妊娠検査は健康保険の適用外!初診が保険適用されるケースとは?
公開日:
もしかして妊娠したかも……。
産婦人科で妊娠検査を受ける場合の初診料はどのくらいかかるのでしょうか?産婦人科の初診料は数千~2万円程度と、病院によって金額が大きく異なります。
原則として妊娠検査は保険適用されないので、「思った以上に高い」と感じる人が多いようです。しかし、状況によっては初診でも保険が適用されることもあります。
どうして妊娠検査は保険適用されないのでしょうか?どのような状況なら初診で保険適用されるのでしょうか?
保険適用されるとされないとでは金額が大きく違ってくるので、そのあたりの事情もチェックしておきましょう。
この記事が、これから妊娠検査を受けようと考えている人の参考になれば幸いです。
この記事の目次
【PR】今すぐ10万円を借りたいならココ!
- 20~35歳の方におすすめ
- 36~60代の方におすすめ
妊娠したかも……産婦人科の初診までに何を準備しておけばいい?
初めての妊娠で産婦人科を受診するときはかなり緊張します。内診があるかもしれないと考えると、初診を受けるのもためらってしまいます。
できるだけスムーズ検査を済ませるためには、どのような準備をしておけばいいでしょうか?
まずは初診の予約を
産婦人科の診察は予約制になっていることが多いので、まずは初診の予約をしましょう。
初診で妊娠の診断を受けると、出産の予約をするか尋ねられる場合があります。病院によってはかなり早い段階で出産の予約が埋まってしまうので、できれば出産を希望する病院で初診の予約をしておくのがおすすめです。
しかし、生理が遅れているからといってあまりに早いうちに初診の予約をしてしまうと、妊娠検査で正しい診断ができないことがあります。
せっかく妊娠検査を受けても、初診で妊娠を確認できなければ再度妊娠検査を受けなければなりません。
妊娠をしっかり確認できる時期まで待ってから初診を受けることをおすすめします。目安は、生理予定日から1、2週間ほどたった頃と考えてください。
初診時に必要な持ち物は?
基本的には、初診時は健康保険証とお金があれば大丈夫です。妊娠検査は保険適用されないので、お金は少し多めに持っていくといいでしょう。
クレジットカードは病院によっては利用できないこともあるので、注意してください。
その他、初診時に持って行った方がいいものとして、下記があります。
- ナプキン(出血してしまうことがある)
- 基礎体温表
- お薬手帳
- 筆記用具
- 暇つぶしできるもの(本など)
- 体を冷やさないためのブランケット
妊娠検査や妊婦検診の際にはスカートを着用していくことをおすすめします。下着の着脱が楽で、内診もしやすいからです。
妊娠検査は健康保険が適用されない
原則として、妊娠したかどうか診断する妊娠検査は保険適用されません。
健康保険は、病気やけがの治療に適用される制度だからです。妊娠や出産は病気やけがではないので、産婦人科の初診では保険適用されず、全額自己負担となります。
ただし、妊娠検査で保険適用されなくても、妊婦検診を受ける際には必ず健康保険証を持参してください。
保険適用されないのにどうして健康保険証が必要なのかというと、もし妊娠検査で何らかの異常が見つかれば保険適用されるケースがあるからです。そのため、病院の受付窓口でも必ず健康保険証の提示を求められます。
健康保険証を持たずに診察を受けた場合は、保険適用されるケースであっても全額自己負担しなければなりません。
いったん全額自己負担したとしても、後日健康保険証を提示すれば差額は払い戻してもらえますが、払い戻し手続きは病院にとって手間がかかります。妊娠検査や妊婦検診を受ける際には、必ず健康保険証を持っていきましょう。
妊娠検査の初診料の相場はどのくらい?
病院によって妊娠検査の初診料は大きく異なります。5,000円程度で済むケースもあれば、1万5,000円以上かかることもあります。
同じ妊娠検査なのに、料金にこんなに大きな開きが出てしまうのはどうしてでしょうか?
妊娠検査の初診料は病院によって異なる
妊婦検診の初診料は、検診を受ける病院や検査の内容によって異なり、5,000~1万円程度に設定されていることが多いです。
保険適用されない診療は病院が自由に料金を設定できるので、同じ診療を受けても病院ごとに料金は異なります。妊娠検査の検査内容も、病院によって少しずつ違います。
健康保険が適用されず、妊婦検診で毎回それくらいのお金がかかるとなると、金銭的な負担が大きいと感じる人も多いでしょう。
そこで、妊娠していると診断されたらできるだけ早く市町村役場に行って、妊娠届出書を提出してください。
妊娠届出書を提出すると、母子手帳がもらえます。母子手帳には別冊で妊婦健康診査受診票が付いてくるので、次回の検診からは母子手帳とともに提出しましょう。
これにより自治体からの助成を受けられ、検診費用はぐっと安くなります。ほとんどの場合、検診の費用は5,000円以下で済むので安心してください。
妊娠検査の内容は?
妊娠検査薬でチェックすれば、妊娠しているかどうかは判定できます。
しかし、
- 正常妊娠かどうか
- 出産予定日はいつか
- 母体が健康であるか
など、病院で正式な妊娠検査を受けないと分からないことはたくさんあります。
妊娠検査の初診ではどのような検査を行うのでしょうか?
妊娠検査の初診では、下記などが行われます。
- 問診
- 検査(尿検査・血液検査・血圧測定・体重測定など)
- エコー(経腟超音波診断)
- 内診
- 検査結果の説明
問診 |
最終生理の開始日・普段の生理周期 過去の妊娠・出産歴 過去にかかった病気、アレルギーの有無、現在の服薬状況 現在の体調 などを聞かれる |
---|---|
検査 |
尿検査 血液検査 血圧検査 などが行われる |
エコー | 初診時は、経腟プローブ(棒状の測定器)を膣の中に入れて胎児や卵巣の診察をするのが一般的 |
内診 | 医師が直接膣の中に指を入れて、子宮や卵巣の様子を確認する |
検査結果の説明 |
出産予定日 赤ちゃんの様子 妊娠生活を送る上での注意点 などについて説明を受ける |
経腟エコーや内診があるかと思うと憂鬱(ゆううつ)になりますが、どちらも母子の健康のために欠かせない診察です。どうしても不安な場合は、病院のスタッフや医師にその旨を伝えるといいでしょう。
妊娠検査で健康保険が適用されるのはどんなとき?
妊娠は病気ではないので、原則として健康保険は適用されません。どのようなときに健康保険が適用されるのでしょうか?
医療措置が必要になったとき
- 妊娠検査で異常が見つかった
- 婦人科系の持病があって治療中
などで医療措置が必要な場合は、妊娠検査に健康保険が適用されます。
- 妊娠高血圧症候群
- 切迫流産・切迫早産
- 前置胎盤かどうか調べるための超音波検査
などは保険適用の対象ですし、
- 不正出血
- つわり
- 貧血
これらの症状があれば、健康保険が適用される可能性が高いです。
初診では健康保険が適用されることもある
妊娠検査薬では陽性反応が出たのに、病院の妊娠検査で胎嚢(たいのう)や心拍の確認ができないことがあります。
胎嚢や心拍が確認できないと、正常に妊娠しているとは診断できません。もし子宮外妊娠や流産などの疑いがあると判断されれば、初診が健康保険の対象になる可能性があるでしょう。
ただし、妊娠検査に健康保険を適用するかどうかは病院によって、また妊婦さんの状況によって異なります。
妊婦検診の負担を抑えるために知っておきたいこと
妊娠検診や妊婦検診は保険適用されませんので、定期的に検診を受けると出費もバカになりません。妊婦検診の負担を抑えたいなら、公的制度を上手に活用しましょう。
母子手帳の「妊婦健康診査受診票」を活用する
妊娠していると診断されたら、早めに市区町村役場で母子手帳をもらいましょう。次回の検診以降は、母子手帳についている妊婦健康診査受診票を提出すると、検診費用の助成を受けられます。
妊婦検診は原則として保険適用されないので、全額自己負担しなければなりません。しかし、妊婦健康診査受診票を利用すれば、妊婦検診費用は無料、あるいは一部支払うだけで済みます。
一般的な問診や診察だけではなく、子宮頸(けい)がん検診や性病検査などもしてもらえます。
自治体によっては、歯科検診費用を助成してくれたり、赤ちゃんが生まれたら乳児健診費用を助成してくれたりするとのことです。
妊婦健康診査受診票はしっかり活用しましょう。
妊娠トラブルで長期入院したら「高額療養費制度」を利用する
妊娠中は、原則として初診から全額自己負担です。ただし、重度のつわりや切迫流産・切迫早産など、異常がある場合の診察や入院に関しては健康保険が適用されます。
しかし入院が長期に及べば、たとえ健康保険が適用されても支払い負担はかなり大きくなってしまいます。そのようなときには「高額療養費制度」を利用してください。
高額療養費制度とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が一定の金額を超えた場合に、超過分を返還してもらえる制度です。
以前は、いったん病院の窓口で自己負担額全額を支払ってからでないと、差額の医療費の返還手続きを行うことができませんでした。
現在は、事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、一定の金額のみを支払うだけで済みます。
入院が長引きそうなら、
- 国民健康保険に加入している人は市区町村役場
- 社会保険に加入している人は会社の担当部署
に申請して、限度額適用認定証を発行してもらいましょう。
つわりや切迫流産も対象になる「傷病手当金」
「傷病手当金」は、業務に関係しない病気やけがで仕事を休まなければならなくなったときに申請できる制度です。
つわりや切迫流産、妊娠高血圧症などで医師から安静を言い渡されて仕事を休む場合でも、「傷病手当金」がもらえるケースがあります。
- 妊娠に伴う症状で、連続する3日を含む4日以上欠勤している
- 勤務先の健康保険に加入している
- 業務に携われないと医師が判断した
- 休業中に傷病手当金よりも高い給料をもらっていない
この条件を満たしていれば、連続して休んだ3日間の翌日から、給料の3分の2の金額を最大1年6ヶ月間受け取れます。雇用形態や勤続年数は問われません。
妊婦検診を住んでいる自治体以外で受ける場合は「償還払い」で
- 初診時に妊娠していることが判明したら市区町村役場で母子手帳をもらう
- 母子手帳についてくる妊婦健康診査受診票を活用すれば妊婦検診の費用の負担は小さくなる
ただし、妊婦健康診査受診票を利用できるのは、市区町村が契約をしている医療機関だけです。通常は、住んでいる市区町村とその周辺にある病院に限定されます。
しかし、里帰り出産など、住まいのある自治体以外の病院でも妊婦検診を受けるという人もいるでしょう。せっかくもらった妊婦健康診査受診票が、実家の近くの病院では利用できないケースが出てくるのです。
自治体が契約している以外の病院で妊婦検診を受けるなら、「償還払い制度」を利用してください。
里帰りしてから受けた妊婦検診にかかる費用をいったん医療機関の窓口で支払い、後日必要書類を提出して市区町村に申請するのです。そうすれば、本来助成してもらえるはずの金額を口座に振り込んでもらえます。
里帰り先の病院で妊婦検診を受ける場合は、必ず提出用の書類に記載してもらい、領収書や明細書もきちんと保管しておきましょう。
確定申告の「医療費控除」を利用する
年間にかかった医療費が10万円を超えた場合には、確定申告の医療費控除の申告をすれば還付金が戻ってくる可能性があります。
ただし、医療費控除できるのは、治療に関係ある費用に限定されるので注意してください。
医療費の対象となる費用 |
妊婦検診の費用 通院・入退院時の交通費 緊急時のタクシー代 入院費用 分娩費用 赤ちゃんの入院費用 不妊治療費 など |
---|---|
医療費の対象とならない費用 |
妊娠検査薬 車通院のガソリン代 入院用のパジャマ・洗面用品等 入院時の差額ベッド代 里帰り出産時の交通費 赤ちゃんのミルク代・おむつ代 など |
確定申告の医療費控除まではしていなかったという場合でも、過去5年までさかのぼって申告できます。
払い過ぎたものをそのままにしておくのはもったいないので、諦めずに申告してください。
まとめ
「妊娠検査や妊婦検診は保険適用の対象外でお金がかかる」という理由で、検診を受けないままの人もいるといいます。
しかし、妊婦検診を受けずに出産を迎えてしまうと、母体や赤ちゃんのこれまでの状態が全く分かりません。そのような状況では、病院側が対応できずに受け入れ拒否してしまう可能性もあります。
せっかく検診をサポートする制度もあるので、妊娠したかな?と思ったら、まずは病院で妊娠検査の初診を受けてください。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。