留年したら奨学金は借りられない!学費はどのように払えばいいのか
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留年したら奨学金を借りられないのだろうか…
奨学金を借りられない場合はどうやって学費を支払おうか…
大学を留年しても学費の免除はありません。自分で学費を何とかするしか方法がなく、奨学金を借りることもできない状況です。収入がない場合はアルバイトをする、または親を頼るなどして学費を工面するなどの方法を検討するしかないでしょう。
本記事では、留年した際に奨学金を借りられない理由、留年して奨学金を借りられないときの対処法などを解説します。
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留年した場合に借りられる奨学金はない
留年したら借りられる奨学金はありません。奨学金とは、進学を希望するけれど経済的な余裕がない家庭の学生を対象に、民間団体が学費などの大学生活にかかる費用の給付や貸付を行う制度だからです。
日本学生支援機構の公式では「適格認定」について以下のように伝えています。
1.人物について・・・生活全般を通じて態度・行動が奨学生にふさわしく、奨学金の貸与には返還義務が伴うことを自覚し、かつ、将来良識ある社会人として活躍できる見込があること。
2.学業について・・・修業年限で確実に卒業又は修了できる見込があること。
3.経済状況について・・・修学を継続するため、引き続き奨学金の貸与が必要であると認められること。引用元:適格認定 | JASSO
留年は、修業年限で確実に卒業または修了できる見込がないことを意味します。奨学金の給付や貸与の条件に該当しないと判断されることを避けられない行為なのです。
なお、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」によると、国立大学と公立大学、私立大学それぞれの授業料は以下のとおりです。
- 国立大学:53万5800円
- 公立大学:53万6363円
- 私立大学:93万943円
上記に加えて一人暮らしをする学生なら、アパート・マンションの家賃や光熱費といった固定費、食費や交際費などもかかってきます。
1~3年なら学業成績によっては再開が可能
大学1年から3年で留年した場合、日本学生支援機構の奨学金は廃止・停止されます。ただし、次年度に進級して奨学生学修状況届を提出し、出席状況や単位取得状況が要件に該当すれば、奨学金の貸与が再開されます。貸与再開を希望するなら、単位を積極的に取得して卒業見込みがあると見なしてもらうことが重要です。
また、留年しても奨学金の貸与を受けている間は、次年度までに継続願(貸与継続・延長の希望に関わらず)を提出する必要があります。
4年で留年した場合は廃止
大学4年で留年した場合、大学1年~3年とは対応が異なり奨学金の認定廃止となります。修業年限で確実に卒業の見込みがないと判断されるからです。
留年が理由で中退した場合は奨学金の返済が必要
留年が理由で大学を中退した場合、どんな状況であっても在学期間中に貸与を受けた奨学金は返済しなければなりません。退学後に日本学生支援機構が発行する「貸与奨学金返還確認票」を確認し、返還手続きを行ってください。
どうしても返済が困難な場合は、日本学生支援機構に相談し、猶予期間(1年~最大10年)をもらうなどの対処法があります。日本学生支援機構は、以下のようなやむを得ない理由で奨学金の返済が困難になった場合の対応を伝えています。
災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合は、返還期限の猶予を願い出ることができます。そのような状態になった場合は、延滞する前にすみやかに手続きをおこなってください。
審査により承認された期間については返還の必要がありません。適用期間後に返還が再開され、それに応じて返還終了年月も先送りされます。 ただし承認されない場合は返還を継続する必要があります。
留年して奨学金を借りられないときの対処法
留年が確定して奨学金を借りられない、でも退学はしたくないという場合、以下の対処法で学費などの大学生活にかかる費用を工面してください。
学業に支障をきたさず、自分自身の体調に無理のない方法を選ぶことが大切です。選択を誤ると、進級できないリスクが高まってしまいます。それぞれの内容を解説しますので、どの方法を選ぶか慎重に判断してください。
親に相談する
留年により奨学金の貸与が廃止された場合、親にその旨を伝え、学費を貸してもらえないか相談してみてください。子が学費を払えず退学するのは避けたいと思うのが親心です。留年に至った理由や、学習への取り組み、毎日の生活について厳しく叱られるかもしれませんが、最終的にお金を貸してもらえる可能性は高いでしょう。
お金を貸してもらえたら、「毎月どのくらいの金額をいつまでに返済するか」を決めて、書面に残してください。そして、学費や大学生活にかかる費用を貸してもらった場合、遅延なく返済することが重要です。
休学して働く
親からお金を借りられない、しかし退学を避けたい場合は、大学を休学して働く方法もあります。学費をはじめ、どれだけの費用が必要かを事前に調査し、目標金額を設定してください。そのうえで日雇いバイトや派遣社員など、数ヶ月単位の雇用でどのように働くかを検討しましょう。
国の教育ローンで学費を借りる
学生本人の名義ではなく、融資対象の大学に入学・在学する学生の保護者(主に生計を維持されている人)が契約人となるものの、日本政策金融公庫の国の教育ローンで学費を借りることが可能です。最高350万円、以下のいずれかに該当する場合は最高450万円まで借りられます。
- 自宅外通学
- 修業年限5年以上の大学(昼間部)
- 大学院
- 海外留学(修業年限3ヶ月以上の外国教育施設に留学する場合)
低金利での借入れが可能で、固定金利で年2.25%(保証料別)です。さらに交通遺児家庭、母子家庭、父子家庭、世帯年収200万円(所得132万円)以内、子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得356万円)以内の場合は2.25%からマイナス0.4%の金利が適用します。
なお、融資開始までに約20日の日数を要するため、申し込む際には時間に余裕を持って手続きを行ってください。
アルバイトをしながら学費を用意する
学業優先の場合は難しいかもしれませんが、アルバイトをしながら学費を用意するのも一つの方法です。ただし、この方法は「自宅から大学に通っている」「授業料やその他学生生活にかかる費用が高額でない」人に限られます。また、一時的に親に費用を立て替えてもらうなどの対応も必要になるかもしれません。
学費免除制度を利用する
大学によっては、学費免除制度を利用できることがあります。ただし、すべての大学で利用できるわけではなく、免除対象になるための要件が設けられていることもあります。理由があって留年し、学費の捻出が難しい場合は、学費免除制度の利用を検討してみてください。
例えば、京都大学では以下の理由により留年した場合、免除対象になる旨が伝えられています。
【病気の場合】
- 長期療養により休学
- 休学期間に満たない期間の病気(外傷を含む)のために単位修得ができなかった
- 単位修得試験の当日の病気(以前からの急病によるものを含む)により単位修得ができなかった
【留学の場合】
- 留学によって必修科目等の修得が不可能となった
【その他の場合】
- 出産・育児のための休学
- 国等の要請に応えて休学して公益事業((青年海外協力隊への参加、外国人の兵役など)に参加した
- 学資負担者の不在による学資獲得のためのアルバイト苦によるもの
- 被保護世帯であることが留年の一因であると推察される
- 本人が身体障害者のため学業を継続するうえで負担が大きかった
参照元:京都大学
4年生なら半期卒業を検討する
4年生で留年が決定した場合、半期卒業を選ぶことで支払う学費を半額にできます。ただし、就職先が内定している場合は、半期卒業を理由に取り消しとなる可能性があります。その場合、再度就活をする必要があり、就職先が決まっている学生には適切な対処法とは言えません。
※記載されている内容は2024年9月現在のものです。