸金業者の登録には、固定電話の番号が必須です。例えば、広告などに記載する電話番号も、固定電話のみと貸金業法に定められています。
つまり、広告への携帯電話番号のみの記載や固定電話と携帯電話の番号の併記は、法律では認められていないのです。
そのため、広告に携帯電話の番号を記載している業者は、全て貸金業登録していない違法な業者(俗にいう090金融など)と断定して問題ありません。
早く借り入れするよう急かしてくる
「今のこのタイミングを逃すと、二度と借りられません!」など契約を迫ってくる業者もあり、これは利用者側に考える時間や隙を与えないための手口です。
しきりに急かしてきたり契約を迫ってきたりするようであれば、その場ですぐに回答せず一度時間を置くなどし、まずは頭を落ち着かせましょう。
紹介屋の被害に遭ってしまった時の対処法
相手がまっとうな貸金業者かどうかあらかじめ確認することが、被害を防ぐ一番の対策です。
ただし、全てのケースで事前に見抜けるわけではありません。
万が一にも紹介屋による被害を被ってしまった場合にとるべき対処法について、詳しくご紹介していきます。
紹介料は払わないで!まずは弁護士に相談しよう
業者による「融資額の5%を超える手数料の請求」は違法です。もし、それ以上の金額を手数料の名目で請求されたのであれば、払う必要はありません。
「断りたいのに、強引に契約を迫られている」や「法外な紹介料の請求が届き困っている」など、紹介屋に対してお金を振り込む前の段階であれば、弁護士や司法書士など専門家への相談がおすすめです。
紹介屋をはじめとした悪徳な業者は、自分たちがあくまでも違法な存在であり、行っている行為が全て違法であることを重々承知しています。そのため、利用者が警察や専門家に頼ることを最も嫌うのです。
したがって、こちらが法律の専門家である弁護士や司法書士を代理人として立てることで、彼らに手を引かせることを十分に見込めます。
ただし、弁護士だからといって誰でもいいというわけではありません。
弁護士も、法律や依頼案件に応じた得意分野と苦手な分野を持っています。今回のケースでは、特に闇金問題や金融トラブルで実績があることをうたっている弁護士を率先して選びましょう。
お金を振り込んでしまった場合はすぐに警察や金融機関へ連絡を
紹介屋から請求された紹介料などをすでに支払ってしまった場合、すぐに最寄りの警察と、振込元や振込先の金融機関に連絡してください。
振込依頼したお金が振込指定先の口座からまだ出金されていないようであれば、連絡することで口座を凍結してもらうことができ、お金を取り戻せる可能性があります。
一方で、業者側もこうした通報によるリスクを承知しており、逐一振込状況をチェックし、入金が確認でき次第出金手続きを行っています。
その後、すぐに行方をくらませるケースが大半で、こうなるとお金を取り戻すことが困難です。
被害に気づいた段階で、時間を問わずすぐにでも警察・金融機関へ連絡してください。
まとめ|知識さえあれば紹介屋の被害は未然に防げる
紹介屋は、基本的な手口を中心にあの手この手で巧みに勧誘を行っており、これを全て素人判断で避けるのは至難の業です。
ただし、紹介屋は必ず「審査なしでOK」や「無職でも借りられる」など、通常ではちょっと考えられないような破格の条件で勧誘しているケースが大半。「おいしい話なんてそうそうない」と考え、事前にしっかりと知識を備えておけば、被害は十分防げます。
今回ご紹介した知識や方法を活用し、悪徳な業者にはだまされない利用者になってください!
※記載されている内容は2024年4月現在のものです。