産後うつの入院・通院にはどのくらいの費用がかかる?負担を減らす方法
更新日:
公開日:2021.3.3
「育児ノイローゼから産後うつに。病院での通院・入院治療にはどの程度の費用・時間がかかるのかが心配……」
出産を経験した女性のおよそ20%(NHK調べ)が発症しているといわれるなど、今や誰しもが注意すべき症状とも言える「産後うつ」。
出産から3ヶ月以内という短期間で現れやすい症状であり、一度発症すると育児はもちろん、通常の家庭生活にも多大な影響を及ぼしかねません。
産後うつの治療は、現在では病院で通院・入院治療が一般的。費用は通院の場合1回当たり3,000円程度、入院の場合は3ヶ月から半年の期間が必要となりその分だけ費用も増えるのが実状。
産後うつにも出産と同様に、高額療養費制度をはじめとした治療にかかる費用を減らす方法がいくつかあります。
今回は、産後うつの治療にかかる費用の具体例とともに、もしものときに活用したい便利な制度や対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください!
この記事の目次
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産後うつの入院費用を軽減できる公的制度
産後うつの治療にかかる費用で注意しておきたいのが、入院が必要になった場合です。
通院治療にかかる費用と比べて、入院が伴うため費用が高くなりがち。短期間で終われる出産での入院と比べ、産後うつは治療に時間がかかるうつ病の一種であることから、根治までに時間がかかり、そこには個人差もあります。
産後うつの入院費用を少しでも軽減できる公的制度を下記ページにまとめました。
どれも入院が必要になってしまったら活用したい制度ばかりなので、ぜひ参考にしてください。
>>> 産後うつの入院費用を軽減できる公的制度
産後うつの入院費用がどうしても用意できないときの対処法
産後うつで日常生活に支障を来していたり、同居する家族に迷惑をかけてしまったりする危険性がある場合に、入院による治療は大変有効です。
なかにはそれが分かっていても、お金の問題から入院になかなか踏み切れない⋯⋯という方もいるでしょう。
そんな場合はすぐにでも入院できるよう、この項目でご紹介する対処法をぜひ検討してみてください。
病院に支払いについて相談する
うつ病をはじめ精神疾患のバリエーションは幅広く、さまざまな事情を抱えた方が治療を受けています。
こうしたニーズの広がりを受け、精神疾患を治療している入院可能な病院のなかには、患者の事情を最大限考慮してくれるところも少なくありません。
費用やお金の問題についても同様で、病院に入院費用を払える見込みがないことを相談すると、支払いについてアドバイスや具体的なサポートを受けられる可能性があります。
入院費用の分割払いや後払いに対応してもらえたり、患者側で受けられるさまざまな減免制度の紹介や仲介を受けてくれたりなどです。
産後うつを治療したいのにお金の心配でなかなか一歩を踏み出せない方は、勇気を持って病院に相談してみてください。きっと、その行動に見合うだけのメリットが得られるはずです。
クレジットカードで支払える病院を利用する
これまで病院での費用支払いといえば、現金払いが原則でした。ところが、最近では支払い方法の多様化を受け、さまざまな支払い方法を導入する病院が徐々に増加しています。
産後うつを治療できる精神科や心療内科も例外ではなく、入院費用や治療費をクレジットカード払いできるところも少なくありません。
クレジットカードをお持ちであれば、面倒な手続きの必要もなく費用を簡単に支払えるでしょう。もちろん、分割払いやリボ払いも使える上、一括払いしかできないときでも、カードのキャッシング機能を使えば問題ありません。
支払いが原因で二の足を踏んでいる方は、ぜひクレジットカードで支払える病院を探してみましょう。
金融機関から借金する
病院に相談しても快い返事がもらえなかった、クレジットカードを持っておらず申し込んでも断られる可能性が高い方は、金融機関からの一時的な借金を検討してください。
借金というと、恐らく多くの方が不安に思うのは当然。それでも、産後うつの適切な治療を受けられずにいる不安と比べれば、一時的な負担が増えるのみです。
それに、以前と比べて法律による環境が整ったこともあり、最近では悪徳といわれる金融機関はほぼありません。ある程度名の知れた銀行やクレジット会社、消費者金融であれば安心して借りられます。
そこから用立てたお金を使って治療する方法も、ぜひ検討すべきです。
とはいえ、入院費を借金でまかなうということは、手持ちのお金がなくて困っている方が大半。そういった方には、通常のローン(フリーローンなど)を使った借金ではなく、より素早く手軽に借りられるカードローンを強くおすすめします。
カードローンなら必要額を即日で借りられる
金融機関からの借金もさまざまで、それぞれの商品ごとで向き不向きがあります。産後うつの治療を目的とした費用のための借金であれば、ここではカードローンの活用をおすすめします。
カードローンとは、ローン専用に発行されたカードを使って借り入れ・返済を行うローンのこと。フリーローンなど通常のローンと比べて借り入れごとの契約の必要がなく、限度額内であれば任意の額をその都度自由に借りられます。
産後うつの入院費用にカードローンが特にオススメできる点がここ。個人ごとで異なる入院費用を無駄なく借りられるため、余計な借り過ぎを防げます。
通常のローンと比べてカードローンは契約しやすいものが多く、特に消費者金融カードローンは独自基準で審査をしてくれることで有名。過去に金融事故を起こしていない限り、安心して審査受けられるでしょう。
「時間はあるけど借り入れは不安⋯⋯」という方は、在宅でできる仕事をして収入を得るのもおすすめです。ただし、その報酬を受け取るまでにある程度の時間がかかる点に注意してください。
その情報をこちらのページにまとめたので参考までにご覧ください。
>>> 子育てしながら家でできる仕事
民間医療保険で負担をさらに軽減しよう!
産後うつの治療で入院する場合、健康保険や高額療養費制度を活用したとしても基本的に自己負担額は0円にはできず、ある程度の費用負担は避けられません。
手持ちのお金が0に等しいほど少ないという方にとっては、どれだけ軽減されたとしても、これでは入院という選択肢自体を選べなくなってしまいます。
そこで有効活用したいのが、ここでご紹介する民間の医療保険。民間の保険会社が提供している医療保険を活用すれば自己負担額を0円にできる上、契約内容によっては自己負担分を除いた残額分だけ黒字にすることも可能です。
ただし実際に利用するためには、保険の加入タイミングでちょっとしたコツが要ります。
これを知らずにいると、いざ保険を使おうと思っても加入が認められない、出るはずだった保険金が出ないといった状況に陥ってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
産後うつ発症前の加入が鉄則
民間の医療保険は国民健康保険などの公的医療保険と比べ、加入自体は義務ではありません。
利用者が加入するかを自由に選べる反面、実際に加入できるかどうかは保険会社にさじ加減が委ねられています。つまり、状況によっては加入を希望しても断られてしまう可能性があるのです。
加入を断られる理由はさまざまあり、女性の産後うつも加入を断られる大きな要因といわれています。
民間医療保険はあくまでも民間の企業が提供しているサービスであり、利潤を追求するのが大前提。十分な保険料を受け取らないうちに多額の保険金を契約者に支払うことは、保険会社にとっては大きなリスクです。
このため、明らかにリスクが高いと見なされる利用者からの申請を契約前の段階で拒否する傾向が、依然として根強く残っています。
すでに産後うつを患っている女性は「十分な保険料を受け取っていない段階で請求される可能性が高い」という判断の下、この不安材料の一つと見なされがち。結果、リスク回避のために断られてしまう可能性が高くなってしまいます。
したがって、産後うつの治療費に民間医療保険の保険金を使いたいのであれば、産後うつ発症前の段階で加入しておくのがポイント。発症前であればリスクがあるとは見なされず、発症した後と比べてもスムーズに加入が認められるでしょう。
妊娠前の段階で加入しておくと、出産時の入院費用などにも医療保険が使えて便利です。
もう一つ注意しておきたいのが、告知義務違反です。医療保険は加入者に対し、過去の既往歴(過去の病歴)を全て保険会社側に告知する義務を課しています。
産後うつの症状もその一つ。既往歴を隠して医療保険に申込契約できたとしても、隠していたことがバレた段階で保険金の支払いを拒否されてしまうのです。
これらの点を未然に防ぐためにも、医療保険への加入は事前に行っておくのがベストでしょう。
通院保障があれば通院治療も対象に
産後うつの入院治療で保証が受けられる医療保険に加入していたとしても、その保険で賄われるのはあくまでも入院治療の費用のみです。
これは、多くの医療保険が入院治療の費用のみを保障すると規定しているため。つまり、通院にかかる治療費は一切保障されず実費負担が必要になるわけです。
せっかく医療保険に加入するのだから通院治療でも保障を受けたいという方は、通院治療の費用も保障してくれる「通院保障」がついている医療保険を選びましょう。
通院保障は保険の特約(オプション)として提供されていることが多く、追加するかどうかは加入者の判断に委ねられています。
したがって、加入の段階で提供されているかしっかり確認し、提供されているのであれば追加する意思を示さなくてはいけません。
産後うつの治療で入院だけということはとても珍しく、大抵の患者さんは通院と入院を両立して行っています。少しでもお金が足りない状況を避けるためにも、医療保険に加入する際にはこの点にもしっかり目を配っておくべきです。
産後うつの通院・入院にかかる費用と期間
産後うつの通院・入院にかかる費用を軽減する方法をご紹介してきました。
ここからは、実際に通院・入院治療で産後うつを治療する際にかかる費用を見ていきましょう。どの程度の費用がかかるのか事前に知っておくだけでも、その後の対策がはかどります。
産後うつの通院治療にかかる費用は1回2,000~4,000円ほど
まずは産後うつの通院治療にかかる費用から。とはいえ、それぞれの病院ごとで、患者さんの容態ごとで治療費は異なります。ここでご紹介する費用は、あくまでも平均的な相場として見てください。
一般的な精神科・心療内科を備えた病院に通って治療する場合、1回の通院当たり2,000~4,000円程度が相場です。この料金の差は、処方される医薬品の種類と数、病院自体の料率設定などの違いが主な要因です。
産後うつの入院にかかる費用は1ヶ月4~10万円
通院治療だけでなく入院して産後うつを治療する場合、さらに高額な費用を覚悟しておく必要があります。こちらも病院ごと、患者ごとの容態によって料金は異なります。
平均的な病院で入院した場合の費用は、1ヶ月当たり4~10万円程度。病室や食事などで最低料金を採用しているところもあれば、少し料金を高めに設定している病院もあり、それぞれの病院ごとで料金はやや異なります。
通院治療と違い入院治療で産後うつを治療する場合に注意しておきたいのが、病院によって保証金の名目で別途費用を事前徴収するところがある点です。保証金は10~15万円程度が一般的な相場で、特に問題なく退院まで過ごせれば全額返金されます。
産後うつの入院には平均3~6ヶ月程度の期間が必要
産後うつという症状はうつ病の一種であり、他のうつ病と同様の治療が行われます。通常、入院を伴ううつ病の治療には最低でも3ヶ月程度の期間が必要で、症状によっては6ヶ月以上の期間を要することもあります。
その期間分だけ費用が必要となるため、決して軽い負担ではありません。しかしこの期間を自宅で治療することを考えれば、ご自身だけでなく同居する家族の負担も大きくなる結果にもなります。
それでも、通院が中心の自宅治療で長い時間をかけるよりは、入院治療を使って短期集中で治療に専念した方が、結果的には負担が少なく済むでしょう。
産後うつの治療で入院は本当に必要なの?
産後うつの治療で「わざわざ入院してまで?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
結論からいえば、産後うつの症状をできるだけ早く治したいのであれば、入院治療がベストな方法。入院と比べ通院のみの治療では、生活や治療環境の影響で治療期間が長くなってしまいがちだからです。
それでも納得できない方に、ここでは産後うつの治療であえて入院を選ぶ理由とメリット・デメリットをご紹介します。
産後うつで入院が必要になるケース
産後うつで入院ができるだけ必要といわれる理由は、さまざまなものがあります。
その理由は次の通りです。
- 他の病気を併発する危険性がある
- 生活リズムと質が乱れてしまう
- 自傷・自殺行為に及ぶ危険性がある
- 家庭環境が治療に適していない
入院せず通院で治療するということは、日常生活はこれまで通り、自分や家族が引き続き行うことを意味します。産後うつを発症している人にとっては、これが意外と重荷になりやすく、症状が悪化してしまいかねません。
自分の食生活さえままならず、簡単な食事で済ませたり抜いたりした結果、体調が以前よりもさらに悪くなってしまうケースもあるでしょう。
うつ病患者に対して特に注意しなくてはいけないのが、自傷・自殺行為に走る恐れがある点です。うつ病特有の行動でもあり、監視の目が行き届いた病院ではなく自由に行動できる自宅にいる人ほど、こういった行動に走りやすくなります。
実際に生活する家庭環境自体が、治療には向いていないという点も無視できません。
うつ病の治療には、適切な食事とコミュニケーション、規則正しい睡眠と生活が欠かせないのですが、通院治療だとこれが乱れやすくなります。
このように、さまざまな理由から通院治療よりも入院治療の方が、より治療に専念できるという意味でも必要な対策といえるでしょう。
家庭環境でのストレスが産後うつの要因
家庭環境でのストレスも、産後うつの症状を治療するどころか、かえって悪化させる要因になります。
家族との交流や慣れない育児によるストレスや、満足に行動できない自分に対するいらだちが発端のストレス、生活するための行動が重荷に感じるストレスなど、家庭環境はストレスの宝庫ともいえるほど。
産後うつを発症する患者さんのうち、家庭環境におけるこうしたストレスが症状を発症させる要因の一つにもなっているといわれています。
実際、入院によって家庭環境から強制的に離れることで、一気に症状が改善する患者さんもいるほど。ここからも、家庭にこだわり過ぎることが産後うつの治療を妨げる要因であることがうかがえます。
入院治療であれば、少なくとも食事の準備など最低限の生活は他人任せにできる上、娯楽が少ない環境自体がストレスを減らすきっかけにもなってくれます。
同じ症状を抱える他の患者さんとの励まし合いも治療を促進させる効果が期待できるので、完治を目指すためには入院は欠かせない治療手段なのです。
入院するメリット・デメリット
最後に、産後うつの治療のために入院することで得られるメリット・デメリットを具体的に確認していきましょう。まだ入院するかどうか迷っている方の背中を押すきっかけになるかもしれません。
メリット
入院によって得られるメリットは次の通り。
- 育児・家事から解放される
- 身体と心を自分のペースで休ませられる
- 距離をとることによって家庭と家族の存在を再確認できる
- 通院治療と比べ、はるかに早いスピードでの治療が期待できる
- 素人判断ではなく医師・看護師などの専門家による手厚いサポートが常時得られる
産後うつの発症理由は人それぞれ。それでも、多くの方がきっかけとして捉えているのが「出産前と比べて変化した環境に対するストレス」です。
自宅にいる間はこのストレスから逃れることはできないので、あえて入院という形で違う環境に移ることで、ストレスの発端から一時的にせよ離れられます。
もちろん、常に医師や看護師など専門家が身近にいることでの安心感や手厚いサポートも受けられるので、総合的に見てもたくさんのメリットが得られます。
デメリット
入院にはメリットだけでなく、デメリットもいくつか考えられます。その内容は次の通りです。
- 通院と比べて余分に出費がかかる
- プライバシーが確保しにくい
- 大切な家族との距離感を感じやすい
入院によるデメリットは、メリットほど多くはありません。それでも、どれも無視できないものばかりです。
ここまでにも解説した通り、入院は通院と比べると費用が余計にかかります。もちろん、その費用に対する効果は実感できるので、決して無駄な出費というわけではありません。
入院中の環境におけるプライベシーが確保しにくい問題にも目を向けるべきです。個室を選ばない限り他人との相部屋が基本なので、自分一人の環境はどうしても手に入れにくくなります。
自由時間に屋外や休憩スペースで発散したりして、とにかくストレスを少しでも感じないように努めましょう。
家族と離れることによってストレスから解放される反面、大切な家族と離れなくてはいけないことに対する疎外感や距離感を感じやすい点もデメリットの一つ。
面会に来てもらったり連絡を取ったりして、とにかくデメリットと感じないよう心がけることが大切です。
まとめ
産後うつを患ってしまった方はもちろん、これから出産を控えて産後うつへの対策を知っておきたい方を対象に、今回は産後うつの治療について詳しく解説しました。
できるだけ早く治療したいのであれば、通院よりも入院を選ぶべき。その分だけお金は必要ですが、しっかりとサポートしてくれる公的制度や保険を活用することで、その負担は最小限に抑えられるでしょう。
出産後に患いやすい産後うつは決して珍しい症状ではなく、誰しもが経験する可能性があるものです。決して自分を責め過ぎず、大切な家族のためにも焦らず一歩一歩確実に前進していくことを目指してください!
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。