急なトラブルや出費で、家賃を滞納してしまうというケースは珍しくありません。しかし家賃の滞納を1ヶ月しただけで、強制退去に発展するリスクはあります。強制退去を回避するためには、大家さんに支払いの意志があるということを伝える言い訳が必要になってきます。

そこで今回は、家賃を滞納してしまった時の役立つ言い訳について紹介します。家賃を滞納した時に役立つ言い訳の他に、家賃を滞納した時のリスクや、使ってはいけない言葉などを理解できるようになります。

この記事はこんな人にオススメ！

滞納家賃が払えない場合は、早急に大家さん・管理会社に相談

家賃は毎月決まった日に支払います。そのため、支払い日が近くなれば家賃が払えるかどうかが分かります。
もし、支払い日前に支払えそうもないと分かったときに、どうすればいいのか解説します。

貸主に事情を話さないと、後々大きな問題になる

支払い日前に支払えないと分かった時点で、大家さんや管理会社に相談しましょう。

支払えずに当日を迎えたり、支払い日が過ぎてから相談するよりも印象がマシになります。また、家賃が支払えない事のリスクは後述しますが、家賃を支払えないと大きな問題に発展しますので、きっちりと支払いましょう。

しかし、すぐにお金を用意できそうもないときは、時間稼ぎもかねて大家さんや管理会社に言い訳をしましょう。言い訳をして滞納を待ってもらえるのかと言うと、その確率は実は高いです。
何故なら大家さんや管理会社側も、入居者から家賃を得ないと収入が減ってしまい、強制退去してもすぐ新しい人が来るとは限りません。貸主側にしてみれば納得できる事情や言い訳があるなら、相談に乗ってくれる可能性はあります。
言い訳をするときも大家さんの気持ちを考えて納得できる理由を考えましょう。

言い訳は支払いの意志や支払い計画を明確にするべき

言い訳をする時のポイントは、支払う意志がある事を明確にすることです。

例えば、以下のようなことをきっちりと伝えれば、大家さんや管理会社も納得しやすいです。

ただし、自分で期限を定めたら、その日までに支払う義務が発生します。
ただでさえ最初の支払い日を破っているのですから、次の支払い日までにお金を用意しなければ、大家さんや管理会社の心証を非常に悪くします。

管理会社は1ヶ月滞納しただけでも厳しい対応を取る

1ヶ月ぐらい滞納しても大丈夫と考えるのは危険です。なぜなら管理会社や貸主は、1ヶ月滞納したことで長期滞納のきっかけになるのではないかと考えるようになります。

一般的に、家賃は月の生活費の3割程度が理想と言われています。1ヶ月滞納すれば、翌月は2ヶ月分支払うことになります。複数月分の家賃をいっぺんに払うのは入居者にとっては負担になり、ますます支払うチャンスを失っていきやすくなります。

家賃滞納の負のスパイラルにはまるのではないかと危惧するため、貸主側は1ヶ月滞納であっても厳しい対応を取るのです。
ですので、きちんと滞納分と翌月分の支払いができるという意志とプランを明確にすることで、大家さんを納得させるのがベストです。

言い訳を通すためには遅延金を払う必要がある！

家賃を滞納した場合、支払うのは家賃だけではありません。
日本の法律では、家賃を滞納すれば一定の遅滞損害金を一緒に支払うことになります。

遅滞損害金について簡単にまとめたので、目を通しましょう。

遅滞損害金は年14.6%

家賃を滞納したときに発生する遅滞損害金は、契約書によって違いがあります。一般的には年率14.6%となっていますが、契約書で確認をしましょう。

詳細を知りたい方は下記のリンクを参照してください。

家賃・延滞金を支払わないと保証人に連絡が行く

物件の中には保証人が居ないと入居できないケースもあります。入居時に保証人を設定している場合、1ヶ月家賃を滞納しただけで連絡が行きます。

今までの法律では、保証人は入居者が滞納した家賃や延滞金を支払う義務がありました。そのため家賃を滞納していることが保証人に知られてしまい、保証人との関係性を悪化させるリスクがありました。

2020年より民法が改正され、保証人に関する法律も変更されます。これまでは無制限だった保証人の支払額が、契約を結ぶ段階で極度額を設定するようになります。

保証人が支払える限度の額になるため保証人の保護に繋がりますが、それでも保証人にしてみれば滞納した家賃の支払いは嬉しい話ではありません。
また、法律が変更しても、現場レベルでは特約という抜け道を使って保証人から全額弁済させるケースもあるかもしれません。

どちらにしても、家賃や延滞損害金を支払えないと保証人に連絡が行くと覚えておきましょう。

家賃滞納は信用情報が傷つくケースもある

家賃をクレジットカードで支払っている人は要注意です。

クレジットカードはカード会社が立て替えてくれますが、あとで支払えないと信用情報に傷が付きます。

ブラックリスト入りするとローンを組めなくなったり、クレジットカードを作れなくなったりと人生設計に大きな影響を与えます。

【強制退去？裁判？】家賃の支払いが遅れるリスクと確実な対処法

言い訳どころではない！家賃滞納による強制退去について

家賃を滞納し続けると、強制退去となります。強制退去がどれほど危険なのか、簡単にまとめましたのでご覧ください。

家賃滞納から強制退去までの流れ

契約解除の通知が届いた段階で、その部屋に住むのは違法になります。それでも部屋に居続ければ明け渡し請求となり、最終的には強制執行となります。

明け渡し訴訟とは？

明け渡し訴訟とは、部屋から入居者を立ち退かせる強制執行を行えるための裁判です。上記の表で言えば、請求の申し立てから強制執行までの期間が該当します。

期間は平均すれば5ヶ月ですが、和解は難しいです。そのため契約解除の通知が届いた段階で任意退去するのが、結果的に見れば正しい判断になります。

強制執行されれば、部屋を出て行かないといけない

強制執行の日になると裁判所の職員立ち合いのもと、家財が全て持ちだされて部屋から追い出されます。

次の住居が見つかるまでは、住所がないことになります。
日本の社会制度上、住所がないと、さまざまな場面で苦しくなり場合によっては仕事を失うかもしれません。

下記リンクは明け渡し訴訟をする際の請求書になります。

明け渡し請求は建物を明け渡すだけでなく、滞納していた家賃や延滞損害金も含めて請求されます。

このとき現金を所有していなければ、家財道具を競売にかけられ滞納金の補てんに充てられます。

また、「請求の趣旨」という項目にあるように、訴訟にかかった費用も借主側が負担します。弁護士費用などは含まれませんが、更にお金を支払う必要があります。

このように、強制退去になると住む場所やお金だけでなく、社会的な信用も失います。

家賃滞納時に言ってはいけない言い訳、やってはいけないこと

家賃の支払いを待ってもらうとき、使ってはいけない言葉や理由があります。
下手に使えば、相手の心証を悪くしてしまいます。そんな言ってはいけない言い訳などをまとめてみました。

「だって」「でも」「しょうがない」を言ってはダメ！

「いや」、「だって」、「でも」といった否定語を日常から使っている人は要注意です。
これらの言葉は相手の意見を否定してしまい、反省していないように受け取られてしまいます。
同じく、「しょうがない」も相手に悪感情を与えやすい言葉なので絶対に使わないようにしましょう。

ギャンブル・遊びが理由だと怒らせてしまう！

「ギャンブル」や「遊び」が理由で手に入るはずだった収入がなくなれば、誰だって怒りたくなります。

大家さんにしてみれば、そんな理由なのかと激怒して、そのまま契約解除に発展してもおかしくはありません。もし、「ギャンブル」や「遊び」で家賃が支払えなくなったとしても、それを正直に話すのは大変危険です。

後述する言い訳の例を上手く使って、別の理由を用意しましょう。

重要なのは、未払いを放っておかず自分から動くこと！

家賃の支払い日前に支払えないのが判明したら早いうちに相談をしましょう。支払い日を過ぎてから知らされるよりも、貸主側の心証を悪くすることはありません。

早くから対処すれば、その分お金を用意する余裕が生まれます。

家賃を滞納した時の言い訳4選

それでは、実際に役立つ家賃滞納の言い訳を紹介します。
言い訳をするときに、覚えておきたいポイントと一緒にご覧ください。

覚えておきたい言い訳のポイント

言い訳をする目的は、家賃の支払いを待ってもらうことです。

そのためにも、貸主側を納得させるだけの理由が必要になります。その際には、必ずお詫びを入れましょう。

家賃滞納をした時点で、入居者の立場は悪いです。ですから、高圧的な態度や、開き直って横柄な態度を取らないようにしましょう。また、自己防衛ばかりの言い訳をしないようにも気を付けましょう。

大家さんや管理会社にとって、家賃をいつまでに支払うのかというのが重要なポイントになります。そのため、いつまでに支払うというのを具体的に入れると大変効果的です。
ただし支払い日を設定したら、その日を守らないと立場を悪くするだけなので、無理のない確実に支払える日を選びましょう。

家賃の未納が初回なら、「今回だけ」と強調してみましょう。

貸主側にしてみれば、滞納を繰り返す入居者だと思うきっかけとなり、今後の関係性を悪くする可能性があるため、今回だけとアピールして不安要素を払拭しましょう。
ただし、何度も滞納を繰り返していると効果は薄いです。

言い訳の参考もご覧ください。

①結婚式に参加をすることになりお金がない

言い訳の解説

結婚式に出席するとなると、それなりの費用が掛かります。
ましてや、海外ともなれば交通費だけでもかなりの額となるのは予想できるため貸主側も納得しやすいです。

もし、海外での挙式参加がオーバーだと感じたら、「結婚式が2回重なった」「葬式と重なった」というふうに出費が多いと暗に伝えましょう。

②転職して給料日が変わった

言い訳の解説

会社によって給料日が違うのは珍しくありません。そのため貸主側も納得しやすい理由ですが、使う際は気を付けましょう。

管理会社によっては転職した先の連絡先を登録する場合があります。本当に転職しているなら問題ありませんが、嘘なら発覚するリスクがあります。

③親の介護費用が必要になった

言い訳の解説

介護というプライベートかつ、出費がかさむだろうと予測しやすい内容のため、すんなりと通る可能性は高いです。

しかし、この言い訳の場合は分割払いの相談をしています。
分割払いは管理会社側にしてみると面倒なため、受け入れてもらえるかは微妙です。
微妙ですが、とりあえず言ってみるのもアリです。

④葬式をすることになった

い訳の解説

葬式は結婚式と並んで、家賃を未払いのままは絶対にやめましょう！

以上が、家賃を滞納する時に役立つ言い訳の解説になります。

家賃保証会社が増えたことで、逆に家賃トラブルは増えてきたと言われています。家賃が支払えなくなったときは、今回の記事を参考に上手く凌ぎましょう。

ただし、家賃を滞納したままにしておくのは大変危険です。
最悪の場合、家を追い出され住所がなくなってしまいますので、くれぐれも家賃未払いのまま放置するのはやめましょう。

※記載されている内容は2024年4月現在のものです。