実質年率と金利はどう違うの?シミュレーションで分かりやすく解説!
更新日:
公開日:2018.9.12
カードローンやクレジットカードの返済方法の説明でよく目にする「実質年率」(じっしつねんりつ)や「金利」(きんり)といった言葉があります。一体どういう意味?どう違うの?と疑問をお持ちの方は少なくありません。
「実質年率」と「金利」をしっかりと比較するためにも、シミュレーションでわかりやすく、それぞれの計算方法を説明していきます。
この記事の目次
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そもそも金利って何?を分かりやすく解説
「金利」ってよく聞くけどわからない、という方のために分かりやすく解説していきます。
金利とは、お金を借りる時に借りたお金に対して支払う料金のことで、この金利を1年分に計算したものが年利(年率)となります。
利息とは何?金利と利息の違い
金利とは、お金を借りる時に借りたお金に対して支払う料金であると説明しました。
利子も利息も同じ意味で使われることが多い言葉です。一般的にはお金を借りた時のお礼が利子、お金を貸した時にもらうお礼が利息として説明されることが多いです。
【例】
利子は借りたものに対して払うお礼。「住宅ローンの利子を払う」
利息は貸したものに対して貰うお礼。「銀行預金の利息を貰う」
利息は実際に支払う利用料を「◯◯円」といったように金額で表し、「◯万円を金利◯%で◯日間借りたら、支払う利息は◯円」という表現になります。
実質年率とは?金利とどう違うの?
金利とは、お金を借りる時に借りたお金に対して支払う料金であると説明しました。
金利は借りた金額に対して債権者(カードローン会社)が債務者(借りた本人)から定期的に定められた割合(金利)で受け取るお金のことを指します。
ではカードローンの返済の説明でよく見かける「実質年率」とは何なのでしょう?実質年率とは、保証会社に保証を委託する際の保証料や事務手数料を含んだ利息のことです。
貸金業法という法律で、お金を借りる際に必要な経費を金利の中に含めて表示しなければならないと義務付けられています。
本来、金利のみを表記するのであれば「年率〇%」と表記するだけで良いのですが、貸金業法に利用手数料などを含めないといけないと定められていることで、カードローン会社などで実質年率という形で金利を設定しています。
簡単な利息の計算方法
1年間の利息は、元本×年利という単純な計算式で計算することができます。例えば、100万円を1年間年利15%で借りた場合、100万×15%=15万で、一年間の利息は15万円と解ります。
つまり元金100万円と利息分15万円の合計115万円を支払うという計算になります。
しかし実際にカードローンを利用した場合には、「1年間借り続けて1年後に利息分と合わせて返済」という返済方法はあまりしませんので、毎月元本分と利息分を合わせた金額を返済していくことになります。
具体的な支払利息額が知りたい!いう場合には、カードローンのサイトなどで提供されている返済シミュレーションを利用すると分かりやすく利息の計算ができるので是非利用してみましょう。
実質年率がないと、お金を借りる時のコストが見えにくい
実質年率とは、保証会社に保証を委託する際の保証料や事務手数料を含んだ利息であるというのはわかりました。
実質年率は、「○○%~○○%」と表示するように法律上で定められています。なぜ、法律上で表示を定められているかというと、そうでないとお金を借りるコストを消費者が正確に把握できず、利用に際して不安が残るからです。
カードローン会社によっては、カードローンの月々の返済額に、元金+利息だけではなく、手数料や保証料なども入れられています。それらの諸費用も「利息」に含めて計算したものが「実質年率」です。
実質年率による金利の計算方法
金融会社の表示する、金利=実質年率です。あまり難しく考える必要は無く、「実質年率とは年間の利率に手数料や保証料を含め、数字にしたもの」と理解しましょう。
1年間に生じる利息を計算するための材料と思ってもらって大丈夫です。
材料である「実質年率=金利」を使って、借入残高×金利で「1年分の金利」、1年分の金利を、365で割ることで「1日分の金利」、1日分の金利に1ヶ月の日数を掛けることで「1ヶ月分の金利」などを求めることができます。
例)カードローン会社で10万円を借りた場合の利息総額(金利17%、1年を365日、1ヶ月を30日で計算)
借入残高×金利(%)÷365(年間日数)×1ヶ月の日数
この計算式に代入していきます。借入残高は10万円、金利は17%ですので数字に直して0.17。1ヶ月の日数は、30日とします。
100,000×0.17÷360×30=1,416,66667
よって、1ヶ月で発生する利息が、約1417円だと分かりました。
シミュレーションを活用しよう
では実際にお金を借りよう!と考えてしまいますが、「完済までの期間(支払回数)」「月々の支払額」「支払う手数料の総額」などを事前にシミュレーションしておくことが大切です。
銀行やカードローン会社のなかには、ホームページにシミュレーションのコーナーを設けている会社もあります。シミュレーションしてみるとわかりますが、借入額が減るに従って、払う利息も小さくなるのが、実質年率方式の特徴です。
実質年率15%でお金を借りたときの利息一覧
それでは実質年率15%でお金を借りた場合には毎月の利払いで見たらいくらくらいになるのか利息を見てみましょう。
1万円・・・利息120円(1日当たり4円)
5万円・・・利息600円(1日当たり20円)
10万円・・・利息1,200円(1日当たり40円)
30万円・・・利息3,600円(1日当たり120円)
50万円・・・利息6,000円(1日当たり200円)
100万円・・・利息12,000円(1日当たり400円)
この様な利息になります。この利息の金額を小さいと思うか、大きいと思うかは人それぞれですが、1万円を借りた場合1日の利息が4円といのは高いと思いませんか?
もし1日でも早く実質年率15%で借りているお金を繰り上げ返済(前倒し返済)ができれば、その分だけの利息を小さくすることができます。
手元にお金が無くお金を借入れることになった場合でも出来るだけ早く返済をすることをおすすめします。
利用する前に必ずシミュレーションを!
実質年率15%でお金を借り入れた場合の利息の計算方法や実際のシミュレーションをご紹介してきました。
計算式を見るだけではイメージが湧きませんが、シミレーションすることで借入金に対する利息や借入日数と返済日に払う合計金額までを知ることが出来るので、お金を借入する前には必ずシミュレーションを利用し返済までの流れをイメージすることが大切です。
カードローンの金利に幅があるのには理由がある!
お金を借入する場合には、できるだけ低い利息で借りたいと誰もが思います。各カードローンの金利を比較して検討する人は少なくありません。
大抵の場合金利については「○%~△%」と幅のある表示の仕方がされているのが一般的です。例えばある銀行のカードローンの金利では「4.6%~14.6%」と表示されています。
この場合「4.6%」の方を「下限金利」、「14.6%」の方を「上限金利」と呼びます。できるだけ安い利息ですむ業者を探している人にとっては「下限金利」の方を注目してしまいます。
例えば「金利2%~18%」と表記している業者と「金利5%~12%」と表記している業者があった場合「2%」という下限金利に注目してこちらを選んでしまう人が多いと思います。
しかし実際には、もし融資限度額が100万円未満であれば、金利設定はおそらく「18%」が適用されます。その理由は、利息制限法によって、100万円未満の融資額における上限金利は18%と決まっているからです。
つまりこの場合「2%」というのは100万円以上を融資する場合に可能な金利のこと指しているということです。
100万円未満を融資する場合には法律範囲内ギリギリの「18%」が適用される可能性が非常に高いということを忘れずにカードローンを賢く利用しましょう。
実質年率のメリットとデメリット
実質年率で計算すると、元金以外でカードローン会社に支払う金額の全額や、自分が支払うべき利息がはっきりと分かります。実質年率で計算すると借入から完済までの金額がわかり自分が支払うべき金利(実質年率)がわかるという点がメリットです。
また、カードローン会社は利息を実質年率で表示することが法律で定められているので、実質年率の記載がない金融業者には注意が必要です。つまり、実質年率の表示の無いカードローン会社は悪徳業者といえます。
金利を安く見せるためにあえて「年利」「月利」を表示し、実際には高額な手数料や保証料を上乗せして請求するケースがあるので注意が必要です。借入前に契約書類をしっかりと確認する必要があります。
実質年率方式では、日ごとに利息が生まれるため、早く返せば返すほど、利息総額は小さくなるのが特徴的です。例えば、カードローン会社によって10万円を借りた場合、36回払いと7回払いでは、2万円以上の利息の差が発生します。
カードローンの金利はすべて、実質年率方式で計算されるため、どの会社で借りても、利息を減らすためには、繰り上げ返済を出来るだけ多く行うのが利用するメリットと言えます。
逆に繰り上げ返済せずに、初回の返済計画のまま返済し続けることはデメリットですので、カードローンを利用する場合はシミュレーションを利用し、返済までに必要な利息や繰り上げ返済をした場合の利息を知っておくことが重要です。
実質年率方式のほかに、利息の計算方式には「アドオン方式」がありますが、現在、カードローンにおいて、アドオン方式での利息を表示することは、禁じられています。それでも、クレジットカードの支払いなどで、アドオン方式が使われている場合があります。
実質年利方式とアドオン方式?
アドオン方式の計算は簡単です。(元金×金利=利息)しかし、借入額が減っても計算式が変わらないため、実質年率方式よりも利息総額が大きくなります。
金利としては低く表示されますが、利息が大きくなるため単独での表記は禁止されています。(例えば、アドオン利率10%で5回払いの場合、実質年率に換算すると約40%となります。大きな違いがあることを利用する前に知っておくことが重要です)
実質年率方式は借入額が減るに従い、月々の利息も減るために、計算が面倒なのが特徴的です。「金利」とだけ書いてあった場合、ほとんどが実質年率方式の金利を指しています。
アドオン方式での金利が書いてあった場合は、普通のカードローン会社であれば必ず併記してありますので、実質年率方式の金利を見て利用を検討しましょう。
選ぶなら実質年率の低いカードローン
カードローンを利用するとき、最初にチェックするのは金利です。利息は自分の返済計画や支払総額に直接関わってくるので、金利・利率は必ずチェックしてくことを忘れないで下さい。
この時大切にしたいことは「実質年率」です。実質年率で計算すると、元金以外でカードローン会社に支払う金額の全額や自分が支払うべき利息がはっきりとわかり、早期返済や少額返済につながります。
実質年率の低いカードローンを選ぶポイントは以下です。
- 上限金利で比較:初めての借入れや少額の借入れの、ほとんどの場合には最高金利が適用される。目につきやすい最低金利の方が印象深くなるが、最高金利も気をつけたいポイント。
- 金利が低いカードローンは融資に時間が掛かるなどのデメリットがある可能性がある。しっかり理解しておくことが大切。
以上のポイントを考慮してカードローン会社を選ぶことをおすすめします。
実質年率の消費者金融や銀行の比較
複数の消費者金融や銀行のカードローンを比較するときには「自分の借り入れたい金額」を明確にすることが大切です。
そして自分の返済計画と照らし合わせて、無利息期間内で完済できそうなら消費者金融の無利息の商品、難しいのであれば、借り入れたい金額で最も利率の低い商品を選ぶことをおすすめします。
また、銀行カードローンは、貸金業法では無く、銀行法が適用されるため、総量規制関係なく借入をすることができるようになっているので、高額の借入に向いているので消費者金融では総量規制によって借入できなかったという方でも銀行カードローンなら借入が可能な場合があります。
消費者金融では大体18.0%程度ですが、銀行カードローンの場合は、14.5%程で借入できるケースが多いです。金利が低いのも銀行のカードローンの特徴です。
銀行カードローンと違って、消費者金融は無利息期間を設けている消費者金融があります。
無利息期間が長い場合、小額の借入が短期間で返済できる場合には、低金利の銀行カードローンを利用するよりも返済額が低くなる場合があります。無利息期間内に返済できる場合、1円も利息を支払う必要がないので、短期間の借り入れを検討の方には消費者金融のカードローンがおすすめです。
また、消費者金融の一番のメリットは「審査スピードが早い」という点です。銀行では、自社で審査を行わず、保証会社に委託するケースがほとんどのため、審査に時間がかかるケースが多いです。
用語説明
正しい知識を持って利用すれば、カードローンはとても便利な商品です。
ここでは、カードローンやキャッシングの説明では、普段の生活では聞き慣れない言葉について、多くの方が抱いているカードローンのよく使われる用語について説明していきます。
アドオン方式
アドオン方式の計算は簡単です。(元金×金利=利息)
しかし、借入額が減っても計算式が変わらないため、実質年率方式よりも利息総額が大きくなります。
金利としては低く表示されますが、利息が大きくなるため単独での表記は禁止されています。(例えば、アドオン利率10%で5回払いの場合、実質年率に換算すると約40%となります。大きな違いがあることを利用する前に理解しておくことが重要です)
支払う側からすれば単純で分かりやすいのですが、本来は毎月減ってゆく元金に対して利息額も小さくなるはずですが、この方式では総額を単純割りしているのでそのようなこともなく、実質年率に対して最終的に割高になってしまうので注意が必要です。
利息制限法による実質年率
消費者金融の金利の上限は利息制限法という法律で、消費者金融の上限金利について次のようなルールが決まっています。
- 借り入れ金が10万円未満の場合の上限金利は20.0%
- 借り入れ金が10万円〜100万円未満の場合の上限金利は18.0%
- 借り入れ金が100万円以上の場合の上限金利は15.0%
上記のように利息制限法で明確に消費者金融の金利の上限が決まっている場合、消費者金融は利用者に上記の金利を超える利息を支払わせるように促した場合、法律は無効となります。
利息制限法で定められた上限金利 > 消費者金融の上限金利ですので、利息制限法の金利の上限を超える利息については、利用者は払う義務はありません。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。